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センチメンタルですがなにか~大杉栄の監獄体験――「サボる哲学 リターンズ!」#1 栗原康

センチメンタルですがなにか~大杉栄の監獄体験――「サボる哲学 リターンズ!」#1 栗原康

我々はなぜ心身を消耗させながら、やりたくない仕事、クソどうでもいい仕事をし、生きるためのカネを稼ぐのか? 当たり前だと思わされてきた労働の未来から、どうすれば身体をズラせるか? 気鋭のアナキスト文人・栗原康さんの『サボる哲学』(NHK出版新書)がWEB連載としてカムバック。万国の大人たちよ、駄々をこねろ!

社会の歯車から解放されました

 こんにちは。ごぶさたしております。みなさま、お元気でしょ

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麦わら海賊団で一番言語習得が苦手なのはゾロだと思う

麦わら海賊団で一番言語習得が苦手なのはゾロだと思う

以下の文章は、とあるビジネス系メディアの方から、仕事について何か書いてくださいとご依頼をいただき執筆したものです。しかし、なんか書いてたら変な方向に筆が乗ってしまい、「ちょっと……これは…違いますね」ということになり、自分でも、薄々「これは流石に違うだろうな」と思ってはいたので潔くボツにし、noteで発表することにしました。

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外資系企業で約6年働いたにも関わらず

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私の書評一覧

私は,研究活動の一環として書評というものを重視しています。それには,私が尊敬している地理学者である,竹内啓一さんが多くの書評を書いていたことからも影響を受けています。
研究者は自分の専門分野以外の書籍を読むことも多いですが,時折,他分野なのによっぽど地理学的だと思う本に出会うことがあり,そういうものは地理学者に紹介したいと思う。また,お仲間である地理学者が書いた本は単に称賛するのではなく,内部から

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私の論文一覧

私は人文地理学という分野で研究活動をしています。なかなか書籍という形での研究成果の発信ができていないのですが,大学院時代からコツコツと論文は書き続けています。どの論文にも愛着があり,もう30年前のものもありますが,今読んでも面白いものが多いと自負しています。
幸い,ほとんどのものがウェブを通じて入手できるようになっているので,読んでみてください。リンク先の表記が英文になっているものが多いですが,ほ

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「高円寺に住みませんか?」風呂なしアパート住みの女子が高円寺愛を語る。

「高円寺に住みませんか?」風呂なしアパート住みの女子が高円寺愛を語る。

早いもので2021年も3月を迎え、この春から進学や就職で引っ越しを考える人も多いのではないでしょうか。一口に東京といっても、場所によってその街がもたらす雰囲気は全く異なるもの。今回の記事では、「小杉湯となり」で働きながら、高円寺の「風呂なしアパート」に住む2人の女性スタッフに、その暮らしぶりや高円寺の住み心地を聞いてみました。更に、2人が暮らす風呂なし部屋に初潜入!街に開いた彼女たちの暮らしに迫り

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連載 シン・アナキズム 「ねこと森政稔」第1回

連載 シン・アナキズム 「ねこと森政稔」第1回

政治思想史家の重田園江さんによる好評連載「アナキスト思想家列伝」第8回! あらためて注目が集まっているアナキズム思想の現代的可能性をビシバシと伝えていく連載です。今回は3人目として日本の現役の思想家を取り上げる待望の回「ねこと森政稔」の前半です!
※これまでの各シリーズは下記よりお読みいただけます。
 「序 私はいかにして心配するのをやめ、アナキストについて書くことにしたか」へ
 「ジェイン・ジェ

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シン・アナキズム――連載「アナキスト思想家列伝」by ディオゲネ子(重田園江)

シン・アナキズム――連載「アナキスト思想家列伝」by ディオゲネ子(重田園江)

 デイヴィッド・グレーバーの著作をはじめ、いまあらためて注目されているアナキズム思想について、その繊細さと多様性を保持しながら魅力を伝えていく「列伝」形式の連載。今回は1人目「ジェイン・ジェイコブズ」の第3回、完結編です。※前回「ジェイン・ジェイコブズ2」を読む方はこちらです。

ジェイン・ジェイコブズ3タワマン、宮下公園、オリンピック

 すっかり長くなってしまって、正月返上で(長い原稿を一気に

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森元斎さん(アナキズム研究、哲学者)インタビュー・7

森元斎さん(アナキズム研究、哲学者)インタビュー・7

哲学とアナキズムの応答が世界中にある

杉本 ところで森さんはご自分としてはアナキストと自己定義されてるんですか。

森 どうなんでしょうね。人によってはアナキストと言うときもあるし、まあそうじゃないと言われたらそれまでなんで、そうじゃないと言うしかないし。

杉本 僕は「そうじゃないだろう」と言える立場じゃないんですけど。アナキストですか?といわれたら「そうです」とやっぱり答えます?

