マガジンのカバー画像

小説

189
運営しているクリエイター

記事一覧

ハイツひなげし古川誠2018年センジュ出版№837

ハイツひなげし古川誠2018年センジュ出版№837

隠れた名作👏👏👏👏
めちゃめちゃ良い!
無名作品であることが
勿体ない!
人間模様の描き方最高👍

https://amzn.to/4fw2ml0

同じアパートに住んでいても、
隣は誰が住む人ぞ?
閉ざされた扉の向こうには、
住人の数だけのドラマがある。
幸か不幸か、
このアパートは廊下に洗濯機がある。
必然的に近所の人が顔を合わす。

住人ひとりひとりの物語9編。
ですが、
必ず、8

もっとみる
人質の法廷 里見蘭2024年小学館№834

人質の法廷 里見蘭2024年小学館№834

『冤罪』はこうやって作られる!8年の構想を経て綴られた、
法治国家の欺瞞を暴く、
圧巻のリーガルサスペンス。
600ページ、厚さ4cm、読み応え抜群。
「善意と正義感」とは。
なぜ冤罪がなくならないのか、日本の司法制度とは?

裁判を膨張したことがある人はほぼいないでしょう。
司法のことが全く分からない方も大丈夫。
これ以上ないくらい丁寧に描かれています。
こんなに同じことを何度も何度も法廷でやり

もっとみる
法廷占拠 -爆弾 2-呉勝浩2024年講談社№833

法廷占拠 -爆弾 2-呉勝浩2024年講談社№833

前作『爆弾』でスズキタゴサクは
東京都心で連続して爆弾を爆破した。
犠牲者は死者98名、重軽傷者500名。
過去に例をみない、大事件。
あれから1年。

舞台は、スズキタゴサクの刑事裁判。
東京地方裁判所の104号法廷。
遺族席に座っていた柴咲奏多が突然発砲。
判事、検察官、被告と弁護人、
そして傍聴人およそ100人を人質にして立て籠る。

爆弾を思われる液体を用意し
その様子をオンラインで、全国

もっとみる
軽いノリノリのイルカ 又吉直樹/満島ひかり2024年マガジンハウス№829

軽いノリノリのイルカ 又吉直樹/満島ひかり2024年マガジンハウス№829

満島ひかり×又吉直樹
奇跡の回文物語集

上から読んでも下から読んでも同じ
回文って奥深いのですね。
もはや芸術。
回文が作れるのって
日本語だけでしょうか?
日本語って面白くて奥深い。
回文作家という職業があるみたいです。

満島ひかりさんの回文。
こんな長いもの、よく作れるなぁ。
凄い。
それをテーマに物語を綴る又吉直樹さん。
お二人の才能に脱帽です。

「アイディア」って上から読んでも下から

もっとみる
六月のぶりぶりぎっちょう万城目学2024年文藝春秋№826

六月のぶりぶりぎっちょう万城目学2024年文藝春秋№826

新、日本史最大のミステリ
「本能寺の変」に挑む万城目学さんお得意の京都を舞台とした
摩訶不思議を詰め込んだ「静」と「動」の2篇

女学生専用の寮にいる謎のお局さま。
14回生以上との噂もあるが本当なのか?
ん?果たして彼女の正体は!?

謎が多い「本能寺の変」
現代のホテルを舞台に摩訶不思議な世界が繰り広げられる。
ファンタジーの万城目ワールド🎵
私は本能寺の変に詳しくないのですが、
詳しければ

もっとみる
クスノキの女神 東野圭吾2024年実業之日本社№824

クスノキの女神 東野圭吾2024年実業之日本社№824

「大切なのは今です。
今、健全な心を持っていられるなら、
それで幸せなのです。」

ある神社に鎮座する大きなクスノキ。
そのクスノキには、満月の夜と新月の夜に
不思議な力があるのです。
その番人は玲斗。

母親が病気で働けない、
3兄妹の長子である高校生の佑紀奈。
彼女はお金を作る為に詩集を作る。
そして、眠ると前日の記憶が全て消える
記憶障害を持つ、中学生の元哉。
佑紀奈の詩をもとに、二人が絵本

もっとみる
今夜、喫茶マチカネで 増山実2024年集英社№823

今夜、喫茶マチカネで 増山実2024年集英社№823

あまりにも素晴らしい作品は
読後、しばらく余韻に浸りたくなる。
増山実さんは全作品読んでいますが、
これは最高峰ですね!
普段、再読しない私が
2回続けて読んでしまった!

