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古今集巻第十八 雑歌下 940番

題しらず
よみ人しらず
あはれてふ言の葉ごとにおくつゆは昔をこふる涙なりけり

あはれちょう言の葉ごとに置く露は昔を恋ふる涙なりけり

「ああ」と言う嘆きの言葉ごとに、その葉に置く露は、昔を恋い偲んで流す涙なのであろう

言葉、言の葉を、草木の葉に喩えています。言の葉の一つひとつに思い出があり、それを偲んで涙を流す、それを草木の葉っぱの一つひとつに露が下りることになぞらえたものです。
「あはれ」は、素晴らしいと思ったときに漏れる「ああ」という感動詞。「てふ」は「ちょう」と読んで「~という」の意味です。

#古今集 , #雑歌下 , #言の葉 , #露 , #涙

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