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絵の中の物語

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絵のある暮し、僕の作ったものを紹介しています
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船乗りは船を忘れて

船乗りは船を忘れて

船乗りは船を忘れて

もうずいぶん前から
この言葉だけが浮かんだままだった

でもそこから
次の言葉がなかなか出てこない

この絵にはどんな物語があるんだろう

そんなことを思いながら
 
ずっと探していた

無理に引き出すことはせず

いつまでも待っていたら

船乗りは船を忘れて旗を振る

言葉が生まれ

絵の物語が聞こえてきた

船乗りは船を忘れて

船乗りは 船を忘れて 旗を振る

遠い昔

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遠い街のあの子

遠い街のあの子

遠い街のあの子が手を振っている

「調子はどうだい?」

あの子が僕に話かける

「赤と黄色、それから青、
白が混ざり合ったような、そんな気分だよ」

僕がそう答えると、あの子は言った

「僕が暮らすこの街にも、赤と黄色、
それから青、白が混ざり合ったような、
そんな空があるよ」

そういってあの子は笑う

僕の中にある遠い記憶の街で

あの子は今でも僕に
手を振っている

遠い街のあの子

絵で音を奏でる

絵で音を奏でる

前回、旅と音楽をキーワードに
物語を作っていると書いたのですが、

朝、絵を少し描きながら、
物語(旅する楽団)のことを考えていたら、
こんな場面がふと浮かんできた。

楽団がある街に着いたとき、
テントの前に少年が立っていた。
少年はテントの中に入るとこう言った。

「僕を楽団に入れてください」

楽団の一人がこう言った
「それでおまえは何が出来るんだい?」

「絵が描けます」少年が言うと、

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枠にとらわれず自由に描く

枠にとらわれず自由に描く

Freely(自由に 気ままに)

枠にとらわれないで、気ままに
制限なく、絵の中で自由に遊ぶ

制限なく絵の中で自由に遊ぶ

初めは画用紙に枠を描いて、
その中に絵を描いていたら・・・

絵が、枠に収まらなくなり、
画用紙いっぱいに絵を描いたら・・・

その画用紙にも収まらなくなり・・・(笑)

画用紙より大きい
ダンボールがあったので、

そのダンボールに
画用紙を貼り付けて描いた(笑)

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息づかいを感じる

息づかいを感じる

最近は何か分からないものを作ることが多い。
そもそも何も考えないで作り出すからだ。

手に取った切れ端を、貼ったり、切ったり、塗ったり、
ただ指先にまかせてみる。

そこには、失敗や成功したなんて感覚もなく、

これは何だろう? そんなことを思いながら、

目の前に現れたイロとカタチを、
色んな方向から眺めて味わう。

きっとこの絵も、
何かになろうなんてしてないのだろう。

でも息づかいは感じる

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「ハレ」を祈る

「ハレ」を祈る

久しぶりに絵の具を使って絵を描いた。

僕は絵を描くと、ほぼ同時に言葉も出てくることが多い。

この絵を眺めていた時、王様は「はれ」を祈った・・・

この言葉が頭の中に浮かんできた。

初め「はれ」は天気の「晴れ」だったが、
もうしばらく眺めていると、

天気のことではないとわかった・・・

「ハレ」は王様の中にある、とても大切なもの。

王様の中にもあるが、生きるもの全ての中にある「ハレ」

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Jongleur

Jongleur

ジョングルール(Jongleur)は
フランスで大道芸人のこと

大道芸人のエヴァは
今日もどこかの街角で踊っている

そんなエヴァの物語です

BGM「Serene」/作(編)曲 : すもち

カケラ

カケラ

カケラ

ぼくのカケラ ここにあった
ぼくのカケラ また見つけた

ここにも ぼくがいた

カケラが言った やっと会えたね

色になって 溶けていく ぼくのカケラ

指先から 生まれた線は
いつか誰かの線と出会う

そしてカケラに雨が降ると
生き物たちが 目を覚ます

目を覚ました 生き物のたちは
ぼくの世界で遊ぶ

カケラとひとつになって

カケラを描く
カケラと踊る

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絵の中で遊ぶ

絵の中で遊ぶ

先日、息子は春休みということで、
家でごろごろしながらゲームをして遊んでいた。

そしてそんな息子の隣で僕は、絵を描いて遊んでいた(笑)

子供のように絵を描いて遊ぶ父ちゃんを
息子はどう思っているんだろうか・・・ (´ ∀ ` *)

無邪気に色を塗ったり、ぐちゃぐちゃ線を描いたりして、 思いっきり遊ぶ。

そんな父ちゃんを見ていた息子が、僕にこう言った。

「父ちゃん、いい絵描けた?」

「う

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踊り出す走り出す

踊り出す走り出す

衝動に駆られて踊り出す

衝動に駆られて走り出す

奥さんがこの絵を見て、
「なんかこの絵、細胞みたいだね」って言った。

この絵を描いている時、
僕の細胞はこんなふうになっていたのかも。

細胞が走り出す

細胞が踊り出す

細胞が目を覚ます

「今ここ」を感じる

「今ここ」を感じる

ぼくはカメラを持って散歩するのが好きだ。

カメラを持つと、普段気づかずに通り過ぎていたものに目が行く。

垣根に咲いている花や、水溜りに映る空、
ひなたぼっこをしている猫など、

見渡せば、その一瞬の光景の中にも
物語がたくさんあることに気づく。

さらにぼくがカメラを持つことで
いいと思うことは、「今ここ」にいれること。

ぼーっとしている時でも、ついつい頭の中は
「今ここ」ではないどこかに飛

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頭の中の演奏家

頭の中の演奏家

いつか、ある老人が、
僕にこんな話をしてくれた。

その老人の頭の中には演奏家がいるのだという・・・

老人はこう言った。

頭の中の彼は、どんな楽器でも弾くことができて、

わたしの可笑しくも切ない人生劇場を
いつも最高に盛り上げてくれるのだ。

わたしがやらかしてしまった時、

彼は、とても切ないチェロを奏でて、
どこまでも、わたしを落ち込ませてくれる。

わたしが恋をした時、
彼は、とても軽

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暑苦しい太陽

暑苦しい太陽

暑い日が続くようになりましたね。
なのに…こんなに暑苦しい太陽を作ってしまった…
もっと爽やかな太陽になるはずだったのに(笑)

そしてこの太陽、見た目だけでなく、態度も暑苦しいのです。

ふと目が合うと僕にこう言うのです。
「わしどない?イケてる?」

「う、うん、イケてる・・・と思うよ」

「どのへんが?」

しつこい、う、うざい(笑)

でもどこか憎めないこのおっさん太陽、そう思っている時に

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