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水木三甫の心葉♡♧詩集

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心葉♡♧詩集では、心に感じたままを言葉に置き換えて表現した詩を掲載します。 まだまだ表現力不足で、うまく伝えられない未熟な僕ですが、進化していく姿を追いかけていただき、感想などを… もっと読む
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2023年10月の記事一覧

性格って(詩)

性格って(詩)

性格って
嫌な性格の人もいるし、良い性格の人もいる
でも、嫌な性格の人だって
どうしてそんな性格になったのかを考えれば
許せるんじゃないかな
性格って
自分を守るためのものだから
嫌な性格の人はそれだけ苦しい人生を歩んできたはず
だから、こっちだって余裕はないかもしれないけれど
苦しんできた人なんだと思えれば
許せるんじゃないかな

声にならない(詩)

声にならない(詩)

君の苦しみは僕の苦しみだから
別れたいと言って流した涙は
僕の胸にじんわりと染み込んだよ

確かに二人はお互いに
傷つけ合い 傷つき合い
秋風の中で先が見えなくなっていたね

僕は頷くことしかできず
君の顔さえ見られずに
君のスニーカーの赤だけを網膜に焼きつけた

5年間は長いようで短く
短いようで長かったね
たくさんの思い出だけを手に
僕は明日から一人で生きていくよ

君は早く新しい人を見つけて

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知らない橋を渡ると(詩)

知らない橋を渡ると(詩)

知らない橋を渡ると
知らない町が現れて
知らない人の群れたちが
知らない言葉で話してる
知らない川を見てみると
知らない魚が泳いでて
知らない空を見上げると
知らない鳥が飛んでいく
知らない道のその先に
知らない家が建っていて
知らないドアを開けたなら
知らない部屋が並んでて
知らないベッドが置いてあり
知らない私はそこで眠りにつく

翼(詩)

翼(詩)

子どもには翼があるから
いつでも自由に飛べるけど
親や社会が籠に入れてしまうから
いつの間にか翼があることに気づかなくなる
使われない翼は退化して
小さくなってしまうから
籠から出しても
もう飛べなくなる
年をとって老人になると
翼は再び大きくなって
最後は天国へ飛んでいく

寂寞(詩)

寂寞(詩)

波が来て、君の足跡をさらってゆく
秋が来て、君の面影をさらってゆく
僕は一人、誰もいない砂浜に寝そべって
うろこ雲の姿態を目で追いかける
ああ、夏にはあれほど賑わっていた海よ
人は皆、どこに行ったのだろうか
そして君は、どこに行ったのだろうか
もうすぐ僕は起き上がり、足を砂に取られながら
君のいなくなった部屋に帰るだろう
波の音も、君の声も消えた一人の部屋に
秋のような、空のような
寂しい一人の部

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比べてみても(詩)

比べてみても(詩)

金持ちと比べてみても
明日から金持ちになれるわけでもない

美男美女と比べてみても
鏡を覗けばいつもの自分しかいない

オリンピック選手と比べてみても
足が急に早くなるわけがない

比べてみてもしょうがないのに
比べてしまうのはなぜ?

人にはそれぞれ良い悪いがあり
自分にも良い悪いがある

なりたい自分が他人の生き写しなんてつまらないじゃないか
自分にしかなれない自分を目指してみれば
きっと人と

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もしも僕が魔法使いだったなら(詩)

もしも僕が魔法使いだったなら(詩)

もしも僕が魔法使いだったなら
君を病気から守ってあげられたのに

もしも僕が魔法使いだったなら
君の病室に毎日飛んでいけたのに

もしも僕が魔法使いだったなら
君の泣き顔を笑顔に変えられたのに

もしも僕が魔法使いだったなら
君の痛みを和らげてあげられたのに

もしも僕が魔法使いだったなら
君の願いを叶えてあげられたのに

もしも僕が魔法使いだったなら
君のことを死なせずに済んだのに

でも僕は魔

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キレイなココロ(詩)

キレイなココロ(詩)

空気が汚くなったから、人のココロも汚くなっちまった
おじいちゃんが言った

高度成長ってなんだったんだろう
おじいちゃんが嘆いた
みんな物持ちにはなったけど、みんな昔より不幸な顔になりやがった
仕事一筋で生きてきたおじいちゃんが僕を見つめた

お前のココロはキレイかな
おじいちゃんが僕に聞いた

うん、僕は大人になってもキレイなココロのままでいるよ
僕が言った
おじいちゃんは悲しげにうなずいた

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季節外れのモンシロチョウ(詩)

季節外れのモンシロチョウ(詩)

モンシロチョウが申し訳なさそうに飛んでいた
季節を間違えたのはモンシロチョウじゃなくて地球のはずなのに

モンシロチョウは羽根を揺らしながら震えていた
こんなに冷たく強い風が木々の葉を落としていくのを見ながら

モンシロチョウがフラフラと地面に落ちた
羽根を閉じてまるで死んでしまったかのように動かなくなった

僕はモンシロチョウを捕まえて
白く咲いている花の上に置いてあげた

空回り(詩)

空回り(詩)

いつも私は空回り
まわりの人の目を回す

いつも一歩も進めない
まわりの人は知らんぷり

いつも浮足立っている
体は太っているのにね

地べたに足をつけなくちゃ
前に進めるはずもない

いつも私は空回り
自分自身も目を回す

いつも私は空回り
地べたに足をつけなくちゃ

初めての音楽(詩)

初めての音楽(詩)

僕が生まれて初めて聞いた音楽は
僕自身の泣き声だったはず

激しい元気な音楽だったか
小さなか細き音楽だったか
それを僕は覚えていない

それは母親のお腹からの旅立ちの音楽だった
それは何もわからない世界へ出立する戸惑いの音楽だった

もしかしたらそれは
希望の音楽だったのかもしれない
もしかしたらそれは
不安の音楽だったのかもしれない
もしかしたらそれは
何もかもが入り混じった音楽だったのかもし

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君を失った日から(詩)

君を失った日から(詩)

君を失った日から僕は夢を見失った
君を失った日から僕は明日を見失った
君を失った日から僕は僕自身を見失った

今の僕を見たら君は僕と別れて良かったと思うだろう
でも君の存在があまりに大きくなってしまっていたことに
僕は最後まで気つかずにいた

それは決して君のせいではなくて
僕のひとりよがりだったのだろう

僕は君との間に隙間が開いていたことに
気づかない振りをしていただけなのだろう

夏も終わり

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