藤崎殊海(Kotomi Fujisaki)

ずーっと名古屋在住のアラフォー。配偶者あり子供2人。新米管理職。アートのためなら国内ど…

藤崎殊海(Kotomi Fujisaki)

ずーっと名古屋在住のアラフォー。配偶者あり子供2人。新米管理職。アートのためなら国内どこへでも。読みたい本が本棚に入りきらず雪崩寸前。休日はブックカフェにいたい。なるべく美味しいものを食べたい。絶賛フェミニズム勉強中。なくせ全ての分断と差別。ハイボールは私の血液。

記事一覧

ひび割れの日。

ガンダムプラモに感動していたら、娘から着信。 声に悲壮感満載。何事かと思ったら、 「スマホ落として画面がヒビだらけ」 「どうしよう、これ直る?時間かかる?お金もか…

アートとプラモデルの日。

月一の重たい社長会議、終了。 夜は名古屋泊と聞いてたから飲み会の覚悟をしていたけど、諸先輩方が引き受けてくれたので無傷。ありがたし。 でも半端に覚悟していたせいか…

肉を焼く日。

世間様が休む時に働く職業に就いているから、ゴールデンウィークは毎年無縁でいる。 が、今年は2日間だけ休みがあった(連休ではない)。 1日は息子の部屋の大掃除のため…

ポテトチップスの誘惑。

人生を共に歩んできたと言っても過言ではないお菓子がある。 それはポテトチップス。 私の身体についている肉や脂肪の大部分は、ポテトチップスでつくられている。そう断言…

仕事終わらない日。

仕事が終わらない、終わらなすぎて錯乱する。 会社にどんだけいるんだろう、実労時間は日に日にバグっている。 3月は期末且つ慣れない他部署の応援に出ていたこともあり、…

ふたりの卒業式。

3歳差でふたりの子供を授かった時、周りから「卒業と入学が重なってしんどいよ」の声が届けられたものだ。 まだ幼子のふたりを育てていた私は、そんな先のことを不安がって…

昇格手前の日。

先週のこと。仕事に追われる慌ただしい昼下がり。 いつの間に近づいてきたのか、はっと気づくと間隣に部長が立っている。存在を認識したとき、軽く冷や汗をかいたのが分か…

風邪で滅入る日。

いっそ陽性ならすっきり受け入れられたのに、検査結果はどちらも陰性。 「風邪ですね。お薬どうしますか?」 コロナでもインフルエンザでもないとあってか、さっきより先生…

忘却の日。

いる。 『思考の整理学』が。 さっき本屋で買おうとしていた本が、なんと自宅の本棚に存在している。 5秒くらい静止した後で「…まじかよ」と、独りごちた。 40代も半ばに…

掬い上げられた記憶『いつか記憶からこぼれおちるとしても』(江國香織)

物語の端々にひっそり佇む、あの頃の日常。 17歳の女子高校生が書いた日記を読んでいるかのような。 江國さんは好きな年齢にいつでも戻れる術を持っているのだろうか。それ…

お風呂に浸かる日。

お風呂に浸かるとお酒が抜けるってほんとうなんだろうか。 酔っ払った翌朝にお風呂へ入る。と、いつも思い出すのは『のだめカンタービレ』で千秋が「風呂で酒抜いてこよ」…

胸に雨が降る日。

身体はいたって健康だけれど、心の中がぼんやり不調な日がある。 今週のとある日はまさにそれで、これという理由とはなしに胸の中が少し重たい。 信頼して自分の本音を曝…

閉ざされた過去で現在を生きる『ちょうちんそで』(江國香織)

えっ、ここで終わるの? まだ続くと思って頁を捲ったら、解説が出てきて思考が一瞬止まった。 あ。物語はここでおしまいなんだ。 もうすぐ頂上、と言う手前で梯子を外され…

片親の子がグレる、とは限らない話。

父親の顔を知らない。 と言うと、かなりの確率で「あっ…聞いちゃいけないこと聞いた…」という表情に出くわす。 当の本人は何とも思っちゃいない。家庭の話とはそういう…

親業の分担度合。

読書会に参加していたら、急にスマホの着信が。 マナーモードにしていたとはいえ、手首のウェアラブルウォッチが振動することで一気に本の世界から現実に戻される。 慌てて…

活字を浴びる日。

年に数回かかる病がある。 「活字読まないと死ぬ病」とでも言おうか、とにかく本が読みたくて読みたくてたまらない状態に陥る。 今年は年始早々この病が1ヶ月続いた。 1月…

