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#現代詩

【詩】日だまりカレンダー

【詩】日だまりカレンダー

3月曇天去って
日当たりの良い別れの午後
抱きついてきた小さな身体と
いつもの笑顔
会えなくなる寂しさ
伝えてくれたつたない言葉

思い出すのは
アパートに送り届けた帰り道
他愛もないお喋りと
手作りカレンダー
疲れて眠る助手席の寝顔は
見過ごしていた小さな幸せ

明日も明後日もずっとずっと
日だまりの中で笑って泣いて
元気でいて
大好きなアンパンマンと一緒にね

【詩】牡丹の沁み 雪景色と年賀はがき

【詩】牡丹の沁み 雪景色と年賀はがき

タツノオトシゴとかまぼこ板が
元旦に遅刻して 旧正月に出す余寒見舞い
小さな郵便局へと歩く道は
この地で初めての雪景色

自販機ミルクティーのぬくもりに甘えて
見上げる星空
誰も待ち望まない
迷惑で常識に欠けた年賀はがきを
何度ポストに食らわせたことだろう

使い道がない花梨を拾った
温泉街の灯を眺めれば
脳裏に浮かぶは
足元にまとわりついた
幼子をなだめる女(ひと)の
着物の袖からのぞく
牡丹

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【詩】下戸ガエルの聖夜

【詩】下戸ガエルの聖夜

駄々捏ねる仔猫の咳き(しわぶき) に凍える夜
親指ピアノ持ち、期待に耳をそばだてても
隧道に仲間の歌声はない

淋しさも板につき
自販機の汁粉をぐい呑みし
「なに 孤独でも弾けるさ」と
下戸下戸鳴らすよ カエルの歌

モミの木てっぺんの星
更にその上で輝く星が美しい夜は
君の詩よりも自分の言霊で
心をまともに戻したい

寒空に澄んだ空気を奏で過ぎて
風邪をひくなら
長湯しながら、呑兵衛の君を待つか

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【詩】ささやく未来

【詩】ささやく未来

他人にとやかく言いながら
居留守を使う自分の人生

私が正常か異常かを
君に決める権利はないの
私の冷静や理性を
君にジャッジする資格はないの

私に君が正常か異常かを
決める権利はないけど
君の冷静や理性を
ジャッジする資格はないけど
ないけどね‥

自分の人生の尻拭いを
私たちに押し付けた大人に
私たちがどう生きたらいいか
とやかく言う資格はないの

他人の不幸を止めて
自分の幸せを自分で築か

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【詩】坊主頭にありがとう

【詩】坊主頭にありがとう

君の良さと誠実
どう私の気持ちに応えていいか
分からない時、頭丸めちゃう不器用さ
分からないことは「分からない」と言える素直さ
それが、私が君の中に見つけた宝物

5月の誕生日44歳の別れ道
妊娠期間も計算できないのに
大人の男気取りで
主導権握りたかったの?
交際期間も誤魔化して
安倍ちゃんの良いこと探しも、比喩ばかり
背伸びしても、オナゴに待ち伏せされる
良い男にはほど遠く、見え隠れした君の稚

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【詩】スティグマの嵐

【詩】スティグマの嵐

安全基地の外に出れば
呑み込まれそうな
スティグマの嵐

女なら、仕事失っても
風俗で働けばいい?

