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感情のエッセイ

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気持ちを込めて書いた文章
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#コラム

愛しい火種

愛しい火種

ルーティンに支配されているなぁとおもう。
それを生活とくくったとして、虫眼鏡をあてれば色々なものが見える。

いやなんだこの書きはじめ。正直に言えよ。
つまり自慰のことだ。過去に性癖のことについて書いたけど、本当はもっと突っ込んでいきたかった。だから、潜るぜ。



いつから妄想でしなくなったのだろう。
高校の頃はまだそういった場面もよくあったけど、成人してからはからっきしだ。

いわゆる「お

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みんなすごくていいじゃんね

もっとみんな自信をもったらいいのにとおもう。本当はみんながすごいはずなのに、まるで等級ずけでもされたように、身を縮めている姿がめにつく。

「当たり前」のことを「当たり前」として扱うから、なんだか息苦しくなっちゃうんじゃないか。僕なんかいまだに源泉徴収の意味もわかってないし、会社から「記入してね」と渡された用紙は毎年わけわかめだぞ。いつも嫁さんに聞きながら恐る恐る書いている。

それをダメな奴とお

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ねぇドラえもん

ねぇドラえもん

自分の伸びしろを見失った。

書いているうちに、これがどういう風に盛り上げられて、どういう風に落とされるかがうっすらみえる。
べつに悪い記事じゃない。自分ではいい記事だとおもって書いている。
でも、出来上がってみればいつも通りの僕の文章でしかない。

その未来が書いてる途中から見えてる。そして現実としてそれが目の前にくると、すこしガッカリする。あぁ、またいつもの自分だなぁって。

よくよくこういう

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自分の顔が好きですか?

自分の顔が好きですか?

自分の顔が好きだ。
僕が可愛くなりたいとか言ってられるのは自分のベースを気に入ってるからに違いない。ただ、そのぶん嫌なところが気になってしまう。

いまの僕はイケメンとは呼べないし、まったくもって可愛くない。
汚いおっさんの卵だ。それが産声をあげないように躍起になって抵抗している。ユニセックスという理想に振りきるのが遅すぎた。

整形を繰り返す人の気持ちがすこしわかる。彼等の多くは自分の顔が好きな

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嫌いなままでいさせてくれよ

嫌いなままでいさせてくれよ

介護士は別に優しくない。端から見ればその職についているだけでという感じだけど、当事者に言わせればむしろ冷たくないとできない仕事だと思う。僕のような施設勤務の人は、特に。

なにせ老人というのは弱っていく。
まるで花が枯れるような速度で、昨日のあの人が過去になっていく。
歩けていた人が歩けなくなり、覚えていたことを忘れ、我慢できていたことが我慢できなくなる。

それを目の当たりにしながら、他人事だと

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種を誇ってなんになる

種を誇ってなんになる

思えば幼ないころから気が長かった。

とっくみ合いの喧嘩なんてしたことがないし、理不尽を投げつけられても黙って泣くだけだった。
お母さんに気持ちを受け止めてもらうことはあったけど、誰かにストレスを思いきりぶつけたことはない。

ただの臆病者ってだけなんだけど、昔からずっと「やさしい子」と言われ続けてきた。
気づけば短気な人を見下してしまっている。でも、そもそも僕は頑張ってこの気の長さを獲得したわけ

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優しくなんて

優しくなんて

あなたってなんでそんなに気が短いの?
そんな風に、人が怒っている姿を見ることがある。

自分だってそうだ。
なんでその程度のことが許せないのとか、なんですぐ雰囲気悪くするのとか。
そんな風に、水面下でいろんな人を見下しながら生活している。

ストレスというのは肌で伝わる。
近くに苛々している人がいる時、自然と空気は流れを止め、ただ物体が動いているだけの空間となる。

この息苦しさを産み出したあなた

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あなたとわたしであるように。

あなたとわたしであるように。

何事にも初心というものがある。介護職についてもう9年近くなるけど、あの頃と今では想いの色や形は変わってしまっている。

入職前に通る資格講習の中で、介護士の卵たちは暖かく理想的な理念を叩き込まれるもので、僕も例に漏れなかった。

「どれだけ認知症がすすもうが、感情は残る」「何も言わず、表情が変わらなくても、その老人は感じている」

「どんな姿になろうが、彼らは人間だ」

この教育のもと、卵は現

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性癖という花園で

性癖という花園で

* 下ネタ全開noteです。苦手な方は今回はご遠慮ください。

僕が性に目覚めたのは早かった。

小学2年生だった頃の夜。布団で眠りを待ってる時になんだかアソコがかゆいなと思って、ちょっと手でこすったのが始まりだった。
虫刺されをひっかくと余計にかゆくなるように、それはエスカレートしていった。その晩、僕は「かゆい!」と何度も訴えながら、アソコをこねくり回した。

それからは毎晩かゆみが襲ってきた。

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小さな傷

小さな傷

暗い過去が欲しい。
人の傷をどこか羨ましく思ってしまう自分がいる。

その傷っていうのは浅いものじゃいけない。人生が抉れたような、深いものじゃないといけない。なんでかって、そうじゃないと特別じゃないからだ。

志望校に落ちたとか、好きな子にふられたとか、ちん毛が膝のしたまであるとか、そういうのじゃだめだ。ひとつを除いて普通すぎるから。

「みんなと一緒じゃイヤ」

そんな感覚。例えば、好きなアーテ

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嫌いじゃないよ

嫌いじゃないよ

介護業界は離職者が多い。
単純なことじゃなくて、色々な要素が組み合わさって、人材の水漏れを止められずにいる。

僕が働く会社も同じく、漏れてしまっていた。時折穴が広がってドバっと溢れることもあったけど、管理者達が一生懸命修理して、気づけば「水が漏れることもあったねぇ」と思い出話をできるほどになっている。

しかし、ここにきてまた大きな穴が開いた。

もはや水道管ごと折れたんじゃないかと思える

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子供の蛙

子供の蛙

理不尽が嫌いな子供だった。冷蔵庫に並んだサッポロ黒ラベルは一本200円以上するのに、100円そこそこのスプライトがひとつもない理屈が、当時の僕には全く納得できなかった。
あんなどうしようもない親父が、僕より贅沢をしているなんて。

親父は自分のルールの中に生きている。カッコいいように聞こえるけど、都合によってそのルールを曲げたり隠したりするから、みっともなさが目立つ。その不細工なプライドに障って

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こたつから出るために

こたつから出るために

優しい人と言ってもらえることが多い。
昔からそのことに喜びを感じていたし、そこに縋っている自分もいる。

ただ、僕が純に優しい人間かとかんがえると、そうは思わない。
大抵が角の立たないよう振舞っているだけで、人のために何か動くことはほとんどないのだ。

負の感情のこもった視線を向けられることが怖くって、保険で優しくふるまっているだけ。だから、僕はべつに外国の子供が飢えていたってどうでもいい。もっと

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不良と優良

不良と優良

アニメやドラマで、不良が更生するくだりがたまにある。それ自体がテーマとされていることもある。

僕はあの流れが、どうにも震える。うるっとくる。
このあいだ、Amazonプライムで火ノ丸相撲というアニメを見ていた時も、涙が出た。

相撲部を荒らしていた不良グループのリーダーが、主人公により無理やり相撲部に入れられることになるのだけど。練習や交流を経るうちに自分がなにを踏みにじっていたか自覚していく

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