彼の小説の舞台はいつも関西。
今回は大阪・豊中🐊
「らんぷや書店」という本屋さんが
石橋駅前に実際あったそうです。(2022年閉店)

「実は、私には、今まで誰にも話してこなかった、秘密があります」

昭和29年に大阪の待兼

もっとみる
難問の多い料理店 結城真一郎2024年集英社№820

難問の多い料理店 結城真一郎2024年集英社№820

エンタメミステリー小説。
短編が続くので、小説初心者や若い人もサクッと読めます。

全6話、舞台は全て六本木にあるゴーストレストラン。
ビーバーイーツの配達員が集荷に行くと、
ひとつの厨房にたくさんの店名が。
オーナーシェフは美しい青年。
短編の冒頭が同じ説明が長々と続く。
これ、何の為?
青木美智子さんの「鎌倉うずまき案内所」も確かそうだった。

ビーバーイーツに従事する人にはそれぞれの背景があ

もっとみる
噓 北國浩二2011年PHP研究所№816

噓 北國浩二2011年PHP研究所№816

あの夏、私たちは「家族」だった――。すごく良い小説でした。
ラスト一行がΣ(゚ω゚ノ)ノ

主人公は5年前に
5歳の息子を亡くした千紗子。
絶縁していた父親の認知症の介護の為
田舎へ1ヶ月程帰ることに。
あるきっかけで記憶を無くした
9歳の少年を助けることになった。
少年の体には無数の虐待の傷。
実家を突き止め、探りを入れると
とんでもない虐待家庭だった。
記憶を塗り替えて、彼を育てようと
決心す

もっとみる
笑う森 荻原浩2024年新潮社№815

笑う森 荻原浩2024年新潮社№815

5歳の男児が神森で行方不明になった。
同じ一週間、4人の男女も森に迷い込んでいた。
拭えない罪を背負う彼らの真実と贖罪。

ASDという発達障害の真人(5歳)
11月、母の岬と行った樹海で行方不明になる。
食料も水も持っていない。
2日経ち、3日経ち、生存を望めなくなると
捜査の仕様も変化してくる。
誰もがあきらめかけた1週間後に無事発見された!!!
やつれた様子もなく、食事も得ていたようだ。

もっとみる
オパールの炎 桐野夏生2024年中央公論新社№814

オパールの炎 桐野夏生2024年中央公論新社№814

時代に先駆けてピル解禁を訴えていた女は
突然、姿を消した。
謎多き女をめぐる証言から、
世の“理不尽”を抉りだす圧巻の傑作長篇。

1972年、ピル解禁を要求し、
中絶禁止法に反対する女性解放同盟があった。
その先頭に立っていた塙玲衣子という女性がいた。
京大を卒業し、薬剤師、ロシア語通訳が出来る才女。
現在はほとんどの人にその記憶が無い。
彼女に興味を持った40歳の女性ライターが、
手がかりを求

もっとみる
爆弾 呉勝浩2022年講談社№809

爆弾 呉勝浩2022年講談社№809

東京、炎上。
正義は、守れるのか。◎第167回直木賞候補作◎

傷害罪で取り調べを受けるスズキタゴサク。
身分を証明する所持品なし。
お金もなし。
過去の記憶は催眠術で消されたとか。

見かけによらず彼は頭が良すぎる。
霊感があるから予言できると
次々に起こる爆発を
言葉遊びの中にヒントを散りばめて語っていく。
容疑者と警察の心理戦。
よくこんななぞなぞが読み解けるなと感心するが、
小説だからか、

もっとみる
逃げ出せなかった君へ 安藤祐介2019年KADOKAWA№808

逃げ出せなかった君へ 安藤祐介2019年KADOKAWA№808

働くことを通して生きるとは何かを問う。
命と仕事の6つの連作短編集。惹きつけられて、一気に読んでしまう
かなり面白い作品です。

ブラック企業での酷使で
自殺に追い込まれた
22歳の青年の物語から始める。
少しずつ内容がリンクしていて
影響を与え合っている。

それぞれのお話、どれも素敵です。
定年を迎えたお父さんが
ワッカナイで目の前にいない息子と
乾杯するシーンは泣ける!
とても印象的でした。

もっとみる
女の国会 新川帆立2024年幻冬舎№807

女の国会 新川帆立2024年幻冬舎№807

選挙に弱い政治家は、
誰かの言いなりになるしかない。
だからーー。
強くなりたい。最初は人間関係や
政党の勢力関係が
ややこしかったけど
市議のみゆきさんが出てくる
中盤からは
一気に面白くなってきた。
政界ならではの駆け引き。
私はこんな世界で生きられない💦

女性議員は少ない日本。
男女平等が叫ばれる中、
そもそも同じ条件で働け!と
いうのが難しい。
公平と平等は違う。
それぞれの特性を活か

もっとみる