森 そう

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森元斎さん(アナキズム研究、哲学者)インタビュー・6

森元斎さん(アナキズム研究、哲学者)インタビュー・6

             学費が学生を縛っている

杉本 入ってから勉強しないとしてもと言いつつ、僕らの頃より圧倒的にしてるはずなんですよね。聞いたらものすごいみんなやってるみたいなんで。母校で平日構内人が歩いてないんですから。「え~?」みたいな。休み時間しか休んでません、みたいな話を聞きますのでね。びっくりですよ。高校ですか?みたいな。僕の知ってる大学じゃないんですけど、みたいな感じです。

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森元斎さん(アナキズム研究、哲学者)インタビュー・5

森元斎さん(アナキズム研究、哲学者)インタビュー・5

             玉石混合で面白い19世紀

杉本 いまの話を聞いてると、余談ですみません。フォイエルバッハも過渡的にはなかなか良いこと言っているような。

森 まあ面白いことを言ってます。だからその時代というのは本当に玉石混淆というか、いろんなものが出てきた。フランスだと「スピリチュアリズム」という流れもあったりしたし。そのスピリチュアリズムの中でも最も神さま寄りの人もいれば、カトリック

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森元斎さん(アナキズム研究、哲学者)インタビュー・4

森元斎さん(アナキズム研究、哲学者)インタビュー・4

アナキズムの実践はさまざま

杉本 で、折角ですよね。19世紀のアナキスト偉人の話がいまのところでてきていないんですけど(笑)。

森 ああ~。すみません、申し訳ない(笑)。

杉本 いえいえ(笑)。そういうわけではないんです。でも、この本の「はじめに」に対する「終わりに」がけっこう長いところで、いま語ってくださっていることはこの部分と

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森元斎さん(アナキズム研究、哲学者)インタビュー・3

森元斎さん(アナキズム研究、哲学者)インタビュー・3

それぞれの、「唯一者」的な生き方

森 (笑)全然いいです。だから何か国の制度使わないとか、かたくなになる必要はなくて。別に使えるものは使ったらいいと思うし、もっと言ったら別に安倍に反対している連中がみんな国家的な機能とか全部使ったらいけないのかとかそんなわけないですよね?

杉本 でもね。僕はバカでしたから思ってましたね。共

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森元斎さん(アナキズム研究、哲学者)インタビュー・2

森元斎さん(アナキズム研究、哲学者)インタビュー・2

政治という位相と付き合う脚力

杉本 そうですよね。いやそうなんですよ。まあ問題意識として歴史の中ではそういう流れに対する付き合い方だよねという風に思える森さんのようなかたはいいんですけど(笑)、普通の人はほとんど自分自身がそこにコミットしてると思わされてると言っていいのかな。いや、それこそ選挙だって勝手に始めて何だ?(2017年11月)という話なんですけど。ボイコットしたいぜ、って。まあボイコッ

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森元斎さん(アナキズム研究、哲学者)インタビュー・1 近代に覆われきれない土壌を探して

森元斎さん(アナキズム研究、哲学者)インタビュー・1 近代に覆われきれない土壌を探して

もとは東京出身の森元斎さん。縁あって福岡に行かれた後にご自分で探し、福岡郊外の古民家の住民になられました(現在は長崎在住)。先端のヒップホップなども聞きつつ、畑仕事をしつつ思索するアナキスト哲学者。今回は図々しくも福岡の森さんのご自宅まで押しかけお話を伺いました。改めてお話聞き返し、その知性とやさしさ、そして漢気に心底うたれました。どうかこの濃密なお話をぜひお読みください。失礼な問いにも森さんは真

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