らいとらいたあ

何かを感じた、考えた、ひらめいた、思い出した、やってみた、しくじった、上手くいった………

らいとらいたあ

何かを感じた、考えた、ひらめいた、思い出した、やってみた、しくじった、上手くいった……。 あまり決めずにいろいろ書いています。気が向いたら覗いてください。うれしいです。

最近の記事

モーツァルトの『ポストホルンセレナード』

 先日の『セレナード第7番K.250/K248b「ハフナー」と行進曲K.249』と同様の趣向で、廣部知久『いつもモーツァルトがそばにいる-ある生物学者の愛聴記』を引きながら『セレナード第9番K.320『ポスト・ホルン・セレナード』と行進曲(K.335)について書きたいと思います。 『ハフナー』や『グラン・パルティータ』などと並んで人気のあるセレナードです。聞いて幸せになれる楽しい音楽で、しかも陰影に富んでいて私も実に好きな曲です。作曲経緯はよくわかっていないが、と廣部さんが

    • エントリークラスのオーディオ製品で音楽を聴く。SONY STR-DH190+SS-CS5+PS-LX310BT

      以前のオーディオシステム  2年前に下記の記事でご紹介したシステム。いずれもオーディオシステムというのもおこがましいエントリークラスの製品です。でもいい出音で、特に故障もなく聴いてきましたが、例の「飽き性」という困った癖のためにまた入れ換えをしました。 今回入れ替えたシステム  全部で8万円台ですからエントリークラスという点では変わりませんが、ソニーの製品でそろえました。それぞれがネットで話題に上っていて、大型家電の通販サイトで4.3以上の口コミ評価を得ています。

      • 「モーツァルトの『ハフナーセレナード』」に関する訂正と補足 

         先日の記事に関して記憶違いによる誤りがありましたので、訂正させていただきます。 『ハフナーセレナード』は、ザルツブルクの富豪で市長でもあったジークムント・ハフナーの(子息ではなく)娘のエリザベートの結婚式のために作曲されました。モーツァルト二十歳の1776年のことでした。  花嫁の父ジークムント・ハフナーが、(モーツァルト本人ではなく)父レオポルト・モーツァルトとが友人同士だったためです。  ここからは補足になります。  モーツァルトは、ハフナー家のためにもう一つのセ

        • 夏のスイカと炭酸水

          暑い暑いときに 冷えたスイカおいしいです もう一つおいしいもの発見しました 冷えた炭酸水(LOHACO water Sparcling)を口に含んだら たちまちシュワシュワ触感が 口中に広がりました つぎにのど越しの味を楽しみます 炭酸の刺激かジンジャエールの記憶のよみがえりか 苦いような大人の味です これはクセになると思いました 飲み下ろすと胃から体の隅々にまで酸素が (炭酸なのにね) 行き渡るような爽快感を得ることができ ボトルが空になるまで何回も楽しめました 「

        モーツァルトの『ポストホルンセレナード』

        マガジン

        • モーツァルトびより
          98本
        • オーディオびより
          16本
        • 日記びより
          110本
        • 創作びより
          122本
        • 読書びより
          163本
        • 鷗外びより
          36本

        記事

          モーツァルトの『ハフナーセレナード』

           廣部知久さんの著書『いつもモーツァルトがそばにいる-ある生物学者の愛聴記』はわたしの愛読書です。その、第138章 『セレナード第7番K.250/K248b「ハフナー」と行進曲K.249』。著者のこの曲に寄せる愛にあふれた記述が心にひびきます。  俗に『ハフナーセレナード』と呼ばれるのですが、ザルツブルクの富豪ハフナー家の子息の結婚式前夜祭のために作曲し、友人の結婚式に当日指揮者兼ヴァイオリン奏者としてみずから演奏したモーツァルト。さぞや幸せな気分であったに違いありません。

          モーツァルトの『ハフナーセレナード』

          連載小説『ヰタ・セクスアリス・セーネム』四章 レンタル彼女(五)

