記事一覧

推しがいるだけで救われる程度の命

 久々に些細な出来事に怒り狂っている。いやそれまで怒りを感じなかったというわけではなくて、表に出ることが少なかっただけだが(私の沸点そのものはかなり低い)。そし…

.破戒僧
3週間前
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後藤ひとりになれなかった私たちは

陰キャならロックをやれ  およそ6年ぶりに、1クール12話のアニメを完走した。「ぼっち・ざ・ろっく!」である。母親がアマプラに加入しているので、共有しているそのアカ…

.破戒僧
1か月前
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もう戻らない秘密基地

 1学期が終わった。初めて社会人として過ごした数か月は、今まで以上に自分の能力の低さが目立つ毎日ばかりで、それなりにしんどかった(とはいえ、もともと大して自信が…

.破戒僧
1年前
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公立学校現場というディストピア

 来る3月下旬、私の元にあるレターパックが届いた。差出元は教育委員会。ということは中身はつまり──教員免許状である。  これで晴れて有資格者の仲間入りだ。とはいっ…

.破戒僧
1年前
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反出生主義者、児童館にて

   反出生主義者なのに児童館の学童保育で働いています。  読んで字の如くです。ただ、別に奇を衒いたいわけではありません。  とりあえず、子供を作るという行為に…

.破戒僧
1年前
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おわりにそえて

.破戒僧
2年前
3

続・「選択的孤独」

 引用こそしたが、私は別に浅野いにおを履修しているわけではないし、映画「ソラニン」も見たことがない。強いて言うなら10年代初期までのアジカンの曲がいくらか好きな程…

.破戒僧
2年前
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絶望の彼方──「選択的孤独」という救済

 最近は何かしら記事を書こうとするとだいたいこんな時間(現在午前4時台である。追記:書き終わったら9時半を過ぎていた)になっている。8時間とか寝続けられたのは、いっ…

.破戒僧
3年前
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哲学科にいるだけの哲学科生

 別に哲学が好きなわけでもないのに哲学科にいる。否、そう言い切ってしまうと少し語弊があるかもしれない。決して哲学に全く興味がないわけではないのだ。  読者諸兄は…

.破戒僧
3年前
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「性別:その他」を生きるということ

 昨今、就活用のwebサイトやエントリーシートの性別欄にも「その他」が追加されているらしい。私は学部卒で就職する気はないのだけれど、物見遊山程度にその手のサービス…

.破戒僧
3年前
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短歌まとめ(2017〜)

泡立った炭酸を飲み君は言う熱さだけでは恋はできぬと 触れたなら火傷しそうな空洞に降り込んだのは融けかけの雪 底のない宗教にまた溺れては「鬱陶しい」の刃が刺さる …

.破戒僧
3年前
5

精神障害者手帳持ち大学生が介護等体験に行った話

 記事を投稿するたびに口調が「だ・である」調と「です・ます」調を行ったり来たりして統一されていないことにはご容赦願いたい。2021年2つめの投稿になる。  2020年11…

.破戒僧
3年前
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進学校の「罠」

 昨今、(とはいえ僕が高校生の時には既に存在していたが)「自称進学校」という言葉をあちこちで見かけるようになった。定義としては、「入学偏差値が50より上~70に届か…

.破戒僧
4年前
12

だから僕は音楽を辞める

 某楽曲タイトルのオマージュである。今更言うまでもない。  突然だが、音楽からほぼ完全に身を引こうという気になった。  ところで、僕のことをあまり知らない各位の…

.破戒僧
4年前
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障害者手帳を取得した

 2019年11月某日。僕は地元の市役所の障害者福祉課にいた。  2ヶ月前に交付の申請をした精神障害者保健福祉手帳が届いたとの連絡があり、それを受け取りに行ったのであ…

.破戒僧
4年前
8
推しがいるだけで救われる程度の命

推しがいるだけで救われる程度の命

 久々に些細な出来事に怒り狂っている。いやそれまで怒りを感じなかったというわけではなくて、表に出ることが少なかっただけだが(私の沸点そのものはかなり低い)。そして些細でないことには怒りを発露することもなくもはや諦観ですべてやり過ごしている。ちなみに煙草を吸う本数にそこまで変化はない。嬉しい時も悲しい時もムカつくときもバカスカ吸いまくってるからね。

 推しという概念がよくわからない。当然だが辞書的

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後藤ひとりになれなかった私たちは

後藤ひとりになれなかった私たちは

陰キャならロックをやれ

 およそ6年ぶりに、1クール12話のアニメを完走した。「ぼっち・ざ・ろっく!」である。母親がアマプラに加入しているので、共有しているそのアカウントを使ってプライムビデオで配信されている分を一気見したのだ。放送期間内に視聴すれば3か月だが、所詮は30分×12話だからぶっ続けで見ても6時間である。ましてサブスクで見るのであれば途中でCMが挟まれることもない。
 結果から言えば

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もう戻らない秘密基地

 1学期が終わった。初めて社会人として過ごした数か月は、今まで以上に自分の能力の低さが目立つ毎日ばかりで、それなりにしんどかった(とはいえ、もともと大して自信があるわけでもない)。まあ、端的に言うとこれから40年学校教員は厳しい。授業外で費やす労力が多すぎる。
 ただ、1年と少し前までの自分と今を比べてみれば、随分とマシになったものだともまた思うのだ。当時の私は今のように、住んでいる部屋の家賃を自

