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詩人宣言

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自分の中から湧きあがる言葉を、意味のある言葉として「詩」にします。それを行ってきてまだ2年とちょっとでしかない…詩人です。私の小さな声、響け!
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記事一覧

「ぼくの感じ」詩人宣言LVI

「ぼくの感じ」詩人宣言LVI

ぼくの 感じが
あなたの 感じに
少しでも重なるか ならないか

ぼくの 感じを
あなたが 感じて
重なるのなら
スキをつけてくださるのでしょう

ありがとう ありがたい

そんな機会は
時のたつごとに少なくなり
ぼくの 感じは 宙をさまよう

それでも
ぼくの 感じを
文字に 言葉につづりたくて
ココに刻む

きょうの 感じは ココまで
あすも 何かを感じたい

「4歳の詩人」

「4歳の詩人」

詩人宣言LV

――あなたのおトシはいくつですか
4つですね
――えっ どういうことですか
2020年12月から詩を書き始め
20 21 22 23――数え4歳の詩人です
――はぁ なるほど 詩人としてはそうでしょうが あなたの実年齢はとっくに還暦すぎ あと半年で63でしょ
でへへ よくご存じで そのとおりです
――4つはいいとして その年齢に応じた詩になってるんでしょ
どうでしょうか いわゆる現

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「自問自答」

「自問自答」

詩人宣言LIX

――おい 詩は書けているかい
  書けたのが あるかい

 ええ まあ あるにはありますが

――アップしてくれよ 読ませてくれよ

 いや あの なんか見せられるのがなくって

――どうしたんだよ
  書いて書いて 読んで読んでって
  そんな感じで アップしてたじゃないか

 読んでもらえるほどのものが ないから

――恥ずかしがってんの? 今更
  前は なんでも載せてたよ

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「白紙ノート」

「白紙ノート」

詩人宣言LVIII

ノートのページを繰り
書き残された言葉を
見てみる

ずいぶん間があいた
その走り書きを
読み返す

陳腐な言葉をつぎはぎし
詩に…している
それらを
読んで…みる

いい…ワケがない

いい詩

悪い詩
その違いくらい
見分けは…できる

曲がりなりにも
詩を 読み書いてきた
3年に足りないとはいえ
相当のエネルギーを費やした

箸にも棒にもかからない
悪い詩…とまでは言

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「書けない言い訳」

「書けない言い訳」

詩人宣言LVII

言葉が光を放つ
すくっと言葉が立つ
存在感を持つ言葉

自分の中から湧きあがる
そんな言葉をうたう

ひとのこころに 響くうたを――

そう思うことは
わがこころの 卑しさ さもしさ

詩を書くことが自己証明
読んでほしいとの承認欲求

言葉がオーラを放つ…だと?
おこがましい

言葉は
ただそこの光を
反射するだけ

読み手の気持ちという光に
反応するだけ

光ろう 目につこ

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「勤めに出ないので」

「勤めに出ないので」

詩人宣言LVI

詩のこと
詩を書くことなんだけど
毎日勤めに出ていた時のほうが
よく書けたな

勤めに出なくなって1カ月半

働いていない
働くために外出しないんだ

仕事に出てるっていっても
暇でひまで…
(過去数年はとくに――)
そんなのが多かったんだけどね

そんな日常でも
仕事に出ているときに
詩を
読むこと 書くこと と出合ってからは
自分の中に何かがたまって
言葉 文字となって湧き出

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「詩人はいるか」 

「詩人はいるか」 

詩人宣言LV

満員御礼――
東京・両国国技館
見た目の入りはせいぜい8割
2階席にパラパラと空きがある
それでも
満員御礼
垂れ幕が見える
定員1万人だから
8割の入りとして
この空間に8千人ほどはいるか

