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古今集巻第十八 雑歌下 936番

題しらず
小野たかむら朝臣
しかりとてそむかれなくに事しあればまづなげかれぬあな憂世の中

題知らず
小野篁朝臣
然りとて背かれなくに事し有ればまづ嘆かれぬあな憂世の中

そうかと言って世を捨てることも出来ないのに。なにか事が起きれば、まずは嘆かわしく思う、ああ悲しい世の中だ

「背く(そむく)」は、背中を向けること。世の中に背中を向ける、つまり世を捨てて出家することです。
「あな憂(あなう)」は、あな+憂、ああ憂鬱だ、です。

小野篁は剛胆な人で、正論を言い張って配流になったりしていますし、夜は井戸からあの世に行って閻魔さまの補佐をしていたなどの伝説もあります。
そう言う人の、嫌な世の中だなあという嘆きの歌です。

#古今集 , #雑歌下 , #小野篁 , #あな憂 , #世の中

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