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2022年8月の記事一覧
随筆 上方落語の四天王 ― 松鶴・米朝・文枝・春団治 (戸田 学)
私は落語が好きです。
特に上方落語は大好きです。一番の贔屓はなんと言っても二代目桂枝雀師匠ですが、本書で紹介されている「四天王」、彼らが現役バリバリの頃の高座は(テレビではありますが)よく見ていました。四者四様、それぞれの個性が光る流石の話芸でしたね。
本書では、落語にも造詣の深い作家戸田学さんが、その名人たちの芸の特徴や魅力を、それぞれの得意演目を材料に詳細に紹介していきます。
まず
空想より科学へ ― 社会主義の発展 (フリードリッヒ・エンゲルス)
空想的社会主義 先に読んだ「人間と国家」という本の中で、著者の坂本義和氏が影響を受けた本として紹介されていたので興味をもって読んでみました。
社会主義関係の本はまず手にとったことはありません。もちろんエンゲルスの著作も初めてです。
さて、本書ですが、エンゲルスが、マルクス理論を批判するデューリングへの反論として著した論文「反デューリング論」のエッセンスを労働者向けのパンフレットに取りまとめた
「時間」の作法 (林 望)
タイトルがちょっと気になったので手に取った本です。
林望さんの著作は「日本語は死にかかっている」「薩摩スチューデント、西へ」等エッセイや小説など何冊か読んでいますが、今回のものは、文学的な風情を感じる余韻が少ないですね。正直な言い方が許されるならば、こういった趣きのエッセイなら、あえて林望さんのものを選ぶこともなかったように思います。
今回の著作で私としてはちょっと意外に感じたのが、林望
ウルトラマンになった男 (古谷 敏)
いつも行っている図書館の返却棚にあった本です。
私は、まさに「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」で育った世代なので、タイトルを見た瞬間に手を出していました。
著者は、初代ウルトラマンを演じた古谷敏さんです。
私にとってのTV番組のルーツでもある「ウルトラマン」の製作にまつわるエピソードがそれこそ山のように紹介されています。
古谷さんは、最初、東宝ニューフェースに合格した
随感録 (A. ショーペンハウアー)
ショウペンハウエルの著作は、以前、「読書について」「知性について」あたりを読んだことがあるのですが、本書はショウペンハウエルのいくつもの随筆を採録したのものです。
まずは、初章「判断、批評、喝采ならびに名声について」から、いかにもショウペンハウエルらしい語り口の一節です。
ショウペンハウエルに言わせると、カントは偉人・哲人であり、ヘーゲルは似非哲学者となります。
優れた先人の後に登場す
人間と国家―ある政治学徒の回想(上・下) (坂本 義和)
(注:本稿は2011年に初投稿したものの再録です)
原点 大学4年のとき、本書の著者坂本義和先生の国際政治のゼミをとっていました。もう30年ほど前、ちょうど第二回国連軍縮特別総会(SSDⅡ)が開催された頃です。
本書は、坂本先生の少年時代から現在にいたるまでの回顧録。大変興味深いエピソードが多数綴られています。
そのなかから、まず先生が東大助教授のころのアメリカ留学時の記述です。
シカ
天災と日本人 寺田寅彦随筆選 (寺田 寅彦)
(注:本稿は2011年に初投稿したものの再録です)
今般の東日本大震災を機に、改めて災害に対する備えとそもそも災害も含めた自然観を振り返る意味で手にとった本です。
著者は物理学者であり随筆の達人寺田寅彦氏。
日本列島の地勢の特殊性を踏まえ、自然科学を礎としつつも日本人論にも踏み込んだそれぞれの作品は、今読んでもなお大変示唆に富むものです。
本書の最初に掲げられた随筆「天災と国防」には
ウィキリークスの衝撃 世界を揺るがす機密漏洩の正体 (菅原 出)
(注:本稿は2011年初投稿したものの再録です)
ウィキリークスにより夥しい量の機密外交文書がオープンにされて約1年。本書は、「ウィキリークス」とその創設者「ジュリアン・アサンジ」をテーマにしたノンフィクションです。
従前の軍事・外交における「常識」を根底から覆し世界に激震を走らせたウィキリークスですが、その特異な行動の目的について、アサンジはこう語っています。
ウィキリークスで公開さ
サンデル教授の対話術 (マイケル・サンデル)
「ハーバード白熱教室」で大いに話題になったM.サンデル氏の教授法について、氏自らが語ります。
本書の後半は、サンデル氏と交流の深い千葉大学小林正弥教授によるサンデル氏の講義術の解説となっています。
さて、最も気になる、サンデル氏の「ソクラテス方式」と呼ばれる対話中心の授業スタイルの誕生の背景についてですが、本書の前半のインタビューの中でこう語っています。
さらに、この教授法の目指すとこ