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マグニフィセントなnoter様

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心に響いた”マグニフィセント”な記事をまとめています。わたくしの独断と偏見で選出しております。不定期ではありますが紹介記事も書きたいなと思っております🐈
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#映画感想文

マグニフィセントなnoter様📒総合受付案内所📒

マグニフィセントなnoter様📒総合受付案内所📒

ようそこいらっしゃいませ。

こちら、ネコぐらしの勉強暮らしpresents

マグニフィセントなnoter様
📒総合受付案内所📒
でございます🐈

『マグニフィセントなnoter様』とは?
文才や表現力にあふれる方が、noteの世界にはたくさんいらっしゃいます。

特に「これは皆に広めたい!」と心に響いたnoterさんをピックアップしているマガジン。

それが『マグニフィセントなnoter

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いつもと違う映画館で

いつもと違う映画館で

屋台の街として知られる福岡の繁華街、中洲。昨年の秋ごろ、関西から遊びに来た友人と中洲エリアを歩いていたとき「この建物なに?」と、全員で立ち止まった。

目をひく、歴史を感じる建物。見上げると「大洋映画劇場」と書いてある。私もこの道を歩いたのはこの時が初めてで、建物のことも知らなかった。調べてみると、なんと昭和21年(1945年)から存在する映画館だという。当時はあの「チャップリン」の映画も上映され

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グリーンブック

グリーンブック

グリーンブック

2018年公開 

オススメ度 9.8/10点中

クリスマス映画は数多くあれど面白いという意味では観る価値のあるクリスマス映画は少ない。大半は家族向けのご都合主義とキリスト教の教えを全面に押し出している教育映画なのでキリスト教圏にいない我々では理解できないというより単に馴染みがないので身体に入ってき辛いところがある。

家族愛、兄弟愛、主への感謝。こういったことをクリスマスに再

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【映画感想文】人生というクソゲーを1機でクリアするのは難し過ぎる - 『ある男』監督: 石川慶

【映画感想文】人生というクソゲーを1機でクリアするのは難し過ぎる - 『ある男』監督: 石川慶

 夫が仕事中の事故で亡くなる。生前、夫は実家とは疎遠と言っていたから、一度もその家族に会わせてもらったことはなかったけれど、さすがに連絡しないわけにはいかず、お兄さんがお線香をあげに来てくれた。そして、遺影を見て、一言。

「これは誰ですか?」

 映画『ある男』はそんな風に、死んだ夫が実は名前も歴史も戸籍も偽っていたと知るところから、物語が始まる。

 どのような家に生まれて、どのような血を引き

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わかんないと言える今だから

わかんないと言える今だから

新しく買った『銀河鉄道の夜』のDVDを鑑賞した。双子の娘たち(6歳)といっしょに。

宮沢賢治の童話をアニメ化した、1985年の映画だ。公開されたとき、私は母に連れられて映画館へと観に行った。

貧しく孤独な少年ジョバンニが、友人カムパネルラとともに宇宙を鉄道で旅するストーリー。保育園児だった私には難しく、正直に言うとまったく理解できなかった。

ただ、ほとんどの登場人物が猫の姿で描かれていて、親

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【映画感想文】ハラスメントを告発されたとき、わたしたちはどうするべきか - 『TAR/ター』監督: トッド・フィールド

【映画感想文】ハラスメントを告発されたとき、わたしたちはどうするべきか - 『TAR/ター』監督: トッド・フィールド

 観たいと思っていたけど、なんやかんやと忙しく、結局、映画館に行けなかった『TAR/ター』がAmazonプライムで配信されていた。なんというか、凄まじかった。

 主人公があるリディア・ターは天才的な指揮者。女性初の偉業をいくつも成し遂げている上に、レズビアンを公表し、女性パートナーと結婚し、養女を育てるなど時代を象徴するような人物。だが、同時に、権力が集中しているせいでハラスメントを訴えられる事

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「映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~ 」リメイク良すぎて引くほど泣いた話

「映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~ 」リメイク良すぎて引くほど泣いた話

映画で人生がかわるなんて話信じられないだろう?でも本当の話なんだ。どうか聞いてくれないか?