          「お前はどう思うた?結局レンタル彼女とジイってどうなん?」という順平の問に西本が答えた。 「オレが思うに、若い男性がレンカノのシステムで、恋愛やら婚活に必要なノウハウを習うたり、デート気分を味わいたい欲求を満たしたりするのが、まあ本来の趣旨で、健全っちゃあ健全な気がする」西本が続けて「ジイの場合は、キャバ嬢と比べた場合のメリットで選んでるんとちゃうかな。よりシロウトっぽい、うぶな感じの娘との出会いがほしいとか。同伴やら来店の誘いがしつこいキャバ嬢に嫌気がさしたとか」 「なるほ

          連載小説『ヰタ・セクスアリス・セーネム』四章 レンタル彼女(五)

          ワーニャ伯父さん、生きていきましょう。長い長い日々を、長い夜を生き抜きましょう。運命が送ってよこす試練にじっと耐えるの。  チェーホフ『ワーニャ伯父さん』 家族争議や失恋の痛手にも耐え、ソーニャは健気に立向います。失意の伯父をも励ましながら。

          ワーニャ伯父さん、生きていきましょう。長い長い日々を、長い夜を生き抜きましょう。運命が送ってよこす試練にじっと耐えるの。  チェーホフ『ワーニャ伯父さん』 家族争議や失恋の痛手にも耐え、ソーニャは健気に立向います。失意の伯父をも励ましながら。

          連載小説『ヰタ・セクスアリス・セーネム』四章 レンタル彼女(四)

           西本がホームページのメニューをタップして調べている。 「順平見てみ。デートにお誘いするまでの手順の説明や」 西本が上から読み上げていく。「まず、『1.好みの娘を選ぶ』や。写真と簡単なプロフィールがのってるわ。お前好みの娘はおるか?」 「それは後にせんかい。手順を一通り読んでみ」と順平が先を促す。 「わかった。『2.ラインかメールをその娘に送る』や。そうすると『3.彼女から返事が来る』そうやで」と西本。 「なんかドキドキしてきた」興奮とともに西本が一気に読み上げていく。「『4

          連載小説『ヰタ・セクスアリス・セーネム』四章 レンタル彼女(四)

          連載小説『ヰタ・セクスアリス・セーネム』四章 レンタル彼女(三)

          「なあ健一、前にキャバ嬢とジイのテーマで、お前の知り合いのおっさんから聞いた話をオレにしてくれたやんか。おぼえてるやろ」と順平が問う。 「ああ、レポートつくった、あれやろ。嫁さんにわからんようにデータを印刷して俺の引き出しの奥に入れといた」と西本が重要文書の可視化をわざわざしたことを知った。  まあ、健一のリスク管理の甘さにあきれながらも、よその夫婦の事まで構もうておられんわいと順平が続けた。「……でな、お前がレストランで出くわしたのが、ほんまにレンタル彼女とそのお客さんかど

          連載小説『ヰタ・セクスアリス・セーネム』四章 レンタル彼女(三)

          連載小説『ヰタ・セクスアリス・セーネム』四章 レンタル彼女(ニ)

           西本親子が食事を終えて、お母さんは婦人雑誌に夢中で、西本はスマホをみている体で、コーヒーをゆっくり飲んでいる。西本には詮索するつもりもないが、ますます気になってきた。となりに聞き耳を立てて会話を聞く。  男性が話す内容は、先日の健診の結果がどうこう、肥満だとかBMIを挙げて数値のわるさ加減や、普段の生活習慣の乱れを笑い話にしている。よくある自虐ネタだ。それに一応彼女も付きあって笑い声も立てたりしている。  一方で女性が、〇〇フェアーに間にあってよかったね、などと言っているの

          連載小説『ヰタ・セクスアリス・セーネム』四章 レンタル彼女(ニ)

          連載小説『ヰタ・セクスアリス・セーネム』四章 レンタル彼女(一)

           西本が「きたでー」と順平の部屋を訪ねてきたら、  順平が「おらんでぇ」と自分の不在をこたえる。 「おるやん」と西本がツッコめば、 「おれちゃうでぇ。ひと違いや」とボケる。  今日も軽快なあいさつを交わす順平と西本だ。和美が友達と出掛けたのでこわいものなしの西本がイチゴのパックを差し出してしゃべる。 「これ、かずちゃんに」和美への気配りというか、ご機嫌取りのつもりだ。「どや、肩のぐあいは」と順平への気づかいも一応する西本。 「まあまあ、可もなし不可もなしっちゅうとこや」と順

