くろたま

くろたまです。職業はモノカキ。おさるの山の麓で生まれ、小さな湯の町・乙女の園で育ち、天…

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くろたまです。職業はモノカキ。おさるの山の麓で生まれ、小さな湯の町・乙女の園で育ち、天神橋の嫁をしています。夫と二人暮らし。

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  • ほんさんぽ。

    さまざまな、「ほん」を旅したい。 散歩するように、ゆるりと。 紙の本だけではなく、電子書籍、WEB記事など、読み物全般についての感想をメインにお届けしていきます。ときどき、筆者の想いも綴ります。

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    オーガニック好きだけど、ときにジャンキー。お酒が好きだけど、健康意識で漢方薬だより。医者にはかかりたくないけど、歯医者には行く。自由に憧れながら、縛られがち。 そんな日々を綴るエッセイ

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わたしの本棚

今年の秋、本棚を購入した。 (トップ画像はイメージ) スライド式で、高さは130cmくらい。横に少し長くてたくさん本が入る。 本棚を買ったのは、家にどっしりとした自…

くろたま
3年前
13

『仏果を得ず』 〜たどり着いたときの恍惚〜

仕事柄、インタビューをすることが多い。人物インタビューとして記事にまとめるときは、取材相手の言葉をそのまままとめるんじゃなく、その人が言ったことを、さらにわかり…

くろたま
4日前
3

白いワンピースと半生の棚卸し〜『今日もコレカラ』に寄せて

なかなか捨てられない。思い切って断捨離して、超ミニマムに暮らす。とても憧れるけど、捨てられないタチの人間には、届きそうでつかめない暮らしだ。 捨てられないモノの…

くろたま
3週間前
15

ルーティンがある幸せ〜『ねこに転生したおじさん』

毎日起きて、仕事行って、家に帰って、寝る。大抵の人が過ごしている日常。 その中に、決まりきったことを毎日同じようにこなす、いわゆるルーティンって誰にだってあるも…

くろたま
11か月前
6

『流浪の月』〜声にならない声を声にしない生き方〜

真夏にアイスカフェラテを吸い込むような感じで、一気に読んだ。 読み干したと表現したい。 ぎゅーんと吸い込んで、ふうっと息をついて、少しあたまが痛む。けど清々しい…

くろたま
11か月前
8

嗚呼、ゆっけ、ちゃん!

おっはモーニング! いきなりですが、少し前から、「世界一のゆっけ、」というYouTubeチャンネルに夢中だ。 自称“ネオ無職”という、20代の動画クリエーター・酒村ゆっ…

くろたま
1年前
3

仕事は誰かを幸せにすること

きっとあなたの仕事も誰かを幸せにしているはず。 あとがきの言葉で涙が出た。 ただ単なる文章読本ではなく、自分を見直して、自分も捨てたもんじゃないとも思える1冊だ…

くろたま
1年前
4

旅に出たくなる時は紀行文に癒される。
朝ドラ、舞いあがれのたかしくんが読んでた本。名前は知ってた金子光晴氏。これほどぶっ飛んだ人だったとは。
昭和初期の旅事情、ヨーロッパの暮らしもびっくりがたくさん。
うん。現代人はいろいろなこと気にしすぎなのじゃないか?と考えさせられる1冊だ。

くろたま
1年前
1

ちょこちょこと本は読んでいて、感想はかきたいのに、なっかなか時間がない。お盆に、まとめ上げに挑戦しようかと思う。

くろたま
1年前
1

『去年の雪』〜読んだものがつながっていくこと〜

「なにか答えがあるにちがいない」「きっとなにかつながるに違いない」 そう思いながら読み進めていった小説。 なのに、その“なにか”が結局見つからなかった。 読書す…

くろたま
2年前
5

『断片的なものの社会学』〜名前のないものに名前をつける作業のような〜

文章を抜き書きしまくった。ただただ書いた。 普段はしないことだ。めんどくさがりなので。 この本を読んでずきんと響いた言葉、文章を抜き書きすることは、快感に近かっ…

くろたま
2年前
7

『食堂メッシタ』〜芳醇な味わいを小説から〜

最初に読んだのは2年ほど前。それ以来、何度も読んだ小説を久しぶりに開いてみた。 『食堂メッシタ』山口恵以子著 ハルキ文庫 主体に描かれるのは蘇芳満希(すおうまき…

くろたま
2年前

『北欧こじらせ日記』〜夢を見つけ、叶えるまでの道は美しい〜

海外で働くこと、海外移住することを選択する人は、今の時代珍しくないことだ。 コロナ禍で難しくはなっているという背景はあるものの、それさえなければ難しくないと思う…

