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2024年3月の記事一覧

月下の詩人と盲目の犬 《詩》

月下の詩人と盲目の犬 《詩》

「月下の詩人と盲目の犬」

大きな美質と

大きな欠陥が背中合わせに存在する

其処には見え透いた理論は無い

疑問を背負ったまま

僕等は今を歩き続けている

一匹の盲目の犬

何かに損なわれる事が無い様に

僕は其の犬を抱きしめていた

その失われた瞳を通して
彼はこの世界に現れる

そして彼の言葉が

僕の意識の領域に着地する

時間の歩みすら止まる気がした

ソメイヨシノが香る時

嘘しか

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春の風 《詩》

春の風 《詩》

「春の風」

行き場を失くした

憧憬と忘れられない約束

夢の中に見た言葉にならない気持ち

時間は記憶の中で絡まり合う

僕等の心に刻印された時は

決して消える事は無い

泣きたいのに無理して微笑む君の顔

愛とか希望とかそんな言葉より 
君に逢いたい

心の空にある虹の欠片に触れた

春の風 

君の匂いがした

愛の言葉 《詩》

愛の言葉 《詩》

「愛の言葉」

何処まで行っても現実は付いてくる

自分の影と同じ様に

風が闇を斬る音

其の風は

僕の知らない所からやって来て

僕の知らない所に向かい
吹き過ぎてゆく

忘れかけた愛の言葉 

海の様に広いベッド

其処には用途を失った

言葉が雑然と散らばる

魂のドア 《詩》

魂のドア 《詩》

「魂のドア」

神は要らない 

其処に欲望はあるか

其処にプライドはあるか

悔しさで握りしめた拳

僕は泣き腫らした眼で
信頼できる本当の友を探した

魂のドアを開けろ

夢はいつか見た 

夏の夜の流星ではない

半月の夜 《詩》

半月の夜 《詩》

「半月の夜」

風か吹き始めたのは そう 

孤児の様に置き去りにされた

野良猫と出逢った時からだった

その夜 
君に眼隠しをしてSEXをした 

君の望み通りに

半月の夜は何故か無口になる

空は雲に覆われて雨が降り始めた

鮮明に見た夢が
不鮮明な現実に呑み込まれてゆく

いつか見た半月 

雨はまだ降り続いている

窓を打つ雨音 

青い海風が

忘れられた
深い森の木々を洗い淘汰する

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Old fashion 《詩》

Old fashion 《詩》

「Old fashion」

正しく無い選択が

正しい結果をもたらす

正しい選択が

正しく無い結果をもたらす

夜明けの空に星を探した 

色褪せた消えそうな星が見えた

其の星の不明瞭な輝きと

真夜中に見たカミソリの様な三日月

反社会的行為に準ずる事柄

其処に大義名分と
ある種の概念を上塗りする

目には見え無い 

小人の姿借りた殺人鬼

Swankys Old fashion

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トロイの木馬 《詩》

トロイの木馬 《詩》

「トロイの木馬」

特定の目的を持ち

意図的に作り上げられた

偽装された世界の中で

沈黙を維持し続ける

真夜中の音は鳴り止まず

僕はその音に耳を澄ませている

記憶と意識の形を変えて
其処に留めた

巻き戻せない時を超え 

朱く霞む夕陽の残像が風に逆らう

汚された光に僅かに残る純粋な粒子

永遠に続く掟が
終わりなき夢に堕ちてゆく

トロイの木馬 

血は流されなくてはならない

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忘却 《詩》

忘却 《詩》

「忘却」

無意識の領域から

浮かび上がる記憶と欲求

割れた雲間から見えた幾つかの星

遠く忘却の中に消えた彼奴の言葉は
まだ僕の中に残っている

彼の意志の力は其処に留まり 

星を輝かせる 

光と影の複合体が創り出す本当の姿

其れは美しさの奥に隠された資質

表面上に見えるものが

美しくある必要も無い

例え醜いものであったとしても

僕は彼を正確に理解し
その輪郭を描く事が出来た

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水晶の夜 《詩》

水晶の夜 《詩》

「水晶の夜」

水晶の夜 飛び散った硝子の破片

忘却の沼に深く沈みゆく二本の足

其処には賞賛も無く批判も無い

屈曲した光があるだけだった

若き暗殺者と思考の殺人者

俺は彼に
呼び掛ける手段を持ってはいない

霧の中で遊ぶ小人の群れが 

青い太陽を指差す

裸体を捨て去り

幻想の肩書きに嘔吐する

千里の荒野にはためく白旗

変換不能な替え玉の命

悪いが俺は
お前を許したつもりは無い

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VELVET SKY 《詩》

VELVET SKY 《詩》

「VELVET SKY」

裏付けの無い仮説が

黒き衣を纏い通り過ぎる

苦悶に歪み天を裂く

何処までも無音な川の流れが

ヴェルヴェットの空から降りて来る

未完成のままで
完成した夜明けが訪れた時

街には無個性な色が反射し始める

きっと僕も其処に含まれている

もうひとつの顔で僕に微笑んでくれ

そしてこのまま 

目を開けたまま眠れ

VELVET SKY

ボルサリーノ 《詩》

ボルサリーノ 《詩》

「ボルサリーノ」

全ての物事に

朝の光は投げかけられて

僕はその前を通り過ぎる

僕は身体の輪郭を
自ら創り出し服を纏う

覚醒が否応無しに舞い降りる

古い時代の
ギャング映画に出て来る様な

ダブルのスーツにソフトハット

手に持つマシンガン 

ボルサリーノ

そんなものを

意識の闇から両手ですくい上げ

邪魔くさい殆どの青空に貼り付けた

トーストにバターを
厚く塗り過ぎた朝

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