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報道とジャージャリズム

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報道とはジャーナリズムとは、何か、どうあってきたのか、今どうであるのか、今後どうあるべきか、考える際に有益であると感じた記事をここに集めようと思います。
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記事一覧

フォローフォロワー時代の終焉

フォローフォロワー時代の終焉

先日、起業家のけんすうさんがこんなツイートをしていた。

さすがけんすうさんだな、と唸った。まったく同感である。

実際、私は今TwitterとTikTok(そのショート動画を掲載するためにInstagramとYouTube)にコンテンツを投稿し、それぞれ6万弱と14万弱のフォロワーを獲得しているが、急速にそのフォロワー数の意味を感じなくなっている。TikTokに至っては「まったく意味を感じない」

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原稿料を上げたくなる「すごいライター」はここが違う

原稿料を上げたくなる「すごいライター」はここが違う

なんだか連日、いろんな方からの反響をいただきありがとうございます。ほくほくしております。お金ライターの三浦さんから、引き続き熱いネタをいただいているので、取り上げたいと思います。ほくほく。

なるほど。ありがとうございます。

僕の編集部では現在進行形でたぶん50人くらいのライターさんと契約しており、過去やり取りをした方々まで含めると、結構な人数のライターさんとご一緒しています。今回はその中でも「

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「クオリティは当たり前。スピードが伴って、初めてプロなんだよ」

「クオリティは当たり前。スピードが伴って、初めてプロなんだよ」

今も人の原稿を直していると、昔自分が言われたことを、イタコのようにそのまま話しているな…と思う場面が多々あります。ネットニュース編集者としてのキャリアを振り返ってみるシリーズ、今回は僕自身が新卒時代に言われ、今なお脳裏に鳴り響いている言葉を、ご紹介します。

▼前回記事

「じゃあこのページを見て、記事を書いてみて」

ひょんなことから編集部に配属され、いきなりニュース記者になった僕。「とりあえず

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ノア・スミス「バズりグラフにだまされない方法」(2023年9月13日)

ノア・スミス「バズりグラフにだまされない方法」(2023年9月13日)

第1部: 誤情報・まちがい・無意味データを見つける方法2020年の終わり頃にこのブログを書き始めたとき,「こんな記事を書こう」というアイディアをあれこれと用意していた.そのひとつは,「バズりグラフにだまされない方法」という記事だ.有名なグラフをいろいろと準備万端にリストにまとめてあった.でも,ちょっとワケあって,その記事は後回しにした.それからの年月で,ネタになるグラフのリストは増える一方で,記事

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紙媒体の衰退。

紙媒体の衰退。

今既にもう、紙の本というのは贅沢品である時代が到来している。本来、文学とは印刷技術の発達から始まった筈だ。でも、今日常的に本を買える人間は一種の特権階級だ。いずれ詩歌は、ルネッサンス以前と同じように、権力者を讃えるためのものになってゆくだろう。ネットだけに、おそらくは反権力なアートや意見etc.が残ってゆく。

新聞社で使われる〝業界用語〟とは…

新聞社で使われる〝業界用語〟とは…

 こんちにはド・ローカルです。

 今回は趣向を変え、われわれ新聞社で使っている「業界用語」について書いてみたいと思います。〝隠語〟とでも置き換えた方が分かりやすいでしょうか? 警察、消防、役所など取材先の担当者が仕事で引用している言葉が、いつのまにか、新聞業界でも当たり前のように使われるようになりました。今回は警察取材で使われる用語を中心にご紹介したいと思います。

 新聞紙面の見出しや記事上に

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キャンセルカルチャー:ホーリーランドのその先に

キャンセルカルチャー:ホーリーランドのその先に

キャンセルカルチャー:著名人をはじめ特定の対象の発言や行動を糾弾し、社会的制裁を加えて排除しようとする動きのこと。

東京オリンピック開会式の楽曲を担当する小山田圭吾氏が過去に雑誌上でいじめ加害を告白、その凄惨な内容に激怒した日本人が彼の辞任を求めている。一部でこれを「日本版キャンセルカルチャー」とする向きもあるが、同意しかねる。米国のキャンセルカルチャーは、その暴力性や社会的背景を鑑みても今回の

