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教育のはなし。

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海外のインターナショナルスクールに通うという選択について

海外のインターナショナルスクールに通うという選択について

今回は海外で生活している日本人の子どもの日本語学習について、自分の考えていることをまとめてみました。

私見や実体験に基づいた内容なので、あくまで一個人の考えとして参考にしていただけたらうれしいです。「海外在住」と書きましたが、主に今まで自分が生活圏としてきた「東南アジア」の話が中心となります。

その中でも、特に話の軸となっているのは、インターナショナルスクールについてです。最近は「親子留学」や

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「30分前」は前なのに、なぜ過去を表すのか?

「30分前」は前なのに、なぜ過去を表すのか?

算数を教えていると、各学年で「難所」となる難しい単元がいくつかます。

その中でも小学2年生で習う「時こくと時間」の単元は、あまりこのような形で取り上げられることがないが、かなり難しい単元だと思います。

それは、子ども達にとってもそうだし、指導者としてもです。

時間に関する学習は、小学1年生のときに「なん時」「なん時半」を勉強しています。

小学2年生の「時こくと時間」では、分刻みの時計の読み

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塾講師は誰でもできる仕事?

塾講師は誰でもできる仕事?

「塾講師」という言葉を聞いて、皆さんはどんなことをイメージするでしょうか?

もしかすると「学生のアルバイト」を連想される方もいらっしゃるかもしれませんね。実際わたしも学生の頃に1年間だけ個別指導塾でアルバイトをしていた経験があります。家庭教師派遣サービスに登録している友人もいました。

学生にとっては割と身近なアルバイトの選択肢の一つではないでしょうか。個人差もありますが、人によっては自分の「得

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「数学」で求められる、正しく読む力

「数学」で求められる、正しく読む力

わたしは日頃、主に「国語」を教える仕事をしているのですが、昨日久しぶりに数学の問題を解いてみました。

とある高校入試の問題です。

解いてみて改めて思ったのは、「数学の問題を解くのにも、読解力が求められるな」ということ。

もちろん単純な計算問題は別として、問題文を「正しく読む力」がないと、状況を理解して式を立てることすらできません。

国語と数学、それぞれ「別物」のように扱われることが多いです

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幼児教育から考える、グループ授業の意義

幼児教育から考える、グループ授業の意義

わたしたちは二人とも「教育」に関する仕事をしてきましたが、専門分野はバラバラです。

夫は数学などの理数系をメインで指導していますが、わたしは「国語」を主に教えています。今はフリーランスという形態で働いていますが、正社員として勤めていた頃は幼児教育も担当していました。

幼児教育を学び始めた当初は「え?幼児教育?お受験対策のこと……?」というごく限定的なイメージしか持っていませんでしたが、今は自身

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漫画は国語の教材になる?

漫画は国語の教材になる?

ちょっと昔なら「漫画ばかり読んでないで、本でも読みなさい!」なんて言われたかもしれませんが、今や漫画は日本が世界に誇る文化として広く親しまれています。

漫画のジャンルや扱うテーマも多岐にわたっていて、「単なる娯楽」の枠にはもはやとどまりません。

大きな感動や学びを与えてくれる、素晴らしい作品が世の中にはたくさんありますよね。

わたし自身、本を読むこともありますが、漫画も大好きです。

読む冊

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文章題を解くのが好き

文章題を解くのが好き

「趣味」というほどのモノではありませんが、実は国語の文章題を解くのが好きです。

わたしは主に国語を教える仕事をしているため、問題を解くことは「業務」の一部でもあるのですが、仕事抜きにしても解くことを楽しんでいる節があります。

国語が嫌いな人からすれば、「問題を解くのが好きだなんて……」とドン引かれるかもしれませんが笑、解き終えた後は清々しい気持ちになれるのでオススメです。

好きな理由の一つは

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#私の学び直し

#私の学び直し

私、専門は数学なので、学生時代から振り返って、数学関連の書籍はそこそこ読んできた方だと思います。

がっつり数式の入った教科書や専門書はもちろんですが、一般向けの数学書も好きでした。ちょっとした数学雑学だったり、数学史を扱ったものです。

数学の先生をやっていると、まれに生徒から「〇〇って知ってる?」と、教科書にはないような数学雑学の質問がきます。

昨年はNHKで「笑わない数学」という番組があり

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幼少期にできあがった「英語嫌い」を克服できたターニングポイント

幼少期にできあがった「英語嫌い」を克服できたターニングポイント

今でこそ海外での生活が10年を超え、周囲で日本語以外が飛び交う環境が「日常」になりましたが、子どもの頃は英語の勉強がとにかく嫌いでした。

わたし自身は日本生まれ日本育ち。両親や親戚もみんな「日本人」で、海外との関わりはほぼゼロでした。

ところが、割と教育熱心な家庭だったこともあり、2歳になる頃には習い事をスタート。自分ではまったく覚えていませんが、2歳ごろから週に何度か英語の教室に通っていたそ

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国語の文章題はたくさん解いた方が良い?

国語の文章題はたくさん解いた方が良い?

もう少しすると、日本の学校では夏休みが始まりますね。

受験を迎える生徒にとっては、一つの山場になるのではないでしょうか。また、いわゆる受験生ではなくとも、夏休みはじっくり学習に取り組むチャンスでもあります。

夏休みならではの経験をしたり、自分の好きなことに集中して取り組んだりしつつ、うまくバランスを取りながら「学び」に時間を当てられると良いですよね。

さて、この時期になると国語の学習の進め方

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オンライン読書会をはじめました。

オンライン読書会をはじめました。

以前noteで、「オンライン読書会ができたらいいなぁ」という記事を書きました。

どうやって仕組みを作ろうか試行錯誤していたのですが、今週末からようやく始めたいと思います!

直近だと、【7月16日(日)19時*日本時間】の開催です。基本的に週末限定で実施を考えています。

こちらの講座は、単に本を読むだけでなく、お互いに内容や感想をシェアすることで、読書体験をより深めていくことを目的としています

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大人のための「国語」の学び直し

大人のための「国語」の学び直し

わたしの仕事は、いわゆる「国語の先生」です。

この10年ほどは子どもを対象に教えてきましたが、1年半ほど前から大人の方を対象にしたレッスンも行っています。

きっかけは、とある知り合いの方から「大人向けに国語のレッスンをしてもらえませんか?」と問い合わせをいただいたことでした。

詳しくお話を聞いてみると、「英語の学習をしているのだけど、ディスカッションがどうにも上手くいかない。どうやって文章を

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「読書感想文」という宿題が手強い理由

「読書感想文」という宿題が手強い理由

気づけばもう2023年も7月になってしまいました。
すっかりカレンダーと縁遠い仕事スタイルになってしまいましたが、もう数週間経てば「夏休み」ですね。

多くの学校で、夏休みに「宿題」は付きものですが、その中でも特に手強い存在が「読書感想文」ではないでしょうか。手強い、どころか「厄介だなぁ」「面倒だなぁ」と煙たがられていることもあるかも……笑

今まで接してきた子たちの中にも、「読書感想文」を苦手と

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「個性」の前に「型」を身につける

「個性」の前に「型」を身につける

もしも突然目の前に真っ白な画用紙を渡されて「自由に絵を描いてください」と言われたらどうしますか?

喜んで筆を走らせる人もいるかもしれませんが、一方で「何を描いたら良いのかわからない」と途方に暮れてしまう人もいるのではないでしょうか。

何となく描きたいイメージはあっても、実際に表現することができなくて困ってしまうこともあるかもしれませんね。

実は「文章」もこれと似たようなモノだと思っています。

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