ちのみゆき

関西在住、奈良・京都・日本とお寺、神社、古墳、遺跡、古典、NMB48が好きな理系。その…

ちのみゆき

関西在住、奈良・京都・日本とお寺、神社、古墳、遺跡、古典、NMB48が好きな理系。その時々に残したいことを書こうと思います。

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  • プログラミングのまとめ

    有用だなと思うプログラミングでの数値計算方法やアルゴリズムなどに関する記事を集めていきます。プログラミング言語は自分で書いたものはExcel VBA、C#、VB.net ですが、それ以外もこだわらずに集めます。

最近の記事

古今集巻第十七 雑歌上 878番

題しらず よみ人しらず わが心なぐさめかねつ更級やをばすて山にてる月を見て 我が心慰めかねつ更級や姨捨山に照る月を見て 旅に出た私の心は慰められなかった、更級の姨捨山に照る月を見ていると 美しい月が照らす姨捨山という両極を一緒に見たことで、穏やかな気持ちにはならなかったのでしょう。 更級の姨捨山は、長野県更級郡にあるそうです。 #古今集, #雑歌上, #更級, #姨捨山, #月

    • 古今集巻第十七 雑歌上 877番

      題しらず よみ人しらず おそく出づる月にもあるかなあしひきの山のあなたもをしむべらなり 遅く出づる月にもあるかな、あしひきの山のあなたも惜しむべらなり 遅く出た月であることだ、美しく裾を引く山の向こう側、月が隠れた向こう側でも月を惜しんでいることであるだろう 今自分が見ている月は、西の山に隠れてしまう、それが惜しい。そして山の向こう側でも、さらに西の山にやがて月は隠れてしまう、そこにいる人も月を惜しんでいるだろう、という歌です。 風景が想像しやすい歌だと思います。 「べ

      • 古今集巻第十七 雑歌上 876番

        方たがへに人の家にまかりける時に、あるじのきぬを着せたりけるを、あしたにかへすとてよみける きのとものり 蟬のはのよるの衣はうすけれどうつり香こくもにほひぬるかな 方違へに人の家に罷りける時に、主の衣を着せたりけるを、朝に返すとて詠みける 紀友則 蟬の羽の夜の衣は薄けれど、移り香濃くも匂いぬるかな 行き先の方角が良くないので方違えで、知り合いの家を訪ねた時に、あるじが衣を貸してくれたので、朝に返す時に詠んだ歌 紀友則 蝉の羽根のように夜に着た衣は薄いものでしたが、あなたの

        • 古今集巻第十七 雑歌上 875番

          女どもの、見てわらひければよめる けむげいほふし かたちこそみ山がくれの朽木なれ心は花になさばなりなむ 女共の、見て笑ひければ詠める 兼芸法師 形こそ深山隠れの朽木なれ心は花に為さばなりなむ 女官達が私を見て笑ったので詠んだ歌 兼芸法師(けんげいほうし) 見た目は深い山の朽木であっても、心は花にしようと思えばできるのだよ 「形」は、姿形、容貌、器量ですが、「深山の朽ちた木」と言っているので顔か立ち姿のことなのでしょう。自分で自分を朽木と言うのだから、なんらかの自覚がある

        古今集巻第十七 雑歌上 878番

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        • プログラミングのまとめ
          26本

        記事

          古今集巻第十七 雑歌上 874番

          寛平御時、うへのさぶらひに侍りけるをのこども、かめをもたせて、きさいの宮の御方に、おほみきのおろしときこえに奉りたりけるを、蔵人どもわらひて、かめをおまへにもて出でて、ともかくもいはずになりにければ、つかひのかへりきて、さなむありつるといひければ、蔵人のなかにおくりける としゆきの朝臣 玉だれのこがめやいづらこよろぎのいその波わけおきにいでにけり 寛平御時、上の侍に侍りける男共、瓶を持たせて、后の宮の御方に、大御酒の下ろしと聞こえに奉りけるを、蔵人共笑ひて、瓶を御前に持て出

