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思ってたようにはならない

「パパ、わたしおけしょうなんてしないからね!」

幼い頃、母の支度を待つ父の顔を見てはこう言っていたのを思い出す。

毎朝、傀儡の様に鏡の中に映り込む自分の顔への施しを考える日々を一体誰が想像できただろう。

「はやくハタチにならないかな~」

19歳のわたしが一目惚れした相手に、「妹みたいで可愛いな」と言われたあの時の儚さも今ではちっぽけで、20歳を過ぎてからも、あの人がいる六本木のクラブに行くことはなかった。

あなたの創る音楽は素晴らしかったけれど。


小学生の頃に思い描いていた26歳とはかけ離れていて、思っていた以上に20代は子供だった。

小学生の頃にみていた父の表情も、思い返せば愛情が隠れていただろうし、思ったよりあなたも、あちらのあなたも、私の事を大切にしてくれていたと思う。その時その瞬間ではわからないことがこの世の中では多すぎる。

そんな風に私たちはただただ生きて、思い描いてきた人生を歩めないながらも、懸命に生きる。

生きて、生きて、生きてみる。

地球上で周期的に起こるパンデミックや天災、それに伴い変化していく世界、此れからどんどん生き抜く時代になるのか否か

誰も何をもわかっていない。

誰も本当の自分を知らない。

私も本当のあなたを知らない。

私も誰かの本当をわかっていないとしたら、わかれていないとしたら、そもそも本当が何かもわからないこの世の中は思ったよりも孤独で溢れているような気がした。



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