森野 しゑに

海外生活での癒しは日本のドラマ・映画を観ること。音楽も幅広く聴きます。ヨーロッパのとあ…

森野 しゑに

海外生活での癒しは日本のドラマ・映画を観ること。音楽も幅広く聴きます。ヨーロッパのとある国在住。俳優・三浦春馬くんが永遠に好きです。※春馬くんの似顔絵と花のイラストについては愛でるための個人保存はOK。無断転載はご遠慮ください。

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  • てのひらの物語

    物語を綴るように、体験を通したエッセイ。

  • 三浦春馬の世界

    三浦春馬くんの出演したドラマ・映画、舞台、歌、彼を偲び想いを綴っています。月命日に似顔絵を季節の花と共に描いています。

  • No Music, No Life

    好きな音楽のこと

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    日本のドラマ・映画を中心に感想と思ったこと考えたこと。

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めぐり逢い

朝ときどき散歩に行く小さな島で、よく出会う老夫婦がいる。 いつも海が見渡せるベンチに並んで座り、家から持参したポットから熱い珈琲を代わる代わるカップに注いで、手さげ袋からこれまた持ってきたシナモンロールを取り出し、その間とくに話すでもなく、まさに阿吽の呼吸という感じでお茶しながら、二人は黙って長いこと海を眺めている。 見かけるたびに、ああ、いい夫婦だなぁ、と思う。 私は結婚願望の薄い人間だったが、80〜90年代に流れていたチャーミーグリーンのCMに出てくる、手を繋いでス

    • 紫苑をあなたに

      紫苑の学名Asterは、ギリシア語のaster(星)を語源としており、星のように放射状に伸びる花びらの姿に由来しているという。 紫苑とは、その儚く高貴な薄紫色を指す日本の伝統色の名前でもある。 かの「源氏物語」にも登場する紫苑色は、平安時代、秋の着物や襲の色目としても人気があったという。 襲とは、十二単に代表されるように、平安時代の貴族が装束を何枚も重ね着していたことを示し、下の衣に重ねる色彩の組み合わせ、グラデーションで美しさを表現していた。 この頃から衣の色に名前を付け

      • 映画「BLUE GIANT」〜青い炎、魂のスパーク!

        アニメ映画「BLUE GIANT」を観た。 主人公の宮本大は、世界一のジャズプレイヤーを目指し仙台から上京する。 思い立ったら真っしぐらの直情型である大は、プロになる夢を信じて疑わず、日夜練習に励み、ライブハウスで演奏を聴いたピアニストの沢辺雪祈に声をかけ、バンドに誘う。 トリオで演奏するためにはどうしてもドラマーが必要だったが、高校時代からの友人で大が居候している部屋の主でもある玉田が、ひょんな事からドラムに興味を示し、初め雪祈はド素人の玉田が参加することに猛反対していた

        • 水の揺蕩い

          魚座なだけに、私は水辺が好きだ。 海辺、湖畔、川べり、池、沼、とにかく水の側に居ると落ち着く。 きらきら陽の光を反射し、揺蕩いながら様々な表情を見せる水の波紋を見つめていると、吸い込まれそうになる。 いつまででも眺めていられる。 セイレーンというギリシャ神話に登場する人魚が岩礁に座り、美しい歌声で船乗りたちを惑わせ、荒海に誘いこみ船を難破させる、という伝説もあるが、水辺にはそんな魔性の魅力も潜んでいそうな気もする。 こちらの国の海は、だいぶ日本とは様子が異なる。 内海だ

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          ドラマ「1122 いいふうふ」〜夫婦のその先には

          最近、家のモデムが交換になった。5Gになった途端に、超高速になるどころか逆に超低速になり、日本の動画配信サービスにログイン出来なくなったり不具合続出。利用中のVPNとの相性が悪いようなのだ。4Gに戻してよ!と夫に訴えても、5G切り替えは推奨ではなく必須で、もう戻せないと言われた。 アリガタ迷惑な5Gめ! 日本のドラマ観るのが、私のささやかな楽しみなのに…なぜかアマプラだけはサクサク繋がるので、最近はこちらばかり観ていた。 そこで視聴し始めたのが、noteでも話題になっている

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          夏の終わりのサイダーゼリー

          すでに、こちらの国では初秋の気配が漂い始めた。 夏は、日本の猛烈な暑さと比べたら気温もそれほど高くならず、25度前後くらい。湿気も少なく爽やかで過ごしやすいのだけど、夏の終わりから秋の始まりの季節の変わり目は、やっぱり少し体がダルくなり疲れ気味になる。 そんな時、シュワシュワの炭酸を飲むと体がリフレッシュするような気がする。 この国の水は日本と同じく軟水で水道水をそのまま飲めるが、スーパーなどで飲料水として売られているのは炭酸水が多い。 日頃から食事の時などにも炭酸水を飲むの

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          映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス」〜キューバ音楽のレジェンドたち

          平均年齢70代?すでに全盛期を過ぎた、キューバのかつての大物ミュージシャン達と、アメリカ人ギタリスト ライ・クーダが出会い、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブというビッグバンドを組んだことから始まった奇跡。 アルバムを録音し、それぞれの生い立ち、音楽、人生を語り、老齢ながら精力的にツアーに出る、その模様をヴィム・ヴェンダース監督がフィルムに収めた音楽ドキュメンタリーは、世界中を虜にし、キューバ音楽を世に知らしめた。 ついにはカーネギーホールでのコンサート、オバマ大統領からホワ

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          花の絵をまた「みんなのフォトギャラリー」にいくつか追加しました。 秋桜、桔梗、野葡萄、水仙、ヒヤシンス、クレマチスなど季節の花をタイトル画像にどうぞ💐 morino_sieniで検索すると一覧が出ます

