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「4歳の詩人」

詩人宣言LV

――あなたのおトシはいくつですか
4つですね
――えっ どういうことですか
2020年12月から詩を書き始め
20 21 22 23――数え4歳の詩人です
――はぁ なるほど 詩人としてはそうでしょうが あなたの実年齢はとっくに還暦すぎ あと半年で63でしょ
でへへ よくご存じで そのとおりです
――4つはいいとして その年齢に応じた詩になってるんでしょ
どうでしょうか いわゆる現代詩の世界には入っていけないままですね
――現代詩の世界と自分は違う と
ちょっと いや大いに違うと思います 自分の詩…は
――でも詩ってなんでもアリの世界でしょ
そう そのとおりです どの詩人 先生もそう言い そう書いてます
でも 実際はそうでもないでしょ 評価されるのは……
――「現代詩」のメーンストリーム 難解な世界のほう
そう 難解というか 私に言わせれば ひとりよがり すべてが言葉のサラダのようで 言葉と言葉が混じり合うことなく ひとつのボウルに入っている あんな詩が分かる人 あんな詩に共感する人ってホントにいるんですか そう思います
――そこに一石を投じる気持ちなんでしょ(笑)
でへへ そうそう そう大きく出たつもりですが なんせ まだ4つですよ
まったく手が届かない 石なんて投げてない
――成果 ないですもんね で 最近はどんな詩を読んでますか
花田英三っていう詩人の詩集を読みましたよ
――花田…ですか
そうです Wikipediaにも載っていない人ですよね 1929(昭和4)年生まれ 東北大学を出て電通でコピーライターをしていた人ですが定年前に沖縄に移住し 2014(平成26)年に同地で亡くなった 一般には知られていない詩人でしょう
――ふ~ん…
この人のこと 私が通うカルチャーセンターの「現代詩実作講座」に出ている中原中也賞受賞・細田傳造さんがその詩人について触れていて知ったんです
――へぇ~
年が明ければもう通って4年目に入るんですよ そのカルチャーセンター
――はいはい
担当講師の大先生にお愛想で 「おもしろい!」と時々言ってもらいますが 現代詩のメーンストリームから外れた私の詩への評価なんていうものは――
――評価っていうものは?
ほとんどないですね 評価に値しない…みたいな
――そうなんですか そうでしょうか 先生は そりゃご商売ですから受講者をつなぎとめることは言うでしょうから あなたもつなぎとめられているとして 好きなもの 好きな詩を書くことには肯定的でしょ
はい それはそのとおりですが 彼を含めて日本の「現代詩」のメジャー・ものさしで測れる詩かどうか――いう点で自分の詩は外れてますね
――ふ~ん それで やる気も出ない と
ええ 激賞されて 「私のところで詩集を出しませんか」なんてすぐに言われると思ってたんですけど
――わはは そりゃうぬぼれすぎだ
そうかな…わかりやすいとまでは言わないけど 自分は文字が理解できる人には分かる 理解できる詩を書いているつもりです
それを否定…というか その詩が評価されないっていうのに不満はあります
――はあ不満ですか でも「詩壇」っていうものがありますからねぇ……
はい わかっています でもそれに合わせてまで書きたいとは思わない
――とはいえ このnoteでもあなたの詩は 以前より評価を得てないじゃないですか
どきり!! よくご存じで そのとおりです 共感してくれる人は以前の三分の一くらいになってるかな と近頃は感じています
――なかなか難しいもんですね
はい 難しいです でも 「いつかはきっと大爆発する」 そう思って書き続け 投稿します
――はいはい がんばってください

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