ちのみゆき

関西在住、奈良・京都・日本とお寺、神社、古墳、遺跡、古典、NMB48が好きな理系。その…

ちのみゆき

関西在住、奈良・京都・日本とお寺、神社、古墳、遺跡、古典、NMB48が好きな理系。その時々に残したいことを書こうと思います。

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  • プログラミングのまとめ

    有用だなと思うプログラミングでの数値計算方法やアルゴリズムなどに関する記事を集めていきます。プログラミング言語は自分で書いたものはExcel VBA、C#、VB.net ですが、それ以外もこだわらずに集めます。

記事一覧

古今集巻第十七 雑歌上 886番

題しらず よみ人しらず いそのかみふるからをののもと柏もとの心はわすられなくに 石上(いそのかみ)古幹(ふるから)小野の本柏、もとの心は忘られなくに 石上の布留の…

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古今集巻第十七 雑歌上 885番

田村のみかどの御時に、斎院に侍りけるあきらけいこのみこを、母あやまちありといひて、斎院をかへられむとしけるを、そのことやみにければよめる あま敬信 おほぞらを照り…

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古今集巻第十七 雑歌上 884番

惟喬親王の狩しける供にまかりて、やどりに帰りて、夜ひとよ酒をのみ、物がたりをしけるに、十一日の月もかくれなむとしけるをりに、みこゑひて、うちへいりなむとしければ…

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古今集巻第十七 雑歌上 883番

題しらず よみ人しらず あかずして月の隠るる山もとはあなたおもてぞ恋しかりける 飽かずして月の隠るる山元はあなた面ぞ恋しかりける まだ十分に満足していないのに、月…

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古今集巻第十七 雑歌上 882番

題しらず よみ人しらず あまの川雲のみをにてはやければひかりとどめず月ぞながるる 天の川雲の水脈(みを)にて速ければ光留めず月ぞ流るる 天の川は雲が水脈となって速…

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古今集巻第十七 雑歌上 881番

池に月の見えけるをよめる きのつらゆき ふたつなきものと思ひしをみなそこに山のはならでいづる月影 二つ無き物と思ひしを水底に山の端ならで出づる月影 池に月が映って…

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古今集巻第十七 雑歌上 880番

月おもしろしとて、凡河内躬恒がまうできたりけるによめる きのつらゆき かつみれどうとくもあるかな月影のいたらぬ里もあらじと思へば 月おもしろしとて、凡河内躬恒がも…

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古今集巻第十七 雑歌上 879番

題しらず なりひらの朝臣 おほかたは月をもめでじこれぞこのつもれば人の老となるもの 題知らず 業平の朝臣 大方は月をも愛でじこれぞこの積もれば人の老となるもの 今は…

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古今集巻第十七 雑歌上 878番

題しらず よみ人しらず わが心なぐさめかねつ更級やをばすて山にてる月を見て 我が心慰めかねつ更級や姨捨山に照る月を見て 旅に出た私の心は慰められなかった、更級の姨…

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古今集巻第十七 雑歌上 877番

題しらず よみ人しらず おそく出づる月にもあるかなあしひきの山のあなたもをしむべらなり 遅く出づる月にもあるかな、あしひきの山のあなたも惜しむべらなり 遅く出た月…

ちのみゆき
10日前
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古今集巻第十七 雑歌上 876番

方たがへに人の家にまかりける時に、あるじのきぬを着せたりけるを、あしたにかへすとてよみける きのとものり 蟬のはのよるの衣はうすけれどうつり香こくもにほひぬるかな…

ちのみゆき
11日前
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古今集巻第十七 雑歌上 875番

女どもの、見てわらひければよめる けむげいほふし かたちこそみ山がくれの朽木なれ心は花になさばなりなむ 女共の、見て笑ひければ詠める 兼芸法師 形こそ深山隠れの朽木…

