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「記憶の花」藤原更(ヤマザキマザック美術館)

写真展というより、アートの展示と呼ぶ方がしっくりくる。
展示されている作品数はそこまで多くなかったけれど、展示空間の中は色彩のエネルギーに満ちていて「これはすごい…」と思わず声に出てしまった。

会期まだまだあるとのんびりしていたら、6/30で終わりと気づき慌てて訪問。
久々のヤマザキマザック美術館。
地下鉄新栄町駅から直結なのが嬉しい。
長いエスカレーターをのぼり、そのまま建物の中へ。
豊田市美術館や古川美術館などの年パスを提示するとチケットを割引価格で購入できるのもありがたい。ここの年パスも興味があるけど、これ以上増やしても通い切れるか自信がない…。

展覧会の入り口

キャプションやホームページの文章には、ありのままを収める写真ではなく、記憶を差し込む作品と書かれている。
記憶の可視化をする作品。
花を見た時の感動や思いを乗せるために、撮影された写真を絵画のように表現しているんだと解釈。
実際に撮影してからすぐに作品化するのではなく、あえて間を空けてから作業されるのだそう。

入ってすぐの空間は序章というか、少しおとなしい印象の作品群。
それでも既に「単なる花の写真」とはまるで異なることに目を引かれる。

角を曲がってメインの空間へ入った瞬間、一気に藤原さんの世界に飛び込む。

巨大インスタレーションとも呼べるこの布、手を触れなければ布と布の間を通り抜けていいらしい(布が揺れそうで怖くて、私はおそるおそる近づくだけで精一杯だったけど)。

その周囲を囲むように展示される花々。
赤を基調にした芥子の花、花弁を大きく見せる薔薇の花。
圧倒。
たまたま他に鑑賞する人がいなかったので、1人でこの空間を満喫できたのも幸運。
しばらく中央のソファに腰掛けて空気を吸い込むように眺める。
贅沢な時間だった。
これは生で観られてよかった。きっと写真で観るだけでも綺麗だろうけど、この美術館の空間で記憶の色たちに囲まれる体験、ぜひ多くの方にしてほしい。

ところでヤマザキマザック美術館といえば常設作品も美しい。

ガレやドームの作品、いつも観るのが楽しみ。 
常設作品には絵画や彫刻も。

一番好きな常設作品は「紫陽花とカラー」なのだけど、この作品は撮影不可。
ぜひ一度実物を観てほしい。

他にもテーブルセットやシャンデリアもおすすめ。
昔のオルゴールの演奏も毎日14時から行われていて、これもおすすめ。

Photograph 記憶の花 藤原更 Sarah Fujiwara
2024年04月26日(金)から2024年06月30日(日)
ヤマザキマザック美術館
[住所] 〒461-0004 愛知県名古屋市東区葵1-19-30
[電話番号]052-937-3737
[交通機関]名古屋市営地下鉄東山線「新栄町」駅(1番出口)直結
[駐車場]アートプラザ内東側の有料駐車場をご利用ください。
※30分200円
※展覧会ご鑑賞の方に駐車料金30分無料サービス有→駐車券を美術館受付でご提示ください。

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