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OMOI-KOMI 我流の作法 -読書の覚え-

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私の読書の覚えとして、読後感や引用を書き留めたものです。
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2022年10月の記事一覧

新・幸福論 (五木 寛之)

新・幸福論 (五木 寛之)

(注:本稿は、2012年に初投稿したものの再録です)

 先にアランの「幸福論」を読んだのですが、今度は五木寛之氏の「新・幸福論」です。
 アランの著作が「論」というより「幸せ」をテーマにしたプロポ(哲学断章)であったのに対し、こちらは五木氏得意のエッセイ集です。

 人の生活は、必ず他者、それは他人であり周りの動植物であり環境などですが、それらの犠牲の上に成り立っているとの考えです。

 読み進

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「日本人論」再考 (船曳 建夫)

「日本人論」再考 (船曳 建夫)

(注:本稿は、2012年に初投稿したものの再録です)

日本のアイデンティティ 私の学生時代は、エズラ・ヴォーゲル氏による「ジャパン・アズ・ナンバーワン」がベストセラーとなったころで、日本の目覚ましい高度成長が注目されていました。
 それに併せて、その源泉を探求する、いわゆる「日本人論」も大きなブームとなりました。私も、「菊と刀」「日本人とユダヤ人」「「甘え」の構造」「タテ社会の人間関係」等々、ポ

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檸檬 (梶井 基次郎)

檸檬 (梶井 基次郎)

(注:本稿は、2012年に初投稿したものの再録です)

 下の娘が高校の教材として買っていた本です。
 短編集としては読んだことがなかったので手にとってみました。気分を変える意味で、久しぶりの日本文学です。

 巻頭に登場するのは、代表作の「檸檬」。
 有名な「丸善」で画集を積み上げた上に檸檬を載せて立ち去るくだり以外に私の興味を惹いた表現、主人公が檸檬を見つける果物屋の店先の描写です。

 こう

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呪いの時代 (内田 樹)

呪いの時代 (内田 樹)

(注:本稿は、2012年に初投稿したものの再録です)

 内田樹氏の著作は「街場のメディア論」以来久しぶりです。今回手に取った本は、ちょっとインパクトのあるタイトルです。

 内田氏によると、「呪い」の言説は、1980年代半ばのニュー・アカデミズムといわれる批評あたりから際立ち始め、昨今、過激なスタイルを売りにした討議番組やインターネット上の「炎上」サイト等において、さらに攻撃的・破壊的になってい

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幸福論 (アラン)

幸福論 (アラン)

(注:本稿は、2012年に初投稿したものの再録です)

体の運動 昨年の未曾有の大惨事を契機に「幸せ」をテーマにしたいくつかの著作が小さなブームになりました。その影響も受けて、以前から一度読んでみなくてはと思っていた著作を、今回手に取ってみました。

 著者はフランスの哲学者エミール=オーギュスト・シャルティエ、「アラン」はそのペンネームです。

 本書は、フランス、ルーアンの「デペーシュ・ド・ル

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大停滞 (タイラー・コーエン)

大停滞 (タイラー・コーエン)

(注:本稿は、2012年に初投稿したものの再録です)

 2008年の世界金融危機後においても景気後退から抜け出せないアメリカ、著者は、その要因を“大停滞”というキーワードで説明を試みます。

 まずは、歴史を遡り、アメリカの経済成長を支えてきたのは、“容易に収穫できる果実”のおかげであったと指摘しています。「無償の土地」「イノベーション(技術革新)」「未教育の賢い子どもたち」の3つがそれです。

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この世で一番おもしろいミクロ経済学 ― 誰もが「合理的な人間」になれるかもしれない16講 (ヨラム・バウマン)

この世で一番おもしろいミクロ経済学 ― 誰もが「合理的な人間」になれるかもしれない16講 (ヨラム・バウマン)

(注:本稿は、2012年初投稿したものの再録です)

 ユニークな体裁で、ちょっと話題になっている本のようですね。
 「ミクロ経済学」の主要なキーワードを豊富なイラストと身近な具体例で概説した超入門編です。基本概念の復習であったり初心者に対する説明方法のヒントであったりと、入門編は入門編としてそれなりの気づきは得られます。

 たとえば「限界分析」に関する説明ではこんな具合です。

 そのほかにも

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バーボン・ストリート (沢木 耕太郎)