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衰退し続ける伝統的なメディアの風景

衰退し続ける伝統的なメディアの風景

元記事はこちら/Original article here

1920年代のラジオ、1950年代のテレビの時代を経て、世界のニュース収集の中心であったはずの新聞業界は、インターネットという競争に直面し、その面目は丸つぶれになってしまった。

インターネットは新聞社にとどめを刺したようなもので、予算は減り、社員数は減り、既存の新聞の数は減り、実際の新聞のページ数は減っている。

その証拠に、今日の日

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ギャラいる、いらない? 取材謝礼論争どっちが正しいショー

ギャラいる、いらない? 取材謝礼論争どっちが正しいショー

新聞社の取材の是非をめぐって炎上中

人気ドラマ『孤独のグルメ』の原作者、久住昌之さんの投稿で新聞社の取材謝礼問題が紛糾しています。久住さんの投稿に私も賛同コメントをしましたし、大半が支持レス、共鳴リツイートでした。
一方、新聞業界と思しきユーザーからも反論がなされており、泥沼の様相です。どうも業界側の反論が芯を食っていなくて議論が噛み合ってないと思いました。

「取材謝礼を払っていたら成り立たな

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宗教と政治の持ちつ持たれつ

宗教と政治の持ちつ持たれつ

 いわゆる「身体検査」の項目の一つに宗教関係があります。

 なぜこれを重視するのかというといくつか経緯がありまして、良くあるのは (1) 秘書に宗教関係者を送り込まれる(安くまじめに働く人を派遣してもらえるので戦力になり、カネをごまかす心配が少ない)、(2) 確実な票田になり、選挙時にボランティア名目の運動員を融通してくれる、 (3) (政治家によっては)銀座など歓楽街で遊ぶよりも口の堅いしっか

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(クリスチャン向け)言葉選びで思ってる事-2

今回もクリスチャンの言葉選びについて思ってる事を書いていきます。

私にとって言葉選びとは、自分の”常識”と言う箱から出る営みの一つです。
ただ、今でこそこんな事を言ってる私も、新人記者だった時、自分の未熟さから編集担当者と何度も争いました。
彼は言いました。
「私はあなたの敵ではありません。ただあなたが見て、聞いてきて、伝えたい素晴らしい事を正格かつ、できるだけ良い形で伝えるお手伝いをしたいので

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「ごめんなさい 救助のヘリじゃなくてごめんなさい」

「ごめんなさい 救助のヘリじゃなくてごめんなさい」

「来ていますよ、津波。来ている、来ている! 川を上って来ていますよ! 正面」

それまで冷静だったパイロットの緊張した声で、カメラを前方へと向けると、名取川を津波が遡上してくる様子が確認できた。

午後3時54分。ヘリの映像が、テレビで生中継され始める。

白波がザーッと川を上ってくる様子の撮影を続けていると、再び前方の席に座るパイロットと整備士の叫び声がした。

「海、海、海。もっと左、左、左」

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既知から未知へ(文章を書く心がけ)

既知から未知へ(文章を書く心がけ)

※全文を公開している「投げ銭」スタイルのノートです。

こんにちは、結城浩です。

「文章を書く心がけ」のコーナーです。このコーナーでは、文章を書くときに心がけたほうがよいことをピックアップしてご紹介します。

今回は「既知から未知へ」というお話をしましょう。

●既知から未知へ「既知から未知へ」というのは、文章を書くときに、どういう順序で話題を書いたらわかりやすくなるかというお話です。

既知(

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これから重要になる "バズらない力"

これから重要になる "バズらない力"

昨日、NewsPicksで佐渡島さんのコミュニティに関する記事がアップされていました。

この記事の中で特に印象的だったのが「大ヒットしないように気をつける」という話。

私自身、最近あえてバズらない力について考えていたところだったので、自分の考えている方向は間違っていないのだという確信が得られた記事でもありました。

これに関してはNewsPicks上でコメントした後に連続ツイートもしたのですが

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