          古今集巻第十七 雑歌上 874番

          古今集巻第十七 雑歌上 873番

          五節のあしたに、簪の玉のおちたりけるを見て、たがならむととぶらひてよめる 河原左大臣 ぬしやたれとへどしら玉いはなくにさらばなべてやあはれとおもはむ 五節の朝に、簪の玉の落ちたりけるを見て、誰がならむと訪ぶらひて詠める 河原左大臣 主や誰問へど白玉言はなくに然らば並べてやあはれと思はむ 五節の舞の翌朝に、簪(かんざし)の玉が落ちていたのを見つけて、誰のものであろうと舞姫達の局を訪ねて詠んだ歌 河原左大臣(かはらのひだりのおほいまうちぎみ) 誰のものであろうかと問うても「白

          古今集巻第十七 雑歌上 873番

          古今集巻第十七 雑歌上 872番

          五節のまひひめを見てよめる よしみねのむねさだ あまつかぜ雲のかよひぢふきとぢよをとめのすがたしばしとどめむ 五節の舞姫を見て詠める 良岑宗貞 天津風雲の通い路吹き閉じよ乙女の姿しばし留めむ 五節(ごせち)の舞姫を見て詠んだ歌 良岑宗貞 天の風よ、雲が通る道を吹き閉じてしまえ、天女の舞姿をもうしばらくここに留めてほしいから 五節の舞は、新嘗祭の時に行われる5人の少女の舞。これを天女にたとえて、天上に帰れないように雲間の通り道を風が閉ざせば良いのに、そうすればもって見てい

          古今集巻第十七 雑歌上 872番

          古今集巻第十七 雑歌上 871番

          二条のきさきの、まだ東宮のみやすん所と申しける時に、大原野にまうでたまひける日よめる なりひらの朝臣 大原や小塩の山もけふこそは神代のことも思ひいづらめ 二条の后の、まだ東宮の御息所と申しける時に、大原野に詣で給ひける日詠める 業平の朝臣 大原や小塩の山も今日こそは神代のことも思ひ出づらめ 二条の后が、まだ東宮の御息所と呼ばれていた時に、大原野神社にお参りになる日に詠んだ歌 在原業平 大原の小塩の山の神も二条の后と共に、今日と言う日は神代のことを思い出して、お喜びであろう

          古今集巻第十七 雑歌上 871番

          古今集巻第十七 雑歌上 870番

          石上の並松が宮づかへもせで、石上といふ所にこもり侍りけるを、にはかにかうぶりたまはれりければ、よろこびいひつかはすとて、よみてつかはしける ふるのいまみち 日のひかりやぶしわかねばいそのかみふりにし里に花もさきけり 石上並松(いそのかみのなみまつ)が宮仕へもせで、石上と言ふ所に籠もり侍りけるを、俄に冠賜れりければ、喜び言ひ遣はすとて、詠みて遣はしける 布留今道 日の光、薮し分かねば石上、古りにし里に花も咲きけり 石上の並松が宮仕えもしないで、石上と言う所に籠もっていたとこ

          古今集巻第十七 雑歌上 870番

          古今集巻第十七 雑歌上 869番

          大納言ふぢはらのくにつねの朝臣、宰相より中納言になりける時、そめぬ袍のあやをおくるとてよめる 近院右のおほいまうちぎみ 色なしと人やみるらむ昔よりふかき心にそめてしものを 大納言藤原国経朝臣、宰相より中納言になりける時、染めぬ袍(うへのきぬ)の綾を送るとて詠める 近院右の大臣 色無しと人や見るらむ昔より深き心に染めてしものを 大納言の藤原国経が、参議から中納言になった時、染めていない上着の絹の綾織りを送ろうと思って詠んだ歌 近院右の大臣(こんいんのみぎのおほいまうちぎみ)