ひび割れの日。

ひび割れの日。

ガンダムプラモに感動していたら、娘から着信。
声に悲壮感満載。何事かと思ったら、
「スマホ落として画面がヒビだらけ」
「どうしよう、これ直る?時間かかる?お金もかかるよね?」
初めての出来事に激しく動揺していて、こっちは反対に笑ってしまった。すまん。
もう日も暮れかけの時間だったけど、調べたら最寄駅に遅くまで営業してる修理屋があったので2人で向かう。
金曜日の駅前は飲み屋に向かう人達でごった返して

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アートとプラモデルの日。

アートとプラモデルの日。

月一の重たい社長会議、終了。
夜は名古屋泊と聞いてたから飲み会の覚悟をしていたけど、諸先輩方が引き受けてくれたので無傷。ありがたし。
でも半端に覚悟していたせいか外飲みしたい気持ちが消えず、仕事後に1人スシローでカウンター飲み。ハイボール×1。ちびちび飲みながら北尾修一さんの本を読む。読み出したら止まらない。日記の中の北尾さんと目の前のアルコールがリンクする。ここに限らず100円系回転寿司はたまに

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肉を焼く日。

肉を焼く日。

世間様が休む時に働く職業に就いているから、ゴールデンウィークは毎年無縁でいる。
が、今年は2日間だけ休みがあった(連休ではない)。

1日は息子の部屋の大掃除のために確保。
勉強机と服を入れるでかい棚が配送される日だったので、大人が2人いないとどうにもならない。
今まで使っていた幼い家具を引きずり出し、届いた机と焦茶色の棚を入れたら急にばしっと大人びた部屋になってたまげる。
どうしても上の娘と比較

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ポテトチップスの誘惑。

ポテトチップスの誘惑。

人生を共に歩んできたと言っても過言ではないお菓子がある。
それはポテトチップス。
私の身体についている肉や脂肪の大部分は、ポテトチップスでつくられている。そう断言できるほどに、長い長い年月をいっしょに過ごしてきた。

初めて口にしたのがカルビーのうすしおだったか、チップスターだったかは定かではないけれど、気づいた時にはスーパーで真っ先にねだるお菓子として上位を独走していた。
日曜日の昼下がりに、塾

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仕事終わらない日。

仕事終わらない日。

仕事が終わらない、終わらなすぎて錯乱する。
会社にどんだけいるんだろう、実労時間は日に日にバグっている。

3月は期末且つ慣れない他部署の応援に出ていたこともあり、毎日緊張で肩がパンパンに張っていた。腰も痛い。

4月もそのまま応援継続と言われていた、ところに、急な人事異動。
私は元の部署に戻ることに。
しかも課長職。
昇格した時の心の叫びは前回書いたのでそちらを参照いただくとして、時は流れ4月が

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ふたりの卒業式。

ふたりの卒業式。

3歳差でふたりの子供を授かった時、周りから「卒業と入学が重なってしんどいよ」の声が届けられたものだ。
まだ幼子のふたりを育てていた私は、そんな先のことを不安がっても仕方ないじゃないか、このタイミングで子供たちに恵まれたんだからそれはそれでいいじゃないか、と漏らしていた。
が、ついにその時はきた。

今月は中学校の卒業式と小学校の卒業式が重なり、来月はダブルで入学式がやってくる。
出費がすごい(主に

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昇格手前の日。

昇格手前の日。

先週のこと。仕事に追われる慌ただしい昼下がり。
いつの間に近づいてきたのか、はっと気づくと間隣に部長が立っている。存在を認識したとき、軽く冷や汗をかいたのが分かった。ひんやり、という言葉がしっくりきすぎる。
なんでしょうか、と問いかけた私に
「手が空いたら会議室まで」
それだけ告げて去る部長。
宣告された瞬間、私の本音は「今すぐどうにかして早退したい」だった、が、逃げ帰ることはもちろん許されない。

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風邪で滅入る日。

風邪で滅入る日。

いっそ陽性ならすっきり受け入れられたのに、検査結果はどちらも陰性。
「風邪ですね。お薬どうしますか?」
コロナでもインフルエンザでもないとあってか、さっきより先生の声も冷たく感じる。
どうしますかって、そりゃあ欲しいよ、お薬。
そう言いたいのをぐっと堪えて「喉と鼻水の薬と、鎮痛剤をください」と返した。