ちのみゆき
12日前
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古今集巻第十七 雑歌上 874番

寛平御時、うへのさぶらひに侍りけるをのこども、かめをもたせて、きさいの宮の御方に、おほみきのおろしときこえに奉りたりけるを、蔵人どもわらひて、かめをおまへにもて…

ちのみゆき
2週間前
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古今集巻第十七 雑歌上 873番

五節のあしたに、簪の玉のおちたりけるを見て、たがならむととぶらひてよめる 河原左大臣 ぬしやたれとへどしら玉いはなくにさらばなべてやあはれとおもはむ 五節の朝に、…

ちのみゆき
2週間前
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古今集巻第十七 雑歌上 872番

五節のまひひめを見てよめる よしみねのむねさだ あまつかぜ雲のかよひぢふきとぢよをとめのすがたしばしとどめむ 五節の舞姫を見て詠める 良岑宗貞 天津風雲の通い路吹き…

ちのみゆき
2週間前
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古今集巻第十七 雑歌上 871番

二条のきさきの、まだ東宮のみやすん所と申しける時に、大原野にまうでたまひける日よめる なりひらの朝臣 大原や小塩の山もけふこそは神代のことも思ひいづらめ 二条の后…

ちのみゆき
2週間前
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古今集巻第十七 雑歌上 886番

題しらず よみ人しらず いそのかみふるからをののもと柏もとの心はわすられなくに 石上(いそのかみ)古幹(ふるから)小野の本柏、もとの心は忘られなくに 石上の布留の名前と同じように、古い幹が残った野原の本柏のように、もともと最初に会った時の心は忘れることができないものだ 石上の布留(ふる)は天理市の地名。次の古幹(ふるから)を言うためのきっかけです。平安の人にとっては、布留の地は懐かしいふる里の印象なのだと思います。 古幹小野(ふるからをの)は、去年の幹が枯れて残っている

古今集巻第十七 雑歌上 885番

田村のみかどの御時に、斎院に侍りけるあきらけいこのみこを、母あやまちありといひて、斎院をかへられむとしけるを、そのことやみにければよめる あま敬信 おほぞらを照りゆく月しきよければ雲かくせどもひかりけなくに 田村の帝の御時に、斎院に侍りける慧子内親王(あきらけいこのみこ)を、母過ち有りと言ひて、斎院を替へられむとしけるを、そのこと辞みにければ詠める 尼敬信(あまのきょうしん) 大空を照り行く月し清ければ雲隠せども光消(け)なくに 文徳天皇の御代に斎院でいらっしゃった慧子内

古今集巻第十七 雑歌上 884番

惟喬親王の狩しける供にまかりて、やどりに帰りて、夜ひとよ酒をのみ、物がたりをしけるに、十一日の月もかくれなむとしけるをりに、みこゑひて、うちへいりなむとしければ、よみ侍りける なりひらの朝臣 あかなくにまだきも月のかくるるか山のはにげていれずもあらなむ 惟喬親王(これたかのみこ)の狩しける供に罷りて、宿りに帰りて、夜一夜酒を飲み、物語りをしけるに、十一日の月も隠れなむとしける折に、親王(みこ)酔ひて、内へ入りなむとしければ、詠み侍りける 業平の朝臣 飽かなくに未だきも月の隠

古今集巻第十七 雑歌上 883番

題しらず よみ人しらず あかずして月の隠るる山もとはあなたおもてぞ恋しかりける 飽かずして月の隠るる山元はあなた面ぞ恋しかりける まだ十分に満足していないのに、月が隠れてしまったここの山の麓にいると、あの向こう側のまだ月が見える山の面が、なんとも恋しく、行ってみたいものだ 「飽かず」は、飽きていない、つまり、まだ飽きるほどには見ていない、満足していないことです。 「あなたおもて」は、あちら側の山の面のことです。ここは月が隠れてしまったが、あちら側では月が見える、そこが良