          花の絵をまた「みんなのフォトギャラリー」にいくつか追加しました。 秋桜、桔梗、野葡萄、水仙、ヒヤシンス、クレマチスなど季節の花をタイトル画像にどうぞ💐 morino_sieniで検索すると一覧が出ます

          芙蓉をあなたに

          芙蓉の花は、朝に咲き夕方にはしぼむ一日花。 芙蓉は、儚く美しい人にたとえられ「芙蓉の顔」と言う表現もある。 中国では蓮の花の美称(ほめたたえた呼び方)が、芙蓉だという。 だから「芙蓉の顔」とは、蓮の花のように美しい、という意味でもあるらしい。 ちなみに日本でいう芙蓉のことは、木芙蓉という名前で区別しているそうだ。 芙蓉と蓮の花に、こんな関連があったとは、調べるまで全く知らなかった。 ハスは春馬くんの故郷・土浦とも縁の深い花だ。 霞ヶ浦湖畔に広がるという、ハス田をいつか見に

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          アイヌの衣装と文化に触れて 〜北方先住民族を巡る旅 その3

          私がこれまで目にして来た北方先住民族のアート・伝統工芸・文化などについて綴ってきましたが、最終回である本記事では、アイヌの衣装や文化を取り上げました。 第1回 イヌイット・アートについてはこちら 第2回 サーミの伝統手工芸と文化についてはこちら 本記事は4000文字を超えていますので、お時間がある時にどうぞ。 アイヌとの出会い私がはじめてアイヌの人々に会ったのは、小学生の頃に北海道旅行をした時だった。 あまりにも昔で記憶が曖昧なのだが、家族でたぶん白老のアイヌコタンを

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          猫派

          私は、猫が大好きだ。 犬も嫌いじゃないけど、一緒に暮らすなら、だんぜん猫派だ。 猫は、一匹でいるのが当たり前で群れない。散歩させる必要がない。眠たくなったらすぐゴロンと横になり、夏は涼しいところ冬は暖かいところに、いつの間にか移動してる。 ご飯が欲しい時や、甘えたい時だけ寄ってきて気まぐれ、マイペースで人に媚びず、忠誠心なんてものはカケラもない。 猫の何がそんなにいいのか? そもそも猫の形状というか、みめかたち、仕草が魅力的。猫の身体は、しなやかで流動体みたいにグニャグニャ

          映画「市子」〜それでも生きる

          ついに映画「市子」を観た。 ・ 一緒に暮らす長谷川(若葉竜也さん)からプロポーズされた翌日、市子(杉咲花さん)は突然姿を消した。 長谷川の気持ちが嬉しくて、嬉しくて、思わず泣いてしまった彼女が、いったいなぜ? 川辺市子という女性は、存在しない そう告げる刑事(宇野祥平さん)の言葉に、最初は事態が飲み込めなかった長谷川だが、市子を探す中で、全く知らなかった彼女のもう一つの顔が次第に浮き彫りになってゆく。 子供の頃から、自分を偽って生きるしかなかった市子。 そんな環境を

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          ドラマ「すいか」〜ハピネス三茶の愛すべき人々

          夏になると思い出し観たくなるドラマ、それが『すいか』だ。 小林聡美さんが初主演を飾った2003年放映の作品だが、私の中では今も色褪せない。 脚本の木皿泉さんは、夫婦二人の共同執筆という珍しい形を取っている。私は本作で木皿さんを知り、大ファンになった。 本記事は書いてるうちに熱くなり、5000文字近くなってしまいました。 お時間のある時にどうぞ。 1983年夏、中学生の基子は、小学生の双子の女の子から、ノストラダムスの大予言により1999年にハルマゲドンがやって来て、もうすぐ

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          あなただけに聞こえる天空の音楽

          あなたは あなただけに聞こえる 心地よい旋律を奏でていた あなたはいつも この世界を愛し 清らかな言葉を紡いでいた あなたは あなただけに見える未来を ただ真っ直ぐに見つめていた あなたは あなたという存在そのものが 私たちを魅了する 美しい音楽 音の粒子が降り注ぎ 暗闇の中で 私たちは 柔らかな光に包まれ やがて全てが一つとなるだろう あなたにまた出逢う 幾千の星々が瞬く 果てしない宙の彼方で

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          ドラマ「カルテット」〜みぞみぞする四重奏

          契約している動画配信サービスで配信が始まったので、ドラマ「カルテット」を観た。 これまで何度か配信を逃していたので、6年ぶりくらいの再視聴。 なんといってもこの物語を一言で表すカルテット(四重奏)というタイトルが秀逸で、坂元裕二・脚本の中でも自分的にはベスト3に入る大好きな作品だ。 本作の魅力は、偶然の出会いから軽井沢の別荘で奇妙な共同生活を送りながら、ドーナツホールというグループを組むことになった四人の、人間模様という名のアンサンブルだ。 ミステリー仕立ての展開もあり、普通

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          映画「コンパートメントNo.6」〜旅は道連れ世は情け

          映画「コンパートメント No.6」を観た。 監督は、アキ・カウリスマキを継ぐ次世代と言われているユホ・クオスマネン。 今作はロシアを舞台にしているが、フィンランド映画だ。 劇中音楽のセレクト、キャストや映像の雰囲気は、たしかにカウリスマキを彷彿とさせるものがあった。 モスクワに住み、考古学を専攻するフィンランド人留学生のラウラは、共に旅するはずだった恋人イリーナにドタキャンされ、一人で出発することになる。 寝台列車で相部屋になったロシア人のリョーハは、粗野で馴れ馴れしくセク

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