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古今集巻第十八 雑歌下 944番

題しらず
よみ人しらず
山里はもののわびしきことこそあれ世のうきよりは住みよかりけり

山里は物の侘びしき事こそ有れ、世の憂きよりは住み良かりけり

世間を離れて山里で暮らすのは侘びしいことがあるが、世間の憂いがあるよりは、住み良いものだ

三句目が字余りです。
世を捨てて山里で隠遁するような生活を送ると、何かにつけて侘びしいことが多いものだが、世間の憂いの多さよりは、遥かに暮らしやすい、という歌です。出世、お金、生活苦、仕事、人間関係などの苦しみよりも、自給自足の一人暮らしの方が寂しさはあっても気楽で良いと言ったところでしょう。

#古今集 , #雑歌下 , #山里 , #世の憂き

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