長々と不調が続いている。
あともう少し、ほんの少しで完治しそう、と思いながらティッシュとのど飴

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忘却の日。

忘却の日。

いる。
『思考の整理学』が。
さっき本屋で買おうとしていた本が、なんと自宅の本棚に存在している。
5秒くらい静止した後で「…まじかよ」と、独りごちた。

40代も半ばになろうとしている。
日々、唖然とするほど、記憶が抜け落ちる。
会社で「あっそうだ、」と立ち上がった瞬間に「…何しようとしたんだっけ?」と動作が固まる。
「あれやらなきゃ、」とパソコンを開いた瞬間に「えっ、なにするんだっけ」と自分へ問

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掬い上げられた記憶『いつか記憶からこぼれおちるとしても』(江國香織)

掬い上げられた記憶『いつか記憶からこぼれおちるとしても』(江國香織)

物語の端々にひっそり佇む、あの頃の日常。
17歳の女子高校生が書いた日記を読んでいるかのような。
江國さんは好きな年齢にいつでも戻れる術を持っているのだろうか。それとも記憶力が私より遥かに遥かに優れているのかもしれない。

父親といる妙な居心地の悪さや、母親からの誘いにはしゃいでみせる気の遣い方。
傘がなくなるだけで大事件になる教室。
今とは全く異なるものの見方をしていた。大切に思うもの、優先する

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お風呂に浸かる日。

お風呂に浸かる日。

お風呂に浸かるとお酒が抜けるってほんとうなんだろうか。
酔っ払った翌朝にお風呂へ入る。と、いつも思い出すのは『のだめカンタービレ』で千秋が「風呂で酒抜いてこよ」というシーン。なんてことない場面だけれど、お風呂の湯気に混じってアルコールが飛んでいくのを千秋先輩と共に浮かべる。
本気の二日酔いでは湯船に入るだけでも決死の覚悟になる。
今回はさして飲んでいない。だから回復も早い。

「もう少し気を遣って

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胸に雨が降る日。

胸に雨が降る日。

身体はいたって健康だけれど、心の中がぼんやり不調な日がある。
今週のとある日はまさにそれで、これという理由とはなしに胸の中が少し重たい。

信頼して自分の本音を曝け出していた人から「もう少し気を遣ってほしい」と諭されたこと。
家の中に大の苦手としている虫が入ってきて、気が気じゃなかったこと。
娘の受験が近づいてきて、本人よりも親の方が緊張していること。
義父の他界後の費用を義弟と折半しないといけな

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閉ざされた過去で現在を生きる『ちょうちんそで』(江國香織)

閉ざされた過去で現在を生きる『ちょうちんそで』(江國香織)

えっ、ここで終わるの?
まだ続くと思って頁を捲ったら、解説が出てきて思考が一瞬止まった。
あ。物語はここでおしまいなんだ。
もうすぐ頂上、と言う手前で梯子を外されたような感覚。
それがこの本のはじめの感想だ。

雛子と絵里子が出会うところまで描かれると思い込んでいたから、こんなに驚いたんだな、と推察する。

なんの関連もないと思わせて、だんだん結びついていく登場人物たちの描写はあまりに見事。ちゃん

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片親の子がグレる、とは限らない話。

片親の子がグレる、とは限らない話。

父親の顔を知らない。

と言うと、かなりの確率で「あっ…聞いちゃいけないこと聞いた…」という表情に出くわす。
当の本人は何とも思っちゃいない。家庭の話とはそういうものだ。
本人はもうその状況に慣れて、というよりそれが当たり前で生きている。
だから、そんな「しまった」みたいな顔をされると、こっちの方が「ああしまった、言わなきゃよかった」などと感じてしまう。しまったの応酬。

片親、幼少の頃は祖父母に

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親業の分担度合。

親業の分担度合。

読書会に参加していたら、急にスマホの着信が。
マナーモードにしていたとはいえ、手首のウェアラブルウォッチが振動することで一気に本の世界から現実に戻される。
慌てて画面を確認すると、子どもたちが通う塾。
何か重要な話かと思い、静かな空間の隅っこに移動して「もしもし…」と小声で出てみる。
相手は塾の校長だった。
「明日の漢字検定、お子さん遅れないようにお越しください〜」
………え、それだけ?

母親業

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活字を浴びる日。

活字を浴びる日。

年に数回かかる病がある。
「活字読まないと死ぬ病」とでも言おうか、とにかく本が読みたくて読みたくてたまらない状態に陥る。

今年は年始早々この病が1ヶ月続いた。
1月に読んだ本は17冊。
これは過去の私対比で相当多い冊数。
1冊しか読まない月もある中で、この数字はかなりの快挙だろう。

ジャンルもバラバラで、小説から子供向けの教育本、エッセイや日記、ZINEに絵本、自己啓発本から難民問題まで幅は広

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