和風創作フレンチ

‘The Soul selects her own Society —‘

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マガジン

  • 瑞草的

    瑞々しい草のように

  • 珈琲ノ記

    自分で淹れたやつです

  • 珈琲ノ音

    京都のカフェを巡りて、飲んだコーヒーについて言及していく予定ですが、これはあくまで速記的で、備忘録的なものです、制御不能です、個人的見解です、そのときの気分とか体調とか、もちろん相手の調子もあるだろうし、いろいろな要素が絡みあいます、

  • 日記的

    自由な実験精神

最近の記事

三熊野の浦の浜木綿百重なす心は思えど直に逢わぬかも 柿本人麻呂

葬送のフリーレン。最近みたアニメのことを、僕は思い出していた。 浜木綿は幾重にも重なる葉のうえに、白い花を咲かせる。その姿に同じ髪の色をしたエルフのイメージを、ほとんど無意識のうちに重ね合わせていた。 三熊野の みくまのの 浦の浜木綿 うらのはまゆう 百重なす ももえなす 心は思へど こころはもえど 直に逢わぬかも ただにあわぬかも 三熊野の浦の浜木綿のように 心では幾重にも君を思うけれど 実際に会うことはできないでいるよ 人麻呂のこの歌をただ純粋に聞いただけだったなら

    • あぶら火の光に見ゆるわがかづらさ百合の花の笑まはしきかも 大伴家持

      大伴家持は746年から5年間、越中に赴任していた。 初夏のある日、国司の役人石竹(いわたけ)が、同じ役人たちを邸に招いて開いた宴会に、家持も呼ばれていた。石竹は百合の花でかづら(髪飾り)を三つ作り、高坏に据えて賓客に捧げたという。家持はこの時に歌を詠んでいる。 都から離れた、いわば出張先での歓待の席。そこへさらなる心配りで、宴に花を添えてくれる岩竹。家持はそのやさしさを大切に受け取り、かづらをほのかで暖かい油火の光とともに歌にしまいこんだ。嬉しさから自然とこぼれてしまった、

      • 京の桜、三月の終わりに。20240402

        こんばんはー。 4月になりましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。 というわけで近況、というか、雑談です。 さて何から話すか… あ……、 最近仲間入りした、新しいカップです。 薄紫の落ち着いた色合いに、花の紋様が可憐で、とても気に入ってます。 なんとなくコーヒーという感じではないですが、紅茶やハーブティーを飲むにはぴったりのイメージ。これからは夜のティータイムも充実していきそうです。 さて、何を話そうか迷いながらスマホのカメラロールを眺めていたら桜の写真がいっぱ

        • 川崎珈琲商会「特選ブレンド」

          北浜ポート焙煎所から大阪駅を目指して帰る途中、いかにも町のコーヒー屋さんという雰囲気の素敵なお店を通りかかったので、豆を購入させていただきました。 いやちょっと待て…… 豆を買ったばかりでは?… ………。 できました。 色から想像していたのと変わらず、やや浅めの焙煎。 全体的に酸味も苦味も控えめで、甘さが出せるシンプルな味わい。 すっきりした明るい印象で、香りをたとえるならレモンに近いでしょうか。 うん、スペシャルな感じはありませんが、十分、シンプルにうまいです。

        三熊野の浦の浜木綿百重なす心は思えど直に逢わぬかも 柿本人麻呂

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          Okaffe ROASTING PARK

          やや見つけにくいところにあるOkaffe KYOTOの別店、そういえば本店も見つけにくかったな、と思い出す日曜の午後、本店に行ったのはだいたい1年くらい前だが、もうずいぶん、昔のことのような気がする、 酒粕のパウンドケーキを深煎りのダンディブレンドで流しこむ昼下がり、コーヒーはとてもきれいな味わいで、甘さがよく出ていた、酒粕のケーキもうまい、そして、思ったよりでかい、酒粕のケーキといえば、福島の旅館で働いていたときの、売店で売っていた酒ケーキを思い出す、在庫が余っていたのか

          北浜ポート焙煎所「ミャンマー 星山」

          こちら、大阪で買ったコーヒー豆をこれから開けていきたいと思います。 この文章を書いているのはコーヒー豆を使い切った後なので時空の歪みが生じてますが……そもそも用事があって大阪に行ったのがもう1ヶ月前でした。時の流れは早いですね。 そうそう、こんな感じのお店でした。上のほうに生えてる草がいいですね。 テイクアウトのコーヒーと、 店内で焙煎したコーヒー豆の販売をしているお店です。 豆の種類はいろいろあって悩みましたが、 飲んだことのないミャンマーのコーヒーが気になり、注文

          北浜ポート焙煎所「ミャンマー 星山」

          [番外編] COFFEE COUNTY

          表参道で散髪、帰りに東北沢で降り、気になっていたお店でコーヒーを頂く、土壁と、煉瓦を基調にした洞窟のような店内、広めのカウンターに、厳選されたシングルオリジンのコーヒー豆が並ぶ、やはり浅煎りのラインナップが充実しているが、中煎り、深煎りもある、 中煎りのコロンビアと、カヌレを注文、小腹が空いていた、コーヒーにあうクッキー、カヌレ、プリンなど、これらのお菓子も自家製らしい、 プラムのような落ち着いた甘味、そしてコロンビアらしいマイルドさを持ちつつも、酸味もしっかりとあって、