ぼくは
2階の通路を走り回る
ぼくは走り回る
正面から東へ 向正面から西へ
そしてまた正面へ
走る 走る
叫ぶ 叫ぶ

この中に詩を書いている人はいますかー
おーい 詩人さーん
この中に

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「涸れた湖底」

「涸れた湖底」

詩人宣言LIV

現代詩手帖という詩専門誌に載る投稿作品
どの詩も 賢しらに見えて
最後まで読むことができない

広辞苑をひっくり返して探してきたような
意味がすぐにわからない
言葉
改行なしに延々と続く文字の羅列

それは
言葉のサラダだ

読むのは苦行だ

選者が1年に1度の交代で
自分の作品も
ひょっとして…日の目を見るか
と久々に投稿
期待はあっさり打ち砕かれ
かすりもしなかった

何が悪

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「芸術は長い」

「芸術は長い」

詩人宣言LIII

生きているものは いつか死ぬ
生きているものは 必ず死ぬ

今ある役割が消え
今持つ機能も働かない

男としての役割は
とっくに終えたよ

自分の体がいう

鏡の中には
とっくに死んだ
血縁ある者たちの
面影がぼくの顔に重なる

自分の頭の中はどうだ?
のぞき見ることはできない
その中も
役割も 機能も
顔 体と同じように
老いているのは間違いない

ああ 坂本龍一が言った

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「これがぼくの詩」

「これがぼくの詩」

詩人宣言LII

心に浮かぶこと
瞬時に――
瞬時にというのは 目を閉じ開く そのほんの短い あっという間のこと 目が瞬くほどの間
一瞬に浮かぶことを
書き記すには 一瞬の何十何百何千倍もの時が必要なのだが ぼくの心に浮かびくることは「一瞬」でしかない
その心に浮かぶことを 文字という言葉に置き換えて こうして書いている
これをもって 心にポーンッと浮かんだことを書いているだけで そこには
ぼくの

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「堂堂巡」

「堂堂巡」

詩人宣言LI

いつか いつかは
小説を書こう そう思っていた
いや 現実に小説を書いていた
ある日 書けなくなった
1日 1週間 1カ月 半年 1年2年3年…
ぱたりと 書けなくなった

書かないだけだ などとうそは言わない
書けないまま 年月がたった

それは認める それを認める

ぼくは 小説を書けない
ぼくは 物語は書けない――

そこで
詩である
いま 本日ただいま
こうして書いている

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「まいにち」

「まいにち」

詩人宣言L

毎日 ノートに文字を綴る
毎日 まいにち

何のためか
湧きあがり あふれてくる感情を
残したいから

たしかにそれは そうなのだが
毎日 まいにち
書くことがある――
と 胸を張れはしない

ただ
ここで記録をとめてしまえば
もう書けなくなる――

自分が自分を心配する

そして
きょうも とりあえずの気分を
文字にしている

ああ
きょうはヒラメキもないままだ

「記念日」

「記念日」

詩人宣言IL

きょうは特別な日
誰も知らない
ぼくの記念日
死んだ母なら憶えているか

きょうは特別な日
ひとつの志を心に刻み
スタートした日

36年も前だ
ぼくが大きく針路を変えた
その日だ

新聞社に入り直し
記者として進む先を定めた
何にでもなれるのだ と

あの日 ぼくは
社長になるか
局長…まあ部長くらいには
いや やはりジャーナリストは
世界が舞台だ 海外特派員だ

志があった

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「言葉のサラダはいらない」

「言葉のサラダはいらない」

詩人宣言XLVIII

ぼくは若き詩人である
詩を書きだして2年…3年目に入った

ぼくは若き詩人である
誰も 詩人たる「ぼくの存在」など
知らぬだろう
関心 共感も
ゼロとは言わぬが 少ない

ぼくは若き詩人である
不勉強な男である
古今東西 詩人の「名詩」を読み
自分でそれを読み解き
詩作の滋養とすべき
――なのかもしれぬが
生来の怠けもの
「若き」といっても
還暦をとうに越え
シルバー世代 

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