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ドラマ・シネマローグ

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日本のドラマ・映画を中心に感想と思ったこと考えたこと。
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#ドラマ感想

ドラマ「初恋の悪魔」〜ルービックキューブ仕掛けの謎は深まるばかり

ドラマ「初恋の悪魔」〜ルービックキューブ仕掛けの謎は深まるばかり

脚本家・坂元裕二さんが刑事物×ミステリーを書くという意外性と、タイトルからして「初恋の殺人者」みたいなインパクトで(こちらのドラマは未見)、今期ドラマの中でもかなり期待を寄せていた「初恋の悪魔」。

回を重ねるごとに謎は深まるばかりで、ルービックキューブのように片面が揃ったと思ったら他の面はバラバラになり、考えがまとまられない状態だけど立ち止まることも出来ず、ストーリーを追うだけで毎週精一杯だった

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三浦春馬 ドラマ「サムライ・ハイスクール」

三浦春馬 ドラマ「サムライ・ハイスクール」

サムライ小太郎、かっけえ!
とにかくサムライ小太郎様にまず魅了された。

ヘタレ小太郎との二役は、顔つき・声色・姿勢や歩き方まで変わって、まるで別人。なんなら眉毛や目や口などの造作まで違って見えるんですけど…。
二つの人格が入れ替わる時のスイッチの入り方と切れ方も凄まじく上手い。
勇ましく目力がありキリリと緊張感あふれるサムライ小太郎様の「おのれ、姦物どもが!」「笑止!」「口惜しゅうて仕方ないわ!

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ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」~別れても好きな人

ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」~別れても好きな人

久しぶりの坂元ワールド全開のドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」。
賛否両論だった前作の連ドラ「anone」も私は嫌いじゃなかったけれど、「最高の離婚」のような軽妙さが漂う今作は、まだ2話目だけれど名作の予感。

とにかく登場人物たちの間を飛び交う会話が面白い。ブロッコリーで戦う元夫達、勝手に元夫会議を開き出す場面とか面白すぎる。元夫達は、このまま親友同士になってしまったりして。

摩訶不思議な魅力

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ドラマ「ペンションメッツァ」 〜小林聡美という生き方

ドラマ「ペンションメッツァ」 〜小林聡美という生き方

短編小説のようなドラマWOWOWドラマ「ペンションメッツァ」を観た。
コテージの様なこじんまりとしたペンションを営む女主人テンコを演じる小林聡美さんを軸として、1話ごとに一人の共演者と1対1で向き合うような二人芝居という試みが、質の良い短編小説を読むような味わいのある連作ドラマであった。
クスッと笑えたり、人生のほんの一コマを切り取ったスケッチのような情景が描かれていた。6話どれも味わい深かったけ

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ドラマ「その女、ジルバ」にかつての自分を見た

ドラマ「その女、ジルバ」にかつての自分を見た

今期の見たいドラマは週末にかけて集中していて、視聴が追いつかず大渋滞。
その中でも、このところ毎週入れこんで観ているドラマは「その女、ジルバ」だ。

大手百貨店から出向を命じられ、アパレル販売員から物流倉庫勤務となった笛吹新は、夢も希望もなく人生を半ば諦めたように生きていた。40歳の誕生日を迎えた日、不思議な縁で平均年齢70歳というバー「オールドジャック&ローズ」で働くことになる。

主人公、笛吹

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ドラマ「にじいろカルテ」の涙と笑いの中に、またしても春馬くんを想う

ドラマ「にじいろカルテ」の涙と笑いの中に、またしても春馬くんを想う

いやぁ今週の「にじいろカルテ」第5話、凄まじかったですね。

先週第4話では、ある無差別爆破事件での、トリアージにおける自分の判断ミスで妻は亡くなり、そうとは知らずに必死で犯人を助けてしまった、朔先生(井浦新さん)の壮絶な過去が明らかになったが、第5話では、その過去を朔先生自ら真空(高畑充希ちゃん)と太陽(北村匠海くん)に打ち明け、可哀想な奥さんと医者である自分という勝手な物語を人に作られたくない

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三浦春馬 tourist ツーリスト 人生の旅路

三浦春馬 tourist ツーリスト 人生の旅路

私は今、ドラマの舞台となっている東南アジアとは真逆の国に居て、光のない真冬はマイナス20度以下にもなる極寒の北の果てから、アジアの眩しい太陽の光と暑く湿った空気を夢見ている。
「tourist ツーリスト」は、国外へ出るのが難しい今だからこそ観たくなる、ロードムービーのような作品だ。
映像の中では、ひとっ飛びにどんな国へも行くことができる。

バンコク篇天久 真は、ふらりと目の前に現れ、また何処か

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三浦春馬 ダイイング・アイ 妖しく危険な瞳

三浦春馬 ダイイング・アイ 妖しく危険な瞳

バーテンダー春太私がこのドラマを見てみようと思ったきっかけは、番宣として制作された 「バーテンダー春太」の動画を見たからだ。
"いらっしゃいませ" と言う低く落ち着いた声、白シャツに黒ベストという鉄板のバーテンダーの出で立ち、腕を上下させシェイカーを振る姿なんてもう、ぼーっとして見惚れる程いい男だ。
最後の一滴も垂らさないようにシェイカーをシュっと切るようにしてグラスに注ぎ終わり、綺麗な色のカクテ

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ラスト♡シンデレラ 魅惑的な三浦春馬

ラスト♡シンデレラ 魅惑的な三浦春馬

三浦春馬を語る上で『ラスト♡シンデレラ』は、やはり外せない作品だと思う。

39歳アラフォー女性と24歳青年の15歳差の恋愛ストーリー。
冷静に考えると、なかなか現実的には成立し難いカップルなのだろうけど、このドラマを見ていると、こんな恋愛もありかも…と妙にリアリティがあるのは、広斗を演じる春馬くんの存在感によるところが大きい。

目の前にひざまずき”僕のシンデレラ♡”と囁いて、その美貌と若さを武

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わたしを離さないで 三浦春馬ドラマレビュー

わたしを離さないで 三浦春馬ドラマレビュー

三浦春馬くんが旅立ってからのファンである私は、このドラマも見ていなかった。
春馬くんを知らなければ、一生見ることはなかったかもしれない。

原作との違いカズオ イシグロは好きな作家だ。
ドラマ化の話を当時ネットニュースで知った時は、正直、なぜ日本を舞台に?この小説の世界観を表現するのは無理があるのでは?と思った。
実際ドラマを見てみると、登場人物の設定やエピソードには、だいぶ原作にはないものが盛り

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僕のいた時間 人はどう生きるのか

僕のいた時間 人はどう生きるのか

私が今暮らす国へ移住し、言葉もよくわからない中で息子が生まれ、毎日暮らすのが精一杯だった時期と、10代~20代の春馬くんがドラマや映画、舞台と活躍していた年月はぴったりと一致していて、その間に彼が出演していた作品は、私の中からスッポリと抜けている。

そんなわけで、訃報後に初めて見た春馬くんのドラマは「僕のいた時間」で、かなり重い内容の作品をいきなり最初に見てしまったのだけれど、話の中でどんどん痩

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