古今集巻第十七 雑歌上 882番

題しらず よみ人しらず あまの川雲のみをにてはやければひかりとどめず月ぞながるる 天の川雲の水脈(みを)にて速ければ光留めず月ぞ流るる 天の川は雲が水脈となって速く流れるので、光を留めることもなく月は流れていく 「みを」は、水脈、澪です。深い水の流れのことですが、ここでは雲の流れのこと。それが速く流れるので、月も光も流されていく、という歌です。ちょっとわかりにくいです。 #古今集, #雑歌上, #天の川, #水脈, #月

古今集巻第十七 雑歌上 881番

池に月の見えけるをよめる きのつらゆき ふたつなきものと思ひしをみなそこに山のはならでいづる月影 二つ無き物と思ひしを水底に山の端ならで出づる月影 池に月が映って見えているのを詠んだ歌 紀貫之 二つは無い美しい物と思っていたのに、水底に映る月、山の端ではなく、水底から昇る月の光は、なんと美しいことか 月と言えば山の端から昇るものが唯一の美しいものとされているが、池に映る月もきれいなものだ、と言う歌です。少し理屈っぽいところが紀貫之らしい感じだと思います。 月影は、月の

古今集巻第十七 雑歌上 880番

月おもしろしとて、凡河内躬恒がまうできたりけるによめる きのつらゆき かつみれどうとくもあるかな月影のいたらぬ里もあらじと思へば 月おもしろしとて、凡河内躬恒がもうで来たりけるに詠める 紀貫之 且つ見れど疎くもあるかな月影の至らぬ里もあらじと思へば 月が趣深いと言って、凡河内躬恒が訪ねて来たので詠んだ歌 紀貫之 月は趣深いけれど、一方では疎ましいくもあるものだ、月の光が届かない里などないと思うから 「月影の至らぬ里もあらじ」というのは、自分の家だけでなくてどこに行っても

古今集巻第十七 雑歌上 879番

題しらず なりひらの朝臣 おほかたは月をもめでじこれぞこのつもれば人の老となるもの 題知らず 業平の朝臣 大方は月をも愛でじこれぞこの積もれば人の老となるもの 今はもう、たいていは美しい月も愛でることはない、この月こそこが積もって、人の老となるものだからだ 空の月と年月の月を掛けています。空の月が毎日出ては隠れると、それは年月が経つことを意味するので、もう若くないので空の月を素直に美しいと喜べない、という歌です。 この歌は伊勢物語の88段にも出ています。 昔いと若き

古今集巻第十七 雑歌上 878番

題しらず よみ人しらず わが心なぐさめかねつ更級やをばすて山にてる月を見て 我が心慰めかねつ更級や姨捨山に照る月を見て 旅に出た私の心は慰められなかった、更級の姨捨山に照る月を見ていると 美しい月が照らす姨捨山という両極を一緒に見たことで、穏やかな気持ちにはならなかったのでしょう。 更級の姨捨山は、長野県更級郡にあるそうです。 #古今集, #雑歌上, #更級, #姨捨山, #月

古今集巻第十七 雑歌上 877番

題しらず よみ人しらず おそく出づる月にもあるかなあしひきの山のあなたもをしむべらなり 遅く出づる月にもあるかな、あしひきの山のあなたも惜しむべらなり 遅く出た月であることだ、美しく裾を引く山の向こう側、月が隠れた向こう側でも月を惜しんでいることであるだろう 今自分が見ている月は、西の山に隠れてしまう、それが惜しい。そして山の向こう側でも、さらに西の山にやがて月は隠れてしまう、そこにいる人も月を惜しんでいるだろう、という歌です。 風景が想像しやすい歌だと思います。 「べ

