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【第12回】「サバイバル術」で組織を生き抜く

世の中には大企業から中小・零細企業に至るまで、業界や業種含め様々なタイプの会社が存在します。

それに伴い、人事制度も企業ごとに自社の都合に併せて、個別に企画・導入・運用されています。

究極的には自社の繁栄につなげるのが目的ですから、文字通り「用意周到に設計」されているはずです。

しかし、その仕組みを用いて評価を下すのは、制度のいかんに関わらず人事権のある上司です。

しかも、最終的な評価は「相性の良し悪し」に左右され、職責が上がれば上がるほど「好き嫌い」に翻弄されます。

我が身を守る「動物的本能」「上に行くほど」本領を発揮するので、こればかりは止めようがありません。

その観点からすると、会社は生き残りをかけた「戦いの場」です(生き残ろうとした場合ではありますが……)。

それは、仕事の内容や職場環境を超えた、人間関係がもたらす「サバイバルゲーム」の場でもあります。

長い会社員人生、必ずどこかで「相性の悪い」または「気の合わない」上司とも巡り合います。

また、たとえ人間関係が良好でも、相手が損得勘定に長けていると、使い勝手の良い「便利屋」になってしまいます。

かなり前になりますが、良くしてくれた上司から、「くれぐれも便利屋にだけはなってはいけないよ」とアドバイスをもらったことがあります。

これは「器用貧乏になるな」とも受け取れます。その上司はすでに他界していますが、この言葉は今も忘れることなく心の奥底に刻んであります。

とは言え、部下が上司を選ぶわけにもいきません。上司のさじ加減ひとつで、思わぬ苦境に立たされることもあります。

「サラリーマンの悲劇は、部下は上司を選べない」は、なかなか的を射た格言ですが、あえて付け加えると、「中間管理職の悲劇は、上司も部下も選べない」でもあります。

相性の悪い上司と、言うことを聞かない部下が同居するのですから、悲劇を通り越してほとんど「喜劇」の世界です。

でも、会社で仕事をする限り、例え上司と馬が合わなくても、部下から嫌われていると感じても、当面は「上手に付き合っていく」ことになります。

そこで効力を発揮するのが、組織を生き抜くための「サバイバル術」です。

サバイバル術を活用すると、精神的ストレスを極力抑えながら、「組織の中をしたたかに泳いでいく」ことも、決して夢ではありません。

次回からは、そのあたりについて触れてみたいと思います。
 
         次回につづく(毎週火曜日に投稿予定)

(本文は、弊著『なぜ職場では理不尽なことが起こるのか?』<幻冬舎ルネッサンス新書>より一部抜粋編集し、シリーズ化したものです

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