◆「占有」は、そこどけ入って来るなの粗暴な「既成事実」範型とは全く異なるが、ときに勘違いがなされる。これには根深い意識の問題がある。後者は主体と対象との緊密良好な関係という質を問わない、むしろ低質・悪質を特徴とする。これを慣習・伝統、ときに文化という形容を与えるまでズレてしまう。
◆ある主体とある基盤資源との緊密良好な具体的関係性に「占有」による保護シールドを提供しなければならない。他方、基盤資源(全部やその一部)の移動や交換がすべて否定されるわけではなく、占有は現状絶対維持の観念ではない。厳密透明な議論(取引含む)に基づき再布置しより良質な関係性を作る。
◆所有権絶対と占有相対の各思想.流動する対象を固化して操作するために所有権がある。他の視点からもA所有は変わらない。他方、Yとの関係ではXにαの占有があるとしてもZとの関係ではそうは言えないときがある。流動する現実に即し変化する占有には仮概念が潜む。法のダイヤは「仮」ゆえに輝く。