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古今集巻第十五 恋歌五 753番

題しらず

きのとものり

雲もなくなぎたる朝の我なれやいとはれてのみ世をばへぬらむ

題知らず
紀友則
雲もなくて風も穏やかな朝の、とても良く晴れた空がわたしなのか、うとく思われるばかりでこの世を経て老いていくのがわたしなのか

「いとはれて」は「いと晴れて」と「厭われて」の掛詞です。
「朝」とは、通っている女性の家から帰ってきたという状況を指します。女は喜んでくれたのだろうか、それとも嬉しくなかったのか、という悩ましい気持ちを持った若い頃を思い出し、そんなことばかり考えて過ごしてきたのだなという感慨を詠んだ歌だと思います。

#古今集 , #恋歌五 , #紀友則 , #雲朝

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