研修ついでの
好きな人のライブ
勉強メインでも
「男に会う口実?」

会ったことのない男でも
酔ったあなたに言われる
「ありえる ありえる」

恋愛相談した人の前で
仕事のLINEをチェック
「彼氏からの連絡ですか?」

月経の悩み
したくもない嫉妬
友人に投げつけちゃった私
自由に好きな髪型に

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【詩】月から太陽への手紙

【詩】月から太陽への手紙

大事な言の葉は
メールや手紙や動画配信じゃなくて
会えた時に届けたらよかったな

寂しくて不安でも
連絡の頻度は決めておけば
よかったな

君の仕事に 私の学びに
支障きたさないようにできたら
よかったな

君だけに固執しないで
友達と過ごしたり趣味を楽しめば
よかったな

適度な距離が取れたらよかったな
素直で平坦な心で関われたら
よかったな

君が誰といても
根底では揺るぎなく
「大丈夫」と思

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【詩】横綱は恋をしない

【詩】横綱は恋をしない

君のバンドメンバーを見ててもね
「服が素敵」と思っただけ

お年寄りは優しいけど、生理的に受け付けない
彼の理想の女性になるのは息苦しいよ

ナンパしない人は誠実だけど、
君に捨てられる不安から逃げた
私の不誠実だった

別に恋がしたかったわけじゃない
恋愛なら誰でもいいんじゃない

お姫様になって
白馬の王子様に出会いたかったんじゃない
王子様に幸せにして欲しかったんじゃない
君に王子様になって

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【詩】いつもの公園 いつもの夜に あなたを想う

【詩】いつもの公園 いつもの夜に あなたを想う

日曜の夜 いつもの公園
普段より多いギター侍
ラブソングを聴きながら
ロマンスに浸る恋人達
仲間と騒ぐ若者たち

一緒に歌うラブソング
沢山の新しい出会いの中で
あなたの影は記憶の彼方へ
遠くなっていくのかな

これからは新しい誰かと
ありきたりな恋愛をするのかな
「それもいいじゃん」て
あなたなら言うのかな

誰かといても頭の片隅に残る
言葉と音楽のキャッチボール
コンディション最低なまま

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【詩】Love for yourself

【詩】Love for yourself

私はあなたみたいに
部屋の片付けとか得意じゃないし
お金の管理も苦手だし

私はあなたみたいに
素直じゃなくて
プライド高杉くんだし

普通の女の子みたいに
お化粧もしないし
フェミニンじゃないし

あなたみたいに
自分が酔って言ったことも
次の日には、忘れられる程
沢山お酒が飲めないし

あなたみたいに
友達の家でお風呂借りるのに
みんなの前で恥ずかしげもなく
パンツ一枚になるような
オープンな

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【詩】トンネルの中のぬくもり

【詩】トンネルの中のぬくもり

月夜に天幕の下でギターを奏でながら
勘ぐる私の心を尻目に
明るいトンネル中から聴こえる屈託ない歌声

その歌声に魅かれながら
「適度な距離感」ってやつを探るコード練習で
私は孤高で堅実な職人を気取る

恐怖を乗り越え、一歩足を踏み入れたトンネルの中想像した不幸は、一瞬で消し飛んで
私は、君たちに笑顔で迎えられた

軽口叩き、悪たれ付き合う君たちの間に
流れる信頼と愛情
ありのまま、素直に自分の心を

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【詩】To respect

【詩】To respect

どんなに手紙書いても
君には分かって貰えない

なんで君ばっかり
好きなことやって
なんで君ばっかり
家族にめぐまれて

なんで君ばっかり
人気あって
信頼されて
なんで私ばっかり
大変なの?

私は人一倍
頑張ってるのに
なんで批判ばかり
されるの?
人から敬遠されるの?

どうせ私なんか
君に比べたらね

そうやって嫉妬し続けて
自分を卑下して
目の前の幸せを
無視してきた

そのままの自分じ

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【詩】悲しみの糸巻きを止めて

【詩】悲しみの糸巻きを止めて

あなたが運命の人かなんて
分からない
あなたが私をどう思ってるか
なんて分からない

でも、あなたを悲しませると
悲しくて心が折れそうになる

過剰な防衛反応で
あなたを失ったことが
関係を壊したことが
あなたと同じ人間同士で
あれなかったことが
自分を大切にできなかったことが
悲しくて前に進めない

あなたがいなきゃ生きていけない
私ではないはずなのに
もう1人でも大丈夫なはずなのに
心が空っ

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【詩】湯上がり玉子

【詩】湯上がり玉子

仲間と夜通し過ごした後の温泉
待たせるのが心配で
恩着せがましく
急ぎ出た湯上がり

後からのんびり出てくる君
「この人には私のペースで大丈夫」
ホッとした瞬間

束の間の幸せ
消えない不安に
のみ込まれる心

君が酔って鼻の下伸ばした
女の子と同じじゃないと
きっと愛されない

誰よりも近くにいないと
きっと愛されない

大丈夫だと分かっていても
募る焦りと過剰な期待
伝えられた愛情
信じられ

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