書きためていた短編を、長編の連載の合間に放出しました。掲載にあたって、ちょこちょこ加筆修正してます。ジャンルはSF・ファンタジー・ホラー・昔話など様々です。コメント欄に、うれしい…
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#小説
【短編小説】イ・バ・ラ・ヒ・メ
『くそっ!レクタルームが開かない』
ポルクが毒づき、パントを額に跳ね上げた。勢いがつきすぎたのか、パントは彼の足元にロストオフした。
「セリスト7番からエンローグできないか?」
「無理だ。新型のボーガルド21型が6エンタだ。7番どころか、10番までもロックアウトできない。」
「そうか・・・かなりエスプガルダのローカライズが速いということか。」
ゼストが腕組みしながらソルロンを覗き込んだ。ソ
【短編小説】夜を駆ける
人通りの途絶えたスクランブル交差点で、歩行者用信号が無意味な点滅を繰り返す。下品な音とともに、アルミの箱をかかえたトラックが走り出すも、その後はカラフルな三つ目も無意味な存在に成り果てる。昼間ではまずお目にかかれない景色を眺めながら、僕はちらりと左腕を見た。時計の針は深夜3時を指している。
平日の真夜中、繁華街ですら息を潜める曜日と時間。ましてや地方都市のオフィス街、現在ここには僕と植物以外の