くろたま
2年前
11

『ストーリーで語る』〜ありがとうを伝えたい〜

自分のこれまでの歩みを言葉にしてもらえた。それも自分よりずっとずっと若くて利発な人に。 嬉しくて嬉しくて、ちょっぴり悔しい。でもやっぱり嬉しい。 今は、感謝の気…

くろたま
2年前
7

『泣いてちゃごはんに遅れるよ』〜磨き抜かれた文章への羨望〜

小説よりも、エッセイを読むことが好きだ(小説が苦手という意味ではない)。 今よりずっとたっぷり時間があった大学生時代も、長編小説などではなく、様々な作家やエッセ…

くろたま
2年前
14

もー!面白すぎる、あんださん!
パワーワードは

私も餃子みたいに生きていけばいいんだ!

ほほー!

くろたま
2年前
わたしの本棚

わたしの本棚

今年の秋、本棚を購入した。

(トップ画像はイメージ)

スライド式で、高さは130cmくらい。横に少し長くてたくさん本が入る。

本棚を買ったのは、家にどっしりとした自分の中核を作りたかったからだ。

夫婦二人暮らし。仕事に追われながらも、5年という二人の日々が過ぎた。

二人の暮らしは、自由があって、楽しくて、そして結構きゅうくつ。

この中に、少し、わたしを解放させる場所が欲しい。だったら本

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『仏果を得ず』 〜たどり着いたときの恍惚〜

『仏果を得ず』 〜たどり着いたときの恍惚〜

仕事柄、インタビューをすることが多い。人物インタビューとして記事にまとめるときは、取材相手の言葉をそのまままとめるんじゃなく、その人が言ったことを、さらにわかりやすく、響きやすくまとめていく。

書くときはいつものめり込んでしまう。あの発言の底にあった意味はどういうことなのか、あの言葉をどうすればもっとわかりやすく伝えられるか…。繰り返し考える。だんだんと自分がその人と重なっていく、自分自身がその

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白いワンピースと半生の棚卸し〜『今日もコレカラ』に寄せて

白いワンピースと半生の棚卸し〜『今日もコレカラ』に寄せて

なかなか捨てられない。思い切って断捨離して、超ミニマムに暮らす。とても憧れるけど、捨てられないタチの人間には、届きそうでつかめない暮らしだ。

捨てられないモノのナンバーワンは洋服だ。
季節ごとに整理して、ボロボロになったものを探し出してなんとか捨てる。ごめんねとありがとうを言って。

何回も季節を共に過ごし、家や暮らし方が変わっても、捨てられずずっとそばにいたのが20代の時に買った(正確に言うと

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ルーティンがある幸せ〜『ねこに転生したおじさん』

ルーティンがある幸せ〜『ねこに転生したおじさん』

毎日起きて、仕事行って、家に帰って、寝る。大抵の人が過ごしている日常。
その中に、決まりきったことを毎日同じようにこなす、いわゆるルーティンって誰にだってあるものだろう。

決まりきったルーティンなんてつまらない。いつだって刺激がほしいんだ!という人もいるかもしれないけれど、ルーティンって心を平穏に保つために大事なことだと思う。

仕事でも、毎日行うルーティンがあるからこそ、ちゃんと働いている実感

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『流浪の月』〜声にならない声を声にしない生き方〜

『流浪の月』〜声にならない声を声にしない生き方〜

真夏にアイスカフェラテを吸い込むような感じで、一気に読んだ。

読み干したと表現したい。

ぎゅーんと吸い込んで、ふうっと息をついて、少しあたまが痛む。けど清々しい。

読後感はそんなところだ。

本当のことなんて、誰もがわからない。

外側から見た人間たちが、どんなに真実を追い求め、騒ぎ立てても、本当のことを知っているのは彼と彼女だけ。

一つボタンの掛け違いで。
一つ誰かの勘違いで。
真実はす

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嗚呼、ゆっけ、ちゃん!

嗚呼、ゆっけ、ちゃん!

おっはモーニング!

いきなりですが、少し前から、「世界一のゆっけ、」というYouTubeチャンネルに夢中だ。

自称“ネオ無職”という、20代の動画クリエーター・酒村ゆっけ、さんが、酒を飲んだり、ジャンキーなものを食べる姿に、ご本人のナレーション&テロップがひたすら流れるという番組なのだが、これがなんとも面白い。

そんなわけで、今回はゆっけ、ちゃんについて語りたいので、「世界一のゆっけ、」の動

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仕事は誰かを幸せにすること

仕事は誰かを幸せにすること

きっとあなたの仕事も誰かを幸せにしているはず。

あとがきの言葉で涙が出た。

ただ単なる文章読本ではなく、自分を見直して、自分も捨てたもんじゃないとも思える1冊だった。

キーワードはマインドチェンジ!

