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説明できますか?占有改定、簡易の引渡し、指図による占有移転
こんにちは。
昨日は司法試験、予備試験短答式試験でした。
受験された皆様、お疲れ様でした。
イラスト解説
今日は占有についてです。
初学者の方はもちろん、中上級者の方も気を抜くとうっかり間違えてしまう分野かと思います。
さて、問題です。
![](https://assets.st-note.com/img/1720954085416-JVABI8ysuj.png?width=1200)
図を書きながら、説明してみてください。
スラスラ説明できた方は、これから先は読む必要はありません。
簡易の引渡し
まず条文をみていきます。
(現実の引渡し及び簡易の引渡し)
第百八十二条 占有権の譲渡は、占有物の引渡しによってする。
2 譲受人又はその代理人が現に占有物を所持する場合には、占有権の譲渡は、当事者の意思表示のみによってすることができる。
![](https://assets.st-note.com/img/1720953789037-jBGJjn7FcB.jpg?width=1200)
借主が目的物を譲り受けたようなケースが典型例ですね。
占有改定
さて次の条文です。
(占有改定)
第百八十三条 代理人が自己の占有物を以後本人のために占有する意思を表示したときは、本人は、これによって占有権を取得する。
![](https://assets.st-note.com/img/1720954877385-o6theEoanW.jpg?width=1200)
譲渡担保契約は占有改定の方法でされることが多いので、譲渡担保契約のイラストにしてみました。
指図による占有移転
(指図による占有移転)
第百八十四条 代理人によって占有をする場合において、
本人がその代理人に対して以後第三者のためにその物を占有することを命じ、
その第三者がこれを承諾したときは、
その第三者は、占有権を取得する。
![](https://assets.st-note.com/img/1720955145069-EsBCOC5PpM.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1720955239865-hR4WWRC13a.jpg?width=1200)
この条文は、ひっかけ問題にされがちなので、要注意です。
誰の承諾が必要か、しっかりと意識することが大事です。
![](https://assets.st-note.com/img/1720959983568-n3aEAHLsHN.jpg?width=1200)
覚え方のコツ
あくまでも占有移転の合意の当事者は、譲渡人(イラストでいうと売主)と譲受人(イラストでいうと買主)です。
占有代理人(イラストでいうと借主)は、占有移転の合意の当事者ではありません。
そして占有代理人(イラストでいうと借主)の同意すら必要ありません。
でも譲渡人(イラストでいうと売主)は、占有代理人(イラストでいうと借主)に対して、「譲受人(イラストでいうと買主)のために占有してね」と通知する必要はあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1721002390098-uq5I8HvBGH.jpg?width=1200)
目的物が譲渡されたことの通知を受けなければ、占有代理人(イラストでいうと借主)は、目的物が譲渡されたことを認識することができないからです。
目的物が譲渡されたことを認識できなければ、目的物を譲受人(イラストでいうと買主)に返す必要があることも認識できません。
元来、AがBを代理人として占有をするとは、AがBに対して一種の返還請求権を持つことを基礎とするわけで(§181〔2〕参照)、この返還請求権をCに譲渡するのにはAからBに通知すればよい(§467Ⅰ〔改注〕参照)。そして、CがBに対して返還請求権を持つという関係が成り立ち、これを基礎としてCはBを代理人とする占有を取得する。これが指図による占有移転の認められる根拠である。
具体的事例を使えば、理解が進みます。
これがイラスト学習のメリットです。
さらに、理由もセットで確認しておくと、記憶の定着に役立つはずです。
本日は以上です。
読んでくださり、ありがとうございました。
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