シェア
seiji_arita
2024年3月31日 04:21
「月下の詩人と盲目の犬」大きな美質と大きな欠陥が背中合わせに存在する其処には見え透いた理論は無い疑問を背負ったまま僕等は今を歩き続けている一匹の盲目の犬何かに損なわれる事が無い様に僕は其の犬を抱きしめていたその失われた瞳を通して彼はこの世界に現れるそして彼の言葉が僕の意識の領域に着地する時間の歩みすら止まる気がしたソメイヨシノが香る時嘘しか
2024年3月29日 19:48
「春の風」行き場を失くした憧憬と忘れられない約束夢の中に見た言葉にならない気持ち時間は記憶の中で絡まり合う僕等の心に刻印された時は決して消える事は無い泣きたいのに無理して微笑む君の顔愛とか希望とかそんな言葉より 君に逢いたい心の空にある虹の欠片に触れた春の風 君の匂いがした
2024年3月27日 19:54
「愛の言葉」何処まで行っても現実は付いてくる自分の影と同じ様に風が闇を斬る音其の風は僕の知らない所からやって来て僕の知らない所に向かい吹き過ぎてゆく忘れかけた愛の言葉 海の様に広いベッド其処には用途を失った言葉が雑然と散らばる
2024年3月26日 22:14
「魂のドア」神は要らない 其処に欲望はあるか其処にプライドはあるか悔しさで握りしめた拳僕は泣き腫らした眼で信頼できる本当の友を探した魂のドアを開けろ夢はいつか見た 夏の夜の流星ではない
2024年3月24日 19:34
「半月の夜」風か吹き始めたのは そう 孤児の様に置き去りにされた野良猫と出逢った時からだったその夜 君に眼隠しをしてSEXをした 君の望み通りに半月の夜は何故か無口になる空は雲に覆われて雨が降り始めた鮮明に見た夢が不鮮明な現実に呑み込まれてゆくいつか見た半月 雨はまだ降り続いている窓を打つ雨音 青い海風が忘れられた深い森の木々を洗い淘汰する
2024年3月23日 21:50
「Old fashion」正しく無い選択が正しい結果をもたらす正しい選択が正しく無い結果をもたらす夜明けの空に星を探した 色褪せた消えそうな星が見えた其の星の不明瞭な輝きと真夜中に見たカミソリの様な三日月反社会的行為に準ずる事柄其処に大義名分とある種の概念を上塗りする目には見え無い 小人の姿借りた殺人鬼Swankys Old fashion
2024年3月16日 22:52
「トロイの木馬」特定の目的を持ち意図的に作り上げられた偽装された世界の中で沈黙を維持し続ける真夜中の音は鳴り止まず僕はその音に耳を澄ませている記憶と意識の形を変えて其処に留めた巻き戻せない時を超え 朱く霞む夕陽の残像が風に逆らう汚された光に僅かに残る純粋な粒子永遠に続く掟が終わりなき夢に堕ちてゆくトロイの木馬 血は流されなくてはならない神
2024年3月8日 21:59
「忘却」無意識の領域から浮かび上がる記憶と欲求割れた雲間から見えた幾つかの星遠く忘却の中に消えた彼奴の言葉はまだ僕の中に残っている彼の意志の力は其処に留まり 星を輝かせる 光と影の複合体が創り出す本当の姿其れは美しさの奥に隠された資質表面上に見えるものが美しくある必要も無い例え醜いものであったとしても僕は彼を正確に理解しその輪郭を描く事が出来た
2024年3月6日 23:26
「水晶の夜」水晶の夜 飛び散った硝子の破片忘却の沼に深く沈みゆく二本の足其処には賞賛も無く批判も無い屈曲した光があるだけだった若き暗殺者と思考の殺人者俺は彼に呼び掛ける手段を持ってはいない霧の中で遊ぶ小人の群れが 青い太陽を指差す裸体を捨て去り幻想の肩書きに嘔吐する千里の荒野にはためく白旗変換不能な替え玉の命悪いが俺はお前を許したつもりは無い
2024年3月5日 22:31
「VELVET SKY」裏付けの無い仮説が黒き衣を纏い通り過ぎる苦悶に歪み天を裂く何処までも無音な川の流れがヴェルヴェットの空から降りて来る未完成のままで完成した夜明けが訪れた時街には無個性な色が反射し始めるきっと僕も其処に含まれているもうひとつの顔で僕に微笑んでくれそしてこのまま 目を開けたまま眠れVELVET SKY
2024年3月3日 21:05
「ボルサリーノ」全ての物事に朝の光は投げかけられて僕はその前を通り過ぎる僕は身体の輪郭を自ら創り出し服を纏う覚醒が否応無しに舞い降りる古い時代のギャング映画に出て来る様なダブルのスーツにソフトハット手に持つマシンガン ボルサリーノそんなものを意識の闇から両手ですくい上げ邪魔くさい殆どの青空に貼り付けたトーストにバターを厚く塗り過ぎた朝生