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公立学校現場というディストピア

 来る3月下旬、私の元にあるレターパックが届いた。差出元は教育委員会。ということは中身はつまり──教員免許状である。
 これで晴れて有資格者の仲間入りだ。とはいってもそんなに価値のあるものでもない。別に難関の筆記試験を突破したりしなくても、少し無理をして時間割を詰め込み、講義の単位を取って実習を完遂すれば誰でも手に入る資格である(そもそも、私にできる程度の努力は努力ではない)。言い方は悪いが、かな

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反出生主義者、児童館にて

 

 反出生主義者なのに児童館の学童保育で働いています。

 読んで字の如くです。ただ、別に奇を衒いたいわけではありません。

 とりあえず、子供を作るという行為についての私の価値観を話します。まず、私が反出生主義者であると自称すること、これについてはその理由ははっきりしています。この世に産み落とされるその瞬間、そこには子供本人の意思が介在せず(というか、できない)、その点においては親のエゴであ

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続・「選択的孤独」

 引用こそしたが、私は別に浅野いにおを履修しているわけではないし、映画「ソラニン」も見たことがない。強いて言うなら10年代初期までのアジカンの曲がいくらか好きな程度である。しかしながらなぜこの一節を引っ張ってきたのかといえば、この歌詞が私の現在の生活と、それなりにリンクしているからだ。

 ソラニンという曲自体はずいぶん前から好きで、カラオケでのレパートリーにも入っているし、このフレーズを口ずさん

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絶望の彼方──「選択的孤独」という救済

 最近は何かしら記事を書こうとするとだいたいこんな時間(現在午前4時台である。追記:書き終わったら9時半を過ぎていた)になっている。8時間とか寝続けられたのは、いったい何年前のことだろうか。

 3つの試験と12個のレポートを終え、ようやく学部生として最後の夏休み──4年で卒業できればの話だが──が幕を開けた。ちなみに、同期生たちのほとんどは就活なり院試なりを終えて進路が決まり、悠々自適に過ごして

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哲学科にいるだけの哲学科生

 別に哲学が好きなわけでもないのに哲学科にいる。否、そう言い切ってしまうと少し語弊があるかもしれない。決して哲学に全く興味がないわけではないのだ。

 読者諸兄は私が某私大付属校から内部推薦で大学へ進学したことはおそらくご存じだと思う。私はもともと心理学系の学部学科への推薦を希望していたが、叶わず第2志望で哲学科に入学した。高校の倫理の授業で哲学に関心を抱いたこと自体は紛れもない事実である。しかし

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「性別:その他」を生きるということ

 昨今、就活用のwebサイトやエントリーシートの性別欄にも「その他」が追加されているらしい。私は学部卒で就職する気はないのだけれど、物見遊山程度にその手のサービスには登録しているので確認してみたところ、確かに性別欄に「その他」のチェックボックスがあったので嬉々として私はそれをクリックした。一言申し添えておくと、私の性自認に身体が一致していれば男女どちらかのみの性別欄でも問題がなかったことは言ってお

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短歌まとめ(2017〜)

泡立った炭酸を飲み君は言う熱さだけでは恋はできぬと

触れたなら火傷しそうな空洞に降り込んだのは融けかけの雪

底のない宗教にまた溺れては「鬱陶しい」の刃が刺さる

「ファッション」と人を突き刺すそのナイフ握った柄も我刺す刃

ぼさぼさの髪も梳かずに家を出る「90分はきみの隣で」

くくるにはまだ長くない後ろ髪夢ではきみが指を絡める

会えぬ夜きみの笑顔を浮かべては声を殺して枕を濡らす

目も視え

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精神障害者手帳持ち大学生が介護等体験に行った話

 記事を投稿するたびに口調が「だ・である」調と「です・ます」調を行ったり来たりして統一されていないことにはご容赦願いたい。2021年2つめの投稿になる。

 2020年11月某日。私は京都市内のある特別支援学校にいた。

 教職課程を履修している大学生なら多くが通る道──そう、介護等体験である。

 ところで、介護等体験について知らない方のために、その概要を述べておく必要がある。原則として体験は特

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進学校の「罠」

 昨今、(とはいえ僕が高校生の時には既に存在していたが)「自称進学校」という言葉をあちこちで見かけるようになった。定義としては、「入学偏差値が50より上~70に届かないぐらいで、『進学校』を自称しており補習や大量の課題を組み込んだカリキュラムを編成しているが、それに対して進学実績が見合っていない高校」といった感じらしい。僕は2つの高校に通って(1校目は1年で中退、再受験で2校目に入学して卒業、計4

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だから僕は音楽を辞める

 某楽曲タイトルのオマージュである。今更言うまでもない。

 突然だが、音楽からほぼ完全に身を引こうという気になった。

 ところで、僕のことをあまり知らない各位のために、僕がたどった音楽遍歴を記さねばなるまい。

 父親が輸入音楽雑誌を販売する自営業で趣味がギター、母親が元幼稚園教諭でピアノの心得があり、さらに従兄二人がピアノとバイオリンをやっている影響で、僕自身も中学生のころにドラムを始めるこ

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障害者手帳を取得した

 2019年11月某日。僕は地元の市役所の障害者福祉課にいた。

 2ヶ月前に交付の申請をした精神障害者保健福祉手帳が届いたとの連絡があり、それを受け取りに行ったのである。

 現物がこちら。

 自治体公認ガイジの誕生である。 等級は予想していた通り3級だった。1~3級に分かれていてその中では一番軽く、受けられるサービスは目を見張るほど多いわけではないのだが、それでも金銭面ではかなり有益である。

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