          古今集巻第十七 雑歌上 869番

          古今集巻第十七 雑歌上 868番

          めのおとうとをもて侍りける人に、うへのきぬをおくるとて、よみてやりける なりひらの朝臣 紫の色こき時はめもはるに野なる草木ぞわかれざりける 女の弟を持て侍りける人に、上の衣を送るとて、詠みて遣りける 業平の朝臣 紫の色濃き時は目も遥に野なる草木ぞ分かれざりける 私の妻の妹を妻としている人に、上着の袍を送ろうと思って、詠んで届けた歌 在原業平 紫草の色が濃い時は目にも遥かに見渡せて、野にある草木を見分けることはできないものだ 意味がよくわかりませんが、 「紫の色濃き」は、

          古今集巻第十七 雑歌上 868番

          古今集巻第十七 雑歌上 867番

          題しらず よみ人しらず 紫のひともとゆゑにむさし野の草はみながらあはれとぞ見る 題知らず 詠み人知らず 紫の一本故に武蔵野の草は皆がらあはれとぞ見る 紫草の一本がそこにあるから、武蔵野の草は全てが素晴らしいと思う 「皆がら」は、ことごとく、残らずすべて、の意味です。 雑歌だと言うことで、解釈がしにくいです。恋の歌なら、その女性一人が好きだと、女性の持ち物や住処、縁者など、全てが愛おしく思えると言うことになります。雑歌なので、その友人がいるので「ゆゑ」あるもの全てが大切

          古今集巻第十七 雑歌上 867番

          古今集巻第十七 雑歌上 866番

          題しらず よみ人しらず 限りなき君がためにとをる花はときしもわかぬ物にぞありける ある人のいはく、この歌は、さきのおほいまうち君のなり 題知らず 詠み人知らず 限り無き君が為にと折る花は時しも分かぬ物にぞありける ある人の曰く、この歌は先の大臣(おほいまうちぎみ)のなり 限りないあなたの為にと折る花は、季節にも関係なく咲くものであった ある人が言うには、この歌は先の大臣の歌である 「限り無き君」は、生命や地位などが限りないことで、相手を誉め称える言葉です。 「時しも分か

          古今集巻第十七 雑歌上 866番

          古今集巻第十七 雑歌上865番

          題しらず よみ人しらず うれしきを何につつまむ唐衣たもとゆたかにたてといはましを 題知らず 詠み人知らず 嬉しきを何をに包まむ唐衣袂豊かに裁てとい言はましを この嬉しいことを何に包んで残して置こうか、そうと知っていたのなら、唐衣の袂を大きく裁ってくれと言っておけば良かった とても嬉しい事なので、衣の袂に入れて持ち帰れるように、大きく作って貰えば良かった、とはしゃいでいます。 唐衣(からごろも)は、もともとは唐の衣服ですが、日常の衣服をこう呼びます。 #古今集, #雑歌

          古今集巻第十七 雑歌上865番

          古今集巻第十七 雑歌上864番

          題しらず よみ人しらず 思ふどちまとゐせる夜は唐錦たたまくをしき物にぞありける 題知らず 詠み人知らず 思ふどち円居せる夜は唐錦裁たまく惜しき物にぞありける 思う者同士で車座になって楽しく過ごす夜は、唐錦を裁つのが惜しいのと同じで、座から立って離れるのが惜しいものだ 「どち」は、「~同士」です。「思ふどち」は思い合う者同士。友人のこと。恋の相手には、あまり使いません。 「まとゐ」は、「まどゐ、円居、団居」です。 「たたまくをしき」は、「もし裁ったなら残念だ」、「もし立っ

          古今集巻第十七 雑歌上864番

          古今集巻第十七 雑歌上 863番

          題しらず よみ人しらず わがうへに露ぞおくなるあまの川とわたる舟のかひのしづくか 題知らず 詠み人知らず 我が上に露ぞ置くなる天の川、門渡る舟の櫂の雫か 我が衣の上に露が置いているように濡れている、天の川の川門を渡る舟の櫂の雫なのだろうか 櫂の雫(かひのしづく)は、天の川と言っているので、牽牛が織女のところへ通う舟の櫂から落ちてくる雫です。これだけではなんのことかわかりません。とにかく濡れている理由を織姫彦星に当てて想像しただけです。 この歌は、伊勢物語59段に出てお

          古今集巻第十七 雑歌上 863番