紀友則

5月30日(日) 古今集の五月雨

5月30日(日) 古今集の五月雨

五月雨に物思ひをればほととぎす夜深く鳴きていづち行くらん                      (153 紀友則)  『古今和歌集』の夏歌に載る五月雨の歌は二首だけだ。そのうちの一つが紀友則のこの歌。  ここでの五月雨は物思いを誘発するものとして機能する。するとほととぎす到来。ほととぎすは新古今時代に「村雨の空」との繋がりを深くするけれど、雨自体とは『古今集』の時代から縁が深かった。   もう一首を歌ったのが、従兄弟の紀貫之。 五月雨の空もとどろにほととぎす何を憂し

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【小倉百人一首】はるのうた【スキマ一首】
再生

【小倉百人一首】はるのうた【スキマ一首】

「スキマで読む古典」シリーズの新作です。 百人一首に手をだしてしまいました(笑) これは超かんたん編なので、文法的な説明もきちんとした解釈もしていませんが、身近に感じてもらえるといいなあと思って作りました^^ まずは「はるのうた」編6首です♪

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大雪(二十四節気)・閉塞成冬(七十二候)と仙客長春

大雪(二十四節気)・閉塞成冬(七十二候)と仙客長春

12月7日頃は二十四節気では大雪(たいせつ)です。暦便覧には『雪いよいよ降り重ねる折からなれば也』、七十二候では「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」、天地の気が塞がって冬となる頃という意味、本格的な冬の到来です。  雪ふれば木ごとに花ぞさきにける  いづれを梅とわきてをらまし (古今和歌集 紀友則)  <意訳>  雪がふってどの木にも白い花が咲いている   どの木を梅と見極めて折れば良いのか 雪が降れば山も街も雪化粧で白く包まれていきますね。 写真の文人華は薔薇と水仙の球根を

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桃花おちて身心脱落せん

桃花おちて身心脱落せん

さとりを開くということに関して、いくつか伝承されたエピソードがあります。小石が竹に当った音を聞いて悟ったとか、谷川の流れが突然説法に聞こえて悟ったとか。そのうちの一つで、霊雲禅師が山道を行く途中でふと里の方を見下ろすと、一面に桃の花が咲いているのを見て悟ったというのがあります。これについて如浄(道元の師匠)がこう言いました。なお「天童」は如浄の自称です。  霊雲見処桃花開 霊雲は桃花の開を見、  天童見処桃花落 天童は桃花の落を見る これに道元が続けます。  桃花のひら

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紀友則

紀友則

寝ても見ゆ 寝でも見えけり おほかたは うつせみの世ぞ 夢にはありける

下にのみ恋ふればくるし玉の緒の絶えてみだれむ人なとがめそ

下にのみ恋ふればくるし玉の緒の絶えてみだれむ人なとがめそ

#紀友則(きのとものり) #古今和歌集 #0667 #jtanka #短歌 #恋 心の中でだけあなたのことを慕っているのでくるしいのです。玉の緒が切れて乱れ散らばるように私もすっかり乱れてしまいましょう。世の人々よ、それをとがめてはいけません。 「下」はここでは「心の中」の意味。 「恋ふれば」は「恋ふれ+ば」。「恋ふれ」はハ行上二段活用動詞「恋ふ」の已然形。「ば」は順接の確定条件(原因・理由)を表す接続助詞。「恋しているので」の意味。 「玉の緒の」は「絶ゆ」の枕詞。

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100日後に散る百合 - 17日目

100日後に散る百合 - 17日目

久方の 光のどけき 春の日に 静心なく 花の散るらむ 今日の古文に出てきた。 紀貫之のいとこである紀友則が詠んだ歌で、 百人一首のひとつ。 私は「光のどけき」の「どけき」とは何だろうと思っていたが、 「光 が のどか」という意味らしいね。 いやあ、無知も大概にしたい。 歌の意味は、 こんなのどかな春の日なのに、なんで桜は落ち着きもなく散っているんですか、まったくもう。 という感じらしい。 とはいえ、 現実世界は、桜の気配もなくなって、 すっかり新緑の装

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駆け出し百人一首(8)雪降れば木毎に花ぞ咲きにけるいづれを梅とわきて折らまし(紀友則)

駆け出し百人一首(8)雪降れば木毎に花ぞ咲きにけるいづれを梅とわきて折らまし(紀友則)

雪降(ゆきふ)れば木毎(きごと)に花(はな)ぞ咲(さ)きにけるいづれを梅(むめ)とわきて折(を)らまし古今和歌集 冬 337番 訳:雪が降ると木々の一本一本に花が咲いた感じになるんだなぁ。その雪の花のなかで、どれを梅だと区別して枝を折ろうかしら。 It has snowed, so every ume tree is wearing snow as if it were blooming. I wonder which branch I will break off.

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(梅の花を折りて人に贈りける)きみならで誰にか見せむ梅の花色をも香をも知る人ぞ知る

(梅の花を折りて人に贈りける)きみならで誰にか見せむ梅の花色をも香をも知る人ぞ知る

#紀友則 (きのとものり) #古今和歌集 038 #jtanka #短歌 #春 (梅の花を折って、あの人に贈ったときの歌)あなた以外の誰に見せましょうか、いえ、誰にも見せますまい、この梅の花を。この色の美しさも、この香りのすばらしさも、あなたにしかわからないのですから。 「きみならで」は「きみ+なら+で」。「きみ」は大切なあなたのこと。「なら」は断定の助動詞「なり」の未然形。「で」は打消の接続助詞。「あなた以外に」の意味。 「誰にか見せむ」は「誰+に+か+見せ+む」。「

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わが恋をしのびかねてはあしひきの山たちばなのいろに出でぬべし

わが恋をしのびかねてはあしひきの山たちばなのいろに出でぬべし

#紀友則 (きのとものり) #古今和歌集 668 #jtanka #短歌 #恋 恋心を隠しておくことができなくて、私の慕う気持ちは山たちばなの赤い色のようにはっきりと表に現れてしまうでしょう。 「あしひきの」は「山」の枕詞。 「いろに出づ」は「内にある気持ちが、ふるまいや表情などを通して外に現れる」の意味。 「いろ」は「色」と「表情・そぶり・顔色」の二つの意味を掛けています。496も参照。 「しのぶ」という単語は「忍ぶ」(がまんする)と「偲ぶ」(ひそかに慕う)があり

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