見出し画像

「記念日」

詩人宣言IL

きょうは特別な日
誰も知らない
ぼくの記念日
死んだ母なら憶えているか

きょうは特別な日
ひとつの志を心に刻み
スタートした日

36年も前だ
ぼくが大きく針路を変えた
その日だ

新聞社に入り直し
記者として進む先を定めた
何にでもなれるのだ と

あの日 ぼくは
社長になるか
局長…まあ部長くらいには
いや やはりジャーナリストは
世界が舞台だ 海外特派員だ

志があった

そういう方向へ――
針路のままに進むことはなく
難破はしたが
ようよう沈没だけは避け
最後までたどり着いた
それは事実

着いたところは
思い描く地ではなかった
そうか?
想像の外の世界だと?
まさか――!?

これも 今の自分も想定内だ
これを受け入れるのだ
きょう この日

もうひとつ
ぼくには
2月に特別な日がある
2021年2月4日
詩人になった日
詩を他の人に初めて見せた日

まだ2年
たったの2年

社長になれず
これから金持ちにも
100パーセントなれないが

大詩人にはなれる

大詩人だなんて――
俗な欲をかく

ぼくは ぼくの詩を書けばよい

この記念日に言い聞かせる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?