それは2011年。今からもう10年以上も前。今も青二才だが、もっともっと青二才だった私は、映画館へと足を運んだ。それは平日であった。真昼間のガラガラの映画館で前から2~3列目、ド真ん中の最高に良い席を確保した。

公開から随分と時間が経っており、一日に一回か二回しか上演しないような、そんな時期だった。隣に

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『瞳をとじて』立ち現れる映画の表象

『瞳をとじて』立ち現れる映画の表象

「映画についての映画」。『ミツバチのささやき』にしても『エル・スール』にしても、ビクトル・エリセの作品は映画の中に映画というモチーフを置き、映画ならではの美しく強烈な体験を、あるいは風景を語ってきた。本作『瞳をとじて』もまた、ビクトル・エリセ本人の人生を反映し、映画を主題とすることで、老いについて、人生について、変わりつつある映画産業についてを物語っていく。

映画がはじまる。まさしく言葉通りの意

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『ジャン=リュック・ゴダール 遺言 奇妙な戦争』レビュー:「黒画面(=無)」の探求の涯てに彼はGOD+ART(D)となる

『ジャン=リュック・ゴダール 遺言 奇妙な戦争』レビュー:「黒画面(=無)」の探求の涯てに彼はGOD+ART(D)となる


0.ジャン=リュック・ゴダール遺作、ついに公開2022年9月13日、ヌーヴェルヴァーグの首領ことジャン=リュック・ゴダールが亡くなった。91歳だった。彼の最期は、スイスでの自殺幇助。映画は完成せず、『気狂いピエロ』のラストを彷彿とさせる唐突さが全世界の映画人を震撼させるとともに、どこか納得いくようなものも感じさせた。

それから1年後、サンローランプロダクションが彼の遺作をカンヌ国際映画祭に届け

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『グレイテスト・ショーマン』のバーのダンスが好きすぎる話

『グレイテスト・ショーマン』のバーのダンスが好きすぎる話

2017年に製作され、日本では2018年に公開されたミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』。とにかくストーリーがはちゃめちゃなため、好まない人もいるとは知っている。私は劇場で観て「もう観ないな」と思ったのに、YouTubeで好きなシーンだけ観ており、その頻度の高さから「これはブルーレイを買ったほうが良いのでは」と、重い腰を上げてブルーレイを買った。その後、ディズニープラスで配信が始まり、ソフ

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『その鼓動に耳をあてよ』/矜持と、歯止めのかからない問題(映画感想文)

『その鼓動に耳をあてよ』/矜持と、歯止めのかからない問題(映画感想文)

『その鼓動に耳をあてよ』(24)は東海テレビ製作のドキュメンタリー。プロデューサーは阿武野勝彦と圡方宏史。そう『さよならテレビ』(だけではないが)の二人である。今回の取材対象は名古屋掖済会病院。1948年開院の緊急病院。
もともとは船員を対象とした病院だったが、高度経済成長期に急増した自動車事故や工場での作業事故に対応するため1978年東海地方初のER(救命救急センター)を開設。診療科は36科、病

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私の人生には常にその映画があった。/映画『ソラニン』

私の人生には常にその映画があった。/映画『ソラニン』

【中学時代】中学2年生
国語が専門の担任の先生からこの詩の存在を教えてもらった。

どのような経緯でこの詩を知ることになったのか。その経緯を思い出すことはできないが、このフレーズだけは頭に強く残っていた。

中学3年生
受験のために毎日夜遅くまで学習塾へ通っていた。

家から歩いて10分と少し。
買いたてのウォークマンには、「リライト」という曲で知ったASIAN KUNG-FU GENERATIO

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やりたい事が多すぎて、計画倒れしがちな人に読んでほしい記事。

やりたい事が多すぎて、計画倒れしがちな人に読んでほしい記事。

先日、インスタライブをやった。

いや違う。やらせていただいた。

ひとりで喋るにしても、何か話題がなければ30分はさすがにもたない。何もなくても喋り続けられるような人間でもない。

そう思って、読者さんからの質問を集めさせてもらった。すると心優しい方々から全部で7つの質問が寄せられた。

…ありがてぇズラ。

「時にマジメに、でものらりくらりと」が私の生き方(いま作った)であるから、程よ〜いテイ

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