古今集巻第十七 雑歌上 876番

方たがへに人の家にまかりける時に、あるじのきぬを着せたりけるを、あしたにかへすとてよみける きのとものり 蟬のはのよるの衣はうすけれどうつり香こくもにほひぬるかな 方違へに人の家に罷りける時に、主の衣を着せたりけるを、朝に返すとて詠みける 紀友則 蟬の羽の夜の衣は薄けれど、移り香濃くも匂いぬるかな 行き先の方角が良くないので方違えで、知り合いの家を訪ねた時に、あるじが衣を貸してくれたので、朝に返す時に詠んだ歌 紀友則 蝉の羽根のように夜に着た衣は薄いものでしたが、あなたの

古今集巻第十七 雑歌上 875番

女どもの、見てわらひければよめる けむげいほふし かたちこそみ山がくれの朽木なれ心は花になさばなりなむ 女共の、見て笑ひければ詠める 兼芸法師 形こそ深山隠れの朽木なれ心は花に為さばなりなむ 女官達が私を見て笑ったので詠んだ歌 兼芸法師(けんげいほうし) 見た目は深い山の朽木であっても、心は花にしようと思えばできるのだよ 「形」は、姿形、容貌、器量ですが、「深山の朽ちた木」と言っているので顔か立ち姿のことなのでしょう。自分で自分を朽木と言うのだから、なんらかの自覚がある

古今集巻第十七 雑歌上 874番

寛平御時、うへのさぶらひに侍りけるをのこども、かめをもたせて、きさいの宮の御方に、おほみきのおろしときこえに奉りたりけるを、蔵人どもわらひて、かめをおまへにもて出でて、ともかくもいはずになりにければ、つかひのかへりきて、さなむありつるといひければ、蔵人のなかにおくりける としゆきの朝臣 玉だれのこがめやいづらこよろぎのいその波わけおきにいでにけり 寛平御時、上の侍に侍りける男共、瓶を持たせて、后の宮の御方に、大御酒の下ろしと聞こえに奉りけるを、蔵人共笑ひて、瓶を御前に持て出

古今集巻第十七 雑歌上 873番

五節のあしたに、簪の玉のおちたりけるを見て、たがならむととぶらひてよめる 河原左大臣 ぬしやたれとへどしら玉いはなくにさらばなべてやあはれとおもはむ 五節の朝に、簪の玉の落ちたりけるを見て、誰がならむと訪ぶらひて詠める 河原左大臣 主や誰問へど白玉言はなくに然らば並べてやあはれと思はむ 五節の舞の翌朝に、簪(かんざし)の玉が落ちていたのを見つけて、誰のものであろうと舞姫達の局を訪ねて詠んだ歌 河原左大臣(かはらのひだりのおほいまうちぎみ) 誰のものであろうかと問うても「白

古今集巻第十七 雑歌上 872番

五節のまひひめを見てよめる よしみねのむねさだ あまつかぜ雲のかよひぢふきとぢよをとめのすがたしばしとどめむ 五節の舞姫を見て詠める 良岑宗貞 天津風雲の通い路吹き閉じよ乙女の姿しばし留めむ 五節(ごせち)の舞姫を見て詠んだ歌 良岑宗貞 天の風よ、雲が通る道を吹き閉じてしまえ、天女の舞姿をもうしばらくここに留めてほしいから 五節の舞は、新嘗祭の時に行われる5人の少女の舞。これを天女にたとえて、天上に帰れないように雲間の通り道を風が閉ざせば良いのに、そうすればもって見てい

古今集巻第十七 雑歌上 871番

二条のきさきの、まだ東宮のみやすん所と申しける時に、大原野にまうでたまひける日よめる なりひらの朝臣 大原や小塩の山もけふこそは神代のことも思ひいづらめ 二条の后の、まだ東宮の御息所と申しける時に、大原野に詣で給ひける日詠める 業平の朝臣 大原や小塩の山も今日こそは神代のことも思ひ出づらめ 二条の后が、まだ東宮の御息所と呼ばれていた時に、大原野神社にお参りになる日に詠んだ歌 在原業平 大原の小塩の山の神も二条の后と共に、今日と言う日は神代のことを思い出して、お喜びであろう