          [番外編] COFFEE COUNTY

          ディキンソンを祝して

          みなさん、こんばんは。 個人的な趣味でエミリー・ディキンソンの詩を訳していたのですが、 ついに先日、 訳した詩が50篇になりました!! いやー、めでたい。飲みましょう。 はい乾杯〜。 ……。 「ディキンソンを祝して」というタイトルにしたのに早速自分のお祝いみたいになってて恐縮ですが…… やはりせっかくの機会ではあるので、このまま、思い出を振り返りながら、飲みつつ、書いていきたいと思います。謙虚な気持ちで。 よろしくお願いします。 いちばん初めに投稿したノートの日

          ディキンソンを祝して

          CLAMP COFFEE SARASA

          最近はこんな感じの、生い茂っている店にどうにも吸い込まれがちだ、吸い込まれ、コーヒーとフレンチトーストをオーダーするモーニング、入ってすぐ、音楽が流れてくる大きなスピーカーと、同じ棚に並んだ書物が目に飛び込んでくる、先払いで前の客が注文するのを待つ間、しばし眺める、文庫は少なく、単行本が多い、なのに今どき文庫のほうが手に入りやすそうな、庄司薫や川上弘美の小説が置かれていた、こだわりなのだろうか、オーダーをすませ、座る、 カウンターはこんな感じで、古い家の、使い込まれたキッチ

          サーカスコーヒー 季節のブレンド はるはあけぼの

          「サーカスコーヒー」は以前京都関連の雑誌で見て知ったのですが、なかなか家から遠く、もう少し暖かくなったら、いつか自転車で行ってみたいと思っていました。 ところが先日、京都駅の伊勢丹の催事場でパンとコーヒーを組み合わせたイベントがあり、念願のサーカスの豆を入手。はるはあけぼの。季節ごと、向こうからやってきてくれたみたいです。 豆13g:お湯200g 40gずつ、5回に分けて注ぐレシピが最近のお気に入り。 温度は90℃くらいで。 おお…… できました。 まるでレモン

          サーカスコーヒー 季節のブレンド はるはあけぼの

          極寒のコーヒーイベント、それでもenjoy coffee the time.20240310

          …なぜか全然眠れないので、今日のことを書きます。 というわけで、時は今日の昼、 京都駅前広場で開催中の、 コーヒーイベントにやってきました! Enjoy coffee timeというイベントで、 簡単にいうと京都で人気のコーヒー屋さんが十店舗出店していて、そこでコーヒーを飲んだり、コーヒー豆を買ったりできる、というシンプルなイベントです。 最高ですね。 さっそく本部らしき場所で、全店共通で使える飲み比べチケット(1500円)を購入。 1杯目は、Story coffe

          極寒のコーヒーイベント、それでもenjoy coffee the time.20240310

          雲仙

          念願の雲仙、もっと早く来るはずだったのに寝坊した雲仙、それは今日まで来れなかったという意味でもあるし、今日寝坊したという意味でもある、が、こうやって書くとまるで寝坊したのが僕じゃなくて雲仙の方みたいになるから不思議だ、文学の魔法、無論そんなことはないのだが、まあ日曜日だし、仕方がないことではある、 ちょっと薄暗いくらいが、雰囲気があっていい、そんな店内はBGMも微量だ、客の話し声も、自然と落ち着いた、優しいトーンを帯びてくる、 ほうほう、 モーニングのエッグベーカーセッ

          きなこキューブ 20240309

          きなこキューブが見切れないように写真を撮るのは難しかった。というか、不可能だった。 近所のパン屋に、また通いはじめた。久しぶりに行くと新顔のパンがいくつもあって胸が弾む。全部、食べなければ。だが落ち着け。一個ずつだ。パン屋でパンを一つだけ買い、一度に一つだけ食べる。それこそがパン屋のパンを味わう基本にして究極の奥義なのだから。しかし、今日は二つ買った。分かってはいても、簡単にできることではない。久しぶりだと、特にそうなってしまう。

          きなこキューブ 20240309

          The missing All, prevented Me ——すべてを見失うことで

          The missing All, prevented Me From missing minor Things. If nothing larger than a World’s Departure from a Hinge Or Sun’s Extinction, be observed ‘Twas not so large that I Could lift my Forehead from my work For Curiosity. すべてを見失うことで 小

          The missing All, prevented Me ——すべてを見失うことで

          [番外編]珈琲専門店 リヴォリ

          本日のコーヒー、ケニアをオーダー、柑橘系のキレのある酸味と力強いフレーバーが特徴、らしい、が、ピザトーストのような香りがする、焙煎がちょうどいいのか、心地よい飲み口、サイフォン式だからか、酸味がきれいに伸びて、余韻が長く響く味わいになっている、好きな味だ、喫煙可なので、コーヒーを味わっているときにそこだけが少し気になった、こういうときはテイクアウトにするのがいいかもしれない、

          [番外編]珈琲専門店 リヴォリ

          春の訪れよりも早く、冬の終わりを感じる季節に

          久しぶりに来れた。 定期的にランチを食べに行きたくなる地元のビストロ。 予約が取れなかったり、その後の予定と噛み合わなかったりして、最近はなかなか行けていなかった。今回も、13時から表参道に用事があったので無理かと半ば諦めかけていたところ、用事が14時からに繰り下がったので、速攻でネットから予約したらいけた。いやーよかったよかった。 天気もいい。京都では最近ずっと、雨ばっかり降ってるけど、こっちでは違うんだろうか。 早咲きの河津桜の前で足が止まる。暖かい陽気になったり、

          春の訪れよりも早く、冬の終わりを感じる季節に