題しらず
読人しらず
いく世しもあらじわが身をなぞもかくあまのかるもに思ひみだるる
題知らず
詠み人知らず
幾世しも有らじ我が身を何ぞもかく海人の刈る藻に思ひ乱るる
もう幾年もこの世にはいないだろう我が身なのに、どうしてこのような海人が刈る藻のように、思いが乱れるのだろう
自分の思いを、海人が刈った藻が、絡まって乱れている様子に喩えています。思いが乱れるのは、和歌では一般的に恋ですが、雑歌の巻に入っているので、悩みの原因は、老いや暮し向き、出世などかもしれません。
#古今集 , #雑歌下 , #幾世 , #海人 , #藻