うん。仕事、がんばろ!

旅に出たくなる時は紀行文に癒される。
朝ドラ、舞いあがれのたかしくんが読んでた本。名前は知ってた金子光晴氏。これほどぶっ飛んだ人だったとは。
昭和初期の旅事情、ヨーロッパの暮らしもびっくりがたくさん。
うん。現代人はいろいろなこと気にしすぎなのじゃないか?と考えさせられる1冊だ。

ちょこちょこと本は読んでいて、感想はかきたいのに、なっかなか時間がない。お盆に、まとめ上げに挑戦しようかと思う。

『去年の雪』〜読んだものがつながっていくこと〜

『去年の雪』〜読んだものがつながっていくこと〜

「なにか答えがあるにちがいない」「きっとなにかつながるに違いない」

そう思いながら読み進めていった小説。
なのに、その“なにか”が結局見つからなかった。

読書する時って、自分が、どこかで答えを求めていたり、結論を求めているものなんだろう。でも見つからなかった。

大好きな作家だったから、ちょっと消化不良を起こしたような気持ちになったのだった。

『去年の雪』江國香織 著

1年ほど前、この小説

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『断片的なものの社会学』〜名前のないものに名前をつける作業のような〜

『断片的なものの社会学』〜名前のないものに名前をつける作業のような〜

文章を抜き書きしまくった。ただただ書いた。
普段はしないことだ。めんどくさがりなので。

この本を読んでずきんと響いた言葉、文章を抜き書きすることは、快感に近かった。気持ちよくて楽しかったし、もっと書きたい、なんなら本1冊抜き書きできるんじゃないかくらい。

『断片的なものの社会学』岸政彦著

作者の岸政彦氏は、関西の有名大学の社会学部教授だ。
社会学の調査としての取材で、人の語りを聞くことは「誰

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『食堂メッシタ』〜芳醇な味わいを小説から〜

『食堂メッシタ』〜芳醇な味わいを小説から〜

最初に読んだのは2年ほど前。それ以来、何度も読んだ小説を久しぶりに開いてみた。

『食堂メッシタ』山口恵以子著 ハルキ文庫

主体に描かれるのは蘇芳満希(すおうまき)という一人の女性の歩み。普通の大学生だった満希がアルバイトをきっかけにイタリア料理に興味を持ち、本場に何度も渡って腕を磨き、東京の名店でも修行を積んで、自分の店を開く。

満希の作る潔くて繊細な料理は評判となり、お客が絶えない隠れ家的

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『北欧こじらせ日記』〜夢を見つけ、叶えるまでの道は美しい〜

『北欧こじらせ日記』〜夢を見つけ、叶えるまでの道は美しい〜

海外で働くこと、海外移住することを選択する人は、今の時代珍しくないことだ。
コロナ禍で難しくはなっているという背景はあるものの、それさえなければ難しくないと思う。

物理的には。

ただ、実際にやろうとすると、すごく高い壁が立ちはだかるものだろう。
その壁を乗り越えるのは「好き」「やりたい」「叶えたい」という気持ちだと確信することができた。

「北欧こじらせ日記」 週末北欧部 chika著 世界文

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『ストーリーで語る』〜ありがとうを伝えたい〜

『ストーリーで語る』〜ありがとうを伝えたい〜

自分のこれまでの歩みを言葉にしてもらえた。それも自分よりずっとずっと若くて利発な人に。
嬉しくて嬉しくて、ちょっぴり悔しい。でもやっぱり嬉しい。

今は、感謝の気持ちを抱いている。

この本を読んで、いろいろなことを思い出した。いろいろなことを考えた。だから、ちゃんとレビュー書けるのかなって1週間迷った。でも書かなきゃいけないと思った。

『ストーリーで語る』秋山楓果 著 CCCメディアハウス

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『泣いてちゃごはんに遅れるよ』〜磨き抜かれた文章への羨望〜

『泣いてちゃごはんに遅れるよ』〜磨き抜かれた文章への羨望〜

小説よりも、エッセイを読むことが好きだ(小説が苦手という意味ではない)。

今よりずっとたっぷり時間があった大学生時代も、長編小説などではなく、様々な作家やエッセイストのエッセイを読んだ。なぜ、こんなにエッセイばかり読んでしまうのだろう?とちょっと考え込んだほど。

きっと、誰かの生き様、考え、想いにふれて、「自分はどう生きるか」を考えていたのだと思う。

それは、大学時代だけじゃなく、これまでず

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もー!面白すぎる、あんださん!
パワーワードは

私も餃子みたいに生きていけばいいんだ!

ほほー!