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#小説

1000文字小説 玉子焼き戦争

1000文字小説 玉子焼き戦争

ごく一般的な家庭である山田家で巻き起こった戦争は些細なことから始まったのだった。食卓を囲んでいた夕飯時のこと、一家の主であるヒロシが昂然と言い放った一言に一同唖然とした。
「だいたいお前が作る玉子焼きは甘過ぎるんだ。やっぱり玉子焼きは、だし巻き玉子に限る」
お前とはヒロシの妻サチコである。ヒロシとサチコは同居20年。苦楽を共にしてきた、いわば戦友のような仲であった、はずだった。20年目にして今更

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【電子出版なら1時間でできる?!】自分の作品をほぼノーリスクで販売する方法(2017年7月号特集)

【電子出版なら1時間でできる?!】自分の作品をほぼノーリスクで販売する方法(2017年7月号特集)


市場規模は小さいが電子出版は増加傾向 2016年の出版の市場規模は1兆6618億円で、うち、紙の出版市場は1兆4709億円、電子出版市場は1909億円。
 市場規模ではまだまだ紙のほうが優位だが、出版全体の市場規模が0.6%減だったのに対して、紙の市場規模は3.4%減で、電子出版が出版市場の減少を食い止める結果となった。

 この電子出版は、電子書籍、電子雑誌、電子コミックに分けられ、このうちの

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ショートショート『ボディガード』共作

ショートショート『ボディガード』共作

ひょんなことから山中氏は、巨額の富を手に入れた。豪邸か、外車か、それとも絶世の美女か、と胸をふくらませたが、そんな派手なことをしたら金があるのがバレてしまい悪い奴らに狙われるのでは、と心配性の山中氏は恐れおののいた。考えたすえ、まずはボディガードを雇おうと思い至り、早速手配した。

「私がついている限り、なんの心配もございません」

ボディガードはたくましい胸板を誇張してみせた。なるほど、確かに強

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5月は、うさまろと散歩

5月は、うさまろと散歩

5月は、うさまろと散歩

青空は
天宮から降り注ぐ恵みだね

心地良い風が今日を包む

爽やかな気分な五月の日々
花々が愉快に、新緑は跳ねる
鳥の声が耳へ軽快に響き
この瞬間を丁寧に進む

薫風によって心は開放され
五月晴れは「どうにかなる」望みを与える

美しい季節を共に楽しもう

心地良い言葉がひらめき
幸福感を胸に、うさまろは歩み続ける

【「組み合わせ」がキーワード】斬新とリアリティーの両立を意識しよう(2012年11月号特集)

【「組み合わせ」がキーワード】斬新とリアリティーの両立を意識しよう(2012年11月号特集)


組み合わせの妙 「興味がわく。好奇心がかきたてられる」ものには、必ずどこかに「新しさ」があります。

 たとえば、今年の本屋大賞にランクインした小説を見ると、三浦しをんの『舟を編む』は辞書編纂の編集者が『大渡海』という辞書を完成させるまでの話。三上延の『ビブリア古書堂の事件手帖』は鎌倉の古本屋の店主、栞子さんが古本を巡る謎を鮮やかに解いていくミステリー。
 辞書も古書店もそれ自体は驚くようなもの

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【小説で「億」を稼ぐには?】賞金・印税・原稿料の気になるハナシ

【小説で「億」を稼ぐには?】賞金・印税・原稿料の気になるハナシ


 文学賞の受賞作は、主催者の媒体に掲載されたり、単行本化されたりする。
 その際の原稿料や印税は? 応募要項を見ると賞金については明記されているが、原稿料や印税については記載がないほうが多い。
 そこで、印税や原稿料は賞金に含まれるのかどうかを調べてみた。

億を稼ぎたいのなら印税契約 季刊公募ガイド春号の取材で松岡圭祐さんとお会いしたとき、「小説家になって億を稼ぎたいのなら、印税契約をしてくれ

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【テンプレを使って小説を完成させる】小説投稿サイトで物語を一本書き上げる方法(公募ガイド2017年8月号特集)

【テンプレを使って小説を完成させる】小説投稿サイトで物語を一本書き上げる方法(公募ガイド2017年8月号特集)


小説投稿サイトで書くメリット読んでもらえるので書く気になる

テンプレを使えば書きやすい

同好の仲間がいるので刺激になる

小説投稿サイトはWEB版の同人誌 『戦国自衛隊』の半村良は「作家は読者のなれの果て」と言ったが、小説家は読者の中から出てくる。
 飽きるほど小説を読み、次はこんな小説が読みたいと思いながら、それがなかなか現れないので、それではと自分で書き出す。

 それで書き出して書きあ

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【「刺さる」本には理由がある】刺さる書籍4選とその理由(2017年4月号特集)

【「刺さる」本には理由がある】刺さる書籍4選とその理由(2017年4月号特集)


いま、この本が「刺さっている」4選『九十歳。何がめでたい』佐藤愛子著

 動作音が静かで接近に気づけない自転車、よくわからないスマホなど、九十歳には理解できないものにイチャモンをつける。言いたいことを言ってとにかく痛快。モヤモヤしながら生きているすべての人に刺さり、スカッとさせてくれる。

『みかづき』森絵都著・集英社

「学校教育が太陽だとしたら、塾は月のような存在になると思う」
昭和三十六年

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