バーボン・ストリート (沢木 耕太郎)

(注:本稿は、2012年に初投稿したものの再録です)

 久しぶりの沢木耕太郎氏のエッセイです。
 沢木氏の代表作「深夜特急」とほぼ同時期の発刊ですが、あちらはワイルド、対するこちらはクールなタッチです。

 ちなみに本書の初刊は1984年、いまから30年前ですが、エッセイに登場する人物は今でも活躍されている人が多いですね。
 たとえば、井上陽水さん。
 ある晩、陽水さんからアルバムのための曲の歌

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ガイアの夜明け 不屈の100人 (日経スペシャル) (テレビ東京報道局)

ガイアの夜明け 不屈の100人 (日経スペシャル) (テレビ東京報道局)

(注:本稿は、2012年に初投稿したものの再録です)

 ちょっと前に、東日本大震災を舞台にした「ガイアの夜明け 復興への道 」を読んでみましたが、今回の本は、ドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」の5周年記念版です。

 構成は、「視点」「挑戦」「極意」「苦闘」「誇り」の5章からなり、それぞれのテーマごとに、まさに不屈の精神をもって現実に立ち向かい理想にチャレンジした計100人の言葉を紹介してい

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清貧と復興 土光敏夫100の言葉 (出町 譲)

清貧と復興 土光敏夫100の言葉 (出町 譲)

(注:本稿は、2012年初投稿したものの再録です)

 石川島播磨重工業・東京芝浦電気の社長、経団連会長を歴任、さらに齢80歳を過ぎてなお、第二次臨時行政調査会長として日本再建に尽力した土光敏夫氏。

 その清廉・実直な人柄とともに、土光氏の「言葉」は、ビジネス社会に留まらず、人間の生きる姿勢として普遍的な価値を持つものだと思います。
 また、東日本大震災・福島原子力発電所事故からの復興の途にある

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官報複合体 権力と一体化する新聞の大罪 (牧野 洋)

官報複合体 権力と一体化する新聞の大罪 (牧野 洋)

(注:本稿は、2012年初投稿したものの再録です)

 昨年の福島原子力発電所の事故を待つまでもなく、近年「新聞」をはじめとする既存メディアに対する批判がとみに強まっています。

 本書は、日本経済新聞の記者であった牧野洋氏によるメディア内部からの批判本です。

 たとえば、「リーク依存」の報道体質について、郵政不正事件を例にこうコメントしています。

 この「他社との先取り取材競争」ですが、これ

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言葉の力、生きる力 (柳田 邦男)

言葉の力、生きる力 (柳田 邦男)

(注:本稿は、2012年初投稿したものの再録です)

事実の物語化 2・3年前に買っていた本です。1冊の本としては、本当に久しぶりに手にとる柳田邦男氏の著作です。

 柳田氏の著作を集中的に読んだのは学生時代ですから、もう30年以上前になります。「事実の時代に」に始まる一連のシリーズのころで、柳田氏の「事実」に対する真摯な態度とそれを追及する執着心には大いに刺激を受けた記憶があります。

 本書は

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マエカワはなぜ「跳ぶ」のか (前川 正雄)

マエカワはなぜ「跳ぶ」のか (前川 正雄)

(注:本稿は、2012年初投稿したものの再録です)

 以前参加していたフォーラムの事務局から頂いた本です。フォーラムのコーディネータであった野中郁次郎氏が監修されています。

 舞台は、ハイテク企業「マエカワ(前川製作所)」、著者は同社顧問の前川正雄氏です。

 「独法」と名づけた少人数の自己完結ビジネスユニットの複合体経営で発展したマエカワですが、最近のプロジェクトの大型化に対応し、業界ごとの

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親鸞 激動篇 (五木 寛之)

親鸞 激動篇 (五木 寛之)

 以前読んだ「親鸞」の続編、今回の舞台は、流刑の地、越後の国と新たなる布教の地、常陸の国です。

 小説ですので、ストーリーについてのご紹介はやめておきます。
 とはいえ、気になったフレーズをひとつだけ。

 一種マッチポンプのような当時の仏の教え、それに翻弄される庶民の苦悩を前にして親鸞は心を痛めます。親鸞自身も、師法然の教えを体得し切れない己の在り様に悩みは尽きません。
 五木氏の描く親鸞は、

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