(クリスチャン向け)言葉選びで思ってる事-2

今回もクリスチャンの言葉選びについて思ってる事を書いていきます。

私にとって言葉選びとは、自分の”常識”と言う箱から出る営みの一つです。
ただ、今でこそこんな事を言ってる私も、新人記者だった時、自分の未熟さから編集担当者と何度も争いました。
彼は言いました。
私はあなたの敵ではありません。ただあなたが見て、聞いてきて、伝えたい素晴らしい事を正格かつ、できるだけ良い形で伝えるお手伝いをしたいのです」と。

言葉とは自分の意図を「相手に伝える」為の道具です。
だからいかに高尚で、清らかで、麗しい言葉を選んでも、相手にその意図が伝わらなければ、ただの騒音と同じ。

逆に子供のように、敬語も主語述語も文法もメチャクチャで、汚いどこで覚えてきたかわからない言葉しか話せなくても…
いや赤ちゃんのように泣き叫ぶ事しかできなかったとしても、大人を信頼し尊敬している事を伝える事は可能です。

私の神様へのスタンスはこんな感じです。

私は彼の息子。彼は私の父。
彼は私が言葉を話す前、おしめをする前から私を知っている。
そして階級で言えば『王子』
日本国の現行の仕組みで言うなら、彼は「天皇」で、私は「皇太子」やそれに準じる「宮様」と同じ。

だから対外的な仮面はどうあれ、二人きりの時には「陛下」ではなく、「親父」とか「父ちゃん」です。

肉親の父よりも、よっぽど本来の私の口調を知っています。
ある人にとっては、『天地の主に対するには、余りにラフ過ぎる』と感じるかもしれません。
でも彼は私とよそよそしい関係ではなく、親密な関係を求めているのでこうしてます。

私たち大人はどうしても神様と話す時、敬語を使ってしまいがちです。その常識自体は悪い事ではありません。

ただ、もう一つ例えを出すなら、その行為を社会に出てやった新人は、上司に大目玉を喰らう事でしょう。
『社外の人と話してる時は、例え社長でも呼び捨てにしろ!!』と。

これと同じように多くのクリスチャンが、信じていない人と話す時も、同じボキャブラリーで話してしまいがち(考えて行なっているのではなく癖??)のように見えるのです。

これは世間の常識。クリスチャンが「御国の文化とは違う物」と思ってるプロトコル(やり方)です。
でも日本では99%の人が使う物。私達がこの国では1%の寄留者。

だからこそ、キリストの「出て行って、伝えなさい(マタイ28章18〜20節)」と言う任務を全うする為には、私達がまず自らの”常識”と言う箱から出ていって、日本人の隣人になる必要があると私は思っています。

なぜなら神が天国と言う”自分の領域”から出て来て、私の隣人になってくれた事をこそ信じているから。

新聞記者はまず、言葉における自分の箱を迅速に出る事を訓練されます。
最初の三ヶ月はひたすら事件記事を書き、編集担当者に読んでもらって駄目出しされます。
そして辞典や同じ事件を扱った「他人の記事」と比較検討して、言葉の最大公約数がどこであるかを体に染み込ませていきます。

またその記事が文字でなく、ニュースなどで音声になった時に「どう聞こえるか」にも気を遣わねばなりません。
なぜなら日本人の大半は漢字で意味を推測しながら会話をしますが、音声情報のみでは漢字で伝える事はできないからです。

わかりやすく事例を挙げます。

あなたが「主の御名で祈ります」と発言したとします。
しかしこの時点で相手に届く情報は「しゅのみなでいのります」のみ。

正確に伝わっても、結構読みにくく感じませんか?
更に聞き間違えや言い間違えなどのミスも人は多くあります。
「の」が「お」もしくは「を」に聞こえるかもしれません。

結果的に受け手は「主を皆で祈ります」と、正格ではない情報を受け取る事が予想されます。
しかしそこまで考えながら言葉を選んで説教したり、賛美の作詞をしている人が、一体どれほどいるでしょうか?

クリスチャンの多くが、「専門用語を使わずに伝える」ことに対して異論を挟まないでしょう。「ユダヤ人にはユダヤ人らしく、異邦人には掟に反しない限り異邦人らしく」と1コリント9章20節に書いてありますから。

でも言葉の訓練を受けた者から見たら、選べる単語が少ないのか、あまりうまく行って無いように見えます。
更にそれらを指摘すると「私のやり方を否定された!!」とか、「そこまで考えるのは面倒」と、感情的に反応したり投げ出してしまう反応がビックリする位多いのです。

私も編集担当者と幾度もこのようなやりとりをしました。だから気持ちはわかります。しかし彼がその時言った言葉が私がこの記事で伝えたい事です。
「私はあなたの敵ではありません。ただあなたが見て、聞いてきて、伝えたい素晴らしい事を正格かつ、できるだけ良い形で伝えるお手伝いをしたいのです」

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