#恋愛
「やっちまった」×「どら焼き」× #8b968d
竹中隼人は落ち込んだ。
『さとちゃんが風邪を引いたので、今日の約束はキャンセルさせてください。本当にごめんなさい。』
彼が、内藤みゆきにいわゆるデートに誘い始めてから約3カ月。ようやく漕ぎつけた約束だった。しかし、同居人である中川さとみが寝込んでいるというのなら、それを責めるわけにはいかないだろう。隼人は、今頃献身的に看病をしているであろう彼女を好きになったのだから。
隼人と中川さとみ
「眠いのに」×「オーブンレンジ」× #FA8072
『オーブンレンジが届きました。明日、午前中に私の家にきてコーヒーを淹れてから起こしてください。朝ごはんはイングリッシュマフィンのオープンサンドが食べたい。マフィンは買っておくから作ってください。夜ごはんはグラタンを作ります。』
久しぶりに、リクから連絡がきた。いつもはこちらから送るばかりで、返信も3回に1回くればいいほうだ。
こちらが会いたいときに、一方的に待ち合わせ場所と時間を送り付け
「まだ寝ていたい」×「どこで飲むんだろうか」×#add8e6
ふぅーと空に向かって息を吐きだすと、真っ白なふわふわが音もたてずに消えていった。
冬の朝は、鼻の奥がキシキシと痛む。冷たい空気を思い切り吸い込むと、胸の奥から身体全体を冷やしていくような気がする。グレーの色をまとった街は、いつもよりなんだか静かだ。いつもと同じ時間のはずなのに、曜日によって街は全く違った顔を見せる。
車移動が当たり前の地元ではわからなかったことだ。仕事が休みの人が多い朝は