          連載小説『ヰタ・セクスアリス・セーネム』四章 レンタル彼女(一)

          チェーホフ戯曲の短編『プロポーズ』と『熊』を読んで、クスクス。カフェや電車でなく部屋で読んでいたら、ゲラゲラ笑い声を出していたかも。 海外小説を読んでいて、翻訳にがっかりさせられることは少なくない。だが、浦雅春さんのこなれた文章は出色だ。原著以上の出来栄えではないか。知らんけど。

          チェーホフ戯曲の短編『プロポーズ』と『熊』を読んで、クスクス。カフェや電車でなく部屋で読んでいたら、ゲラゲラ笑い声を出していたかも。 海外小説を読んでいて、翻訳にがっかりさせられることは少なくない。だが、浦雅春さんのこなれた文章は出色だ。原著以上の出来栄えではないか。知らんけど。

           すべて、何も皆、事のとゝのほりたるは、あしき事なり。し残したるをさて打ち置きたるは、面白く、生き延ぶるわざなり。 (徒然草 第八十二段)  完成形を目指すのは良いが、そうしてしまうのは余情に欠ける。あえて、やり残した部分をつくる。なにをどう作るか、それが個性であり、創造性だ。

           すべて、何も皆、事のとゝのほりたるは、あしき事なり。し残したるをさて打ち置きたるは、面白く、生き延ぶるわざなり。 (徒然草 第八十二段)  完成形を目指すのは良いが、そうしてしまうのは余情に欠ける。あえて、やり残した部分をつくる。なにをどう作るか、それが個性であり、創造性だ。

          連載小説『ヰタ・セクスアリス・セーネム』三章 キャバ嬢(五)

          る 西本の講義も佳境に入ってきた。<結局キャバ嬢とジイってどうなのか>という論点だ。いい時間になったので、和美が出かける時につくっておいてくれた夕食をチンして、西本とビールを飲みながら話は続く。  和美が戻ったら、こんな話はご法度だ。だが、女子会が盛り上がってまだ、帰っては来ないだろう。西本の話の続きは十分聞けそうだ。  思えば、和美との四十年近い夫婦生活は、今や単調な日常の繰り返しで、それなりに平和で穏やかな空気のようなものなのでよいことだと思う。  だが、反面、昔のよう

          連載小説『ヰタ・セクスアリス・セーネム』三章 キャバ嬢(五)

          連載小説『ヰタ・セクスアリス・セーネム』三章 キャバ嬢(四)

           料金やシステムについての講義がひととおり済んでから、順平は次の疑問を講師の西本にぶつけた。それは、<店の雰囲気とふるまい方>だ。  順平は、現役時代に取引先の役職者を接待したりするために、大阪の新地や京都の祇園の店に行った経験がある。会社の特別な行事などの際にも利用したことがあるので、ラウンジやクラブやバーといった場所については知識もある。それらとキャバクラの違いはあるのかないのか、西本にきいた話をかいつまんで言うとこうだ。  一般的には、前者は後者よりもひとクラスグレー

          連載小説『ヰタ・セクスアリス・セーネム』三章 キャバ嬢(四)

          連載小説『ヰタ・セクスアリス・セーネム』三章 キャバ嬢(三)

           西本の講義が一通り済んだので、順平はいくつか掘り下てみようと思った。まずは、<料金やシステム>からだ。 「なぁ健一よ、昼キャバっちゅうとこは、ぶっちゃけいくら位掛かるんや」と順平が問う。 「場所やら店にもよるやろ。時間帯で差も出る。早い時間帯ほど安いわな。これ見てみ」と西本がスマホに某キャバ店の料金システムを表示した。 「この店は、昼の三時からが5000円で、二時間きざみに料金がかわっていくやろ。五時から6000円、七時から7000円、九時からが上限の8000円や」 「そ

          連載小説『ヰタ・セクスアリス・セーネム』三章 キャバ嬢(三)