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Call me by your name
2023.02.12.Sun/daytime
淡く、美しい映画だった。
エンドロールを終えた途端、涙が止まらなくなった。
溢れ出ていく涙の感覚。心が重たくなる。
同棲愛の脱犯罪化が進む国もある中、エイズが「ゲイの疫病」と表現されたり、同性愛への様々な思想が渦めいて世界が動くようになる1983年代のイタリア北部が舞台。イタリアではまだまだ厳しい目が向けられていた時代だったのだろう。
エリオとオ
若さは美しさだけど美しさは若さじゃない
疑うことを知らなかったあの頃に戻るとするならばと考えたことはたくさんあったけれど
疑うことを知らない時代に信じることと、疑うことを知ってしまった時代に「信じる」こととは天と地の差だ。
あの頃のわたしにはその無邪気な信じるは無意味ではなかったが、今の私にとっては無意味であるような気がする。
胸が張り裂けそうだ
ただ信じてただ愛おしく思いたい
信じる強さを教えてもらったよ
わたしはどうしようもな
HikaruUtada
初めて自分のお小遣いで購入したCDは
宇多田ヒカルのHEART STATION だった。
好きなアーティストとかいる〜?
と聞かれて宇多田ヒカルと答えたら
「first love」のような淡いラブソングが好きなんだなぁ
と心の中で思うだろうと感じる人に
は宇多田ヒカルって言わないようにしてた
尖った時期もあったっけ
18歳が書きおろしたとは思えない繊細な歌詞の「first love」ももちろん
思ってたようにはならない
「パパ、わたしおけしょうなんてしないからね!」
幼い頃、母の支度を待つ父の顔を見てはこう言っていたのを思い出す。
毎朝、傀儡の様に鏡の中に映り込む自分の顔への施しを考える日々を一体誰が想像できただろう。
「はやくハタチにならないかな~」
19歳のわたしが一目惚れした相手に、「妹みたいで可愛いな」と言われたあの時の儚さも今ではちっぽけで、20歳を過ぎてからも、あの人がいる六本木のクラブに行く