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#物語
ショートショート「水の国Ⅱ」
ショートショート「水の国」
初めの物語はこちら⇩
美しい泉、湧水で遊ぶ子どもたち。水生昆虫があちらこちらに。子どもたちは夢中で虫を捕まえては、抱えていた携帯水槽に入れ、笑った。
水面はキラキラと輝き、親たちは木陰でくつろぐ。ああ、この国はなんと美しく、素晴らしいのだろう。
「大臣」
「ああ、すまぬ、うとうとしていた」
「ガリー会社から、第四工場の申請がきております」
「第四工場か……」
マ
ショートショート「沈む石」
今日もツイテナイ。
その女は、足元にあった小さな石を蹴った。もちろん周囲にはだれも人がいないことを確認しての行為だったが、その行為が女にとって、ちょっとしたストレス解消になる。だがまたすぐ、イライラした。
イライラの原因は、別にこれといって特定するものもないのだが、つかみどころのない自身の感情が、女のイライラをさらに加速させるのだった。
「なにかいいことないかなぁ」
何の気なしにつぶやいて
ショートショート「勇気ある決断」
浅瀬に近い海のなかで、2匹の魚が会話をしていた。魚……といっても、むなびれやおびれの骨格はしっかりとしたつくりで、岸にかなり近い浅瀬まで泳ぐことができる。そこからは陸上の、緑の植物をぼんやりと見ることができた。
1匹の魚が言った。
「おい、きみは本当に挑戦するつもりかい?」
もう1匹の魚が陸を見ながら言った。
「ああ。おれは行く。陸に進出するのだ」
「だがあの世界にはまだわからないことが多い
ショートショート「超・回復傷薬」
またやってしまった___。アキは流血した指先を見つめ思った。ほつれたスカートのはしを安全ピンで止めようとして、あやまってピンを自分の指に刺したのだ。血がどんどんにじんでくる。
アキは急いで絆創膏を探し、指に巻いた。こういうことは日常茶飯事だ。子どものころからそうだった。27歳になった今でも、怪我が絶えない。
せっかちな性格も多少の影響はあるのかもしれないが、ほぼ毎日のように怪我をしているとなる
大切な人は必ずそばにいる
いつの間にか、瞬間移動したようだ。
自宅で娘と寝ていたはずの私は、いつの間にか実家の自分の部屋に一人佇んでいた。
ドアのノック音がした。
部屋に入ってきたのは、父だった。
「やあ、久しぶり。」
と言って父は、紙袋を私の前にそっと置いた。
「あ、うん。」
父が何を持ってきたのかと袋を覗いたら、袋いっぱいに大小色様々な駄菓子が詰め込まれていた。
懐かしいな。
幼い頃、近所に駄菓子屋さ