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言の葉を書き綴っています🌸古くから愛されてきた和歌の現代語訳詩や、好きなものを自由に発…

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言の葉を書き綴っています🌸古くから愛されてきた和歌の現代語訳詩や、好きなものを自由に発信していきます。

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あらためまして、自己紹介。

そういえば 自己紹介を書いていなかったので、 あらためて書いてみます。 わたしはふだんは お花にかかわる仕事をしています。 好奇心旺盛で 「好き」なものがとにかく沢山あり、 それを追いかけるための行動力は抜群(笑) ものだけでなく 基本的に「人」が好き。 話すことも大好き。 教師を職業にはしていませんが、 中学高校の国語科の教員免許を持っています。 人からよく言われる性格は、 話しやすい、聞き上手、親しみやすい、 明るくて元気、素直、ピュアかな。 「好き」なものの

    • 日本のしきたりにまつわる本

      こんにちは。 今日は、お気に入りの本たちを紹介します♪ 「にほんの行事と四季のしつらい」広田千悦子 日本の行事と季節の折に飾り供えられた「しつらい」が、美しい写真でたっぷりと紹介されています。 本書に掲載されたしつらいは、花などの植物を使った飾りが主になっています。  たとえば今の時期のしつらいは、厄除けのために玄関に紫陽花を逆さに吊るす「紫陽花守」など。 この本を眺めるたびに心が安らぎ、また、背筋がしゃんと伸びます。 「日本の暦と生きるていねいな暮らし」康光岐

      • 万葉集の七夕歌の世界

        みなさまごきげんよう。 本日は七月七日、七夕の日ですね🎋🌌 万葉集の時代から 七夕の物語は語られ、 多くの歌が残されています💫 「天の海に雲の波立ち  月の船星の林に漕ぎ隠る見ゆ」 天という大きな海に雲が流れるように波立ち、 月の船が星の林にゆったりと漕ぎ出して、 隠れるのが見えるよ。 「この夕(ゆふべ)降り来る雨は  彦星のはや漕ぐ舟の櫂(かい)の散りかも」 七夕の夕方に天から降ってくる雨は、 彦星が織姫に早く逢いたいという一心で 天の川を船で漕ぎ進む かじから飛

        • 和歌「君恋ふる心は千々にくだくれど」

          「君恋ふる心は千々にくだくれど  ひとつも失せぬものにぞありける」和泉式部 あなたに恋する心は傷付いて、 粉々に砕けてしまった それでも砕けた心のカケラは 一つもなくならずにありつづけるの その想いのカケラのすべてが、 私には切ないほど愛おしいものなのよ 痛くて苦しくて、 ボロボロに砕けた心の欠片をかき集めては 大切に抱きしめる いくら傷付いても、 それでもやっぱりあなたが好き だからこの想いを忘れられない、 忘れたくないの…

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        あらためまして、自己紹介。

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        • 小説「春枕」
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          夏を焼く夕空。

          夏を焼く夕空。

          暦の本が大好きで色々と仕入れました。一度まとめて記事にして、一冊一冊紹介していきますね♪

          暦の本が大好きで色々と仕入れました。一度まとめて記事にして、一冊一冊紹介していきますね♪

          2024年あじさい

          今年は暑い日が続いて 雨が降る日も少なかったためか、 あじさいの見頃の時期が短かったですね。 2024年のあじさい写真を振り返ります。 hydrangea(あじさい)は、 「水の器」という意味を持ちます。 雨をたっぷり飲んでたくわえる。 絵の具をにじませたような淡い色合いも、 水を感じる涼やかさ。 幻想的な美しさのある花です。 お楽しみいただけたでしょうか♪ 梅雨が明ければ、いよいよ夏。 ひまわりの季節がやってきますね🌻 季節の変わり目、 体調を崩されないよう

          2024年あじさい

          紫陽花を見に行った後に、 紫陽花ゼリーをいただきました。 紫色の上層はバタフライティー味。 ミントのような爽やかな味がしました。 白色の下層はパンナコッタ。 生クリームの優しい甘さに癒された〜。 濃いむらさき色の紫陽花が綺麗だと思って写真に撮ったら、ゼリーと同じ色をしてたよ。

          紫陽花を見に行った後に、 紫陽花ゼリーをいただきました。 紫色の上層はバタフライティー味。 ミントのような爽やかな味がしました。 白色の下層はパンナコッタ。 生クリームの優しい甘さに癒された〜。 濃いむらさき色の紫陽花が綺麗だと思って写真に撮ったら、ゼリーと同じ色をしてたよ。

          暦とともに生きていく

          私は、暦に則した暮らしに憧れがあり、その季節ならではの行事やしきたりを、大切にしながら生きていきたいと思っています。 そんな私にぴったりな一冊を発見しました! こちら「日本の365日を愛おしむ」という本です。 この本では、今日が何の日か?も紹介してくれています。(ちなみに、本日5月26日は生酒の日らしい) オールカラーで楽しくわかりやすい一冊になっています♪ また、私は季節や自然に関係する美しい日本語も大好きで、本で新しく知った言葉を、ノートにせっせと書き溜めていま

          暦とともに生きていく

          朝日を浴びると、私は生かされていると感謝の思いが湧いてくる。この命は、祝福されて産まれてきたのだと。夕陽は慈悲の色。その光は、すべてを優しく包み込み、慰めてくれる。 私達は愛されてゆるされていると、お日様はいつも教えてくれる。だから私は今日も、顔を上げて生きてゆく。まっすぐに。

          朝日を浴びると、私は生かされていると感謝の思いが湧いてくる。この命は、祝福されて産まれてきたのだと。夕陽は慈悲の色。その光は、すべてを優しく包み込み、慰めてくれる。 私達は愛されてゆるされていると、お日様はいつも教えてくれる。だから私は今日も、顔を上げて生きてゆく。まっすぐに。

          「紫陽花はひと雨ごとに色づく。だからあなたも、涙で洗われるたびに綺麗になれるよ」と慰めてくれた人がいた。 思いきり泣いた私は「向日葵のようだね」と言われるくらい、明るく笑えるようになった。 今年も梅雨が明けたら夏が来る。あの人に、暑中お見舞いの葉書を出そう。私は元気です、と。

          「紫陽花はひと雨ごとに色づく。だからあなたも、涙で洗われるたびに綺麗になれるよ」と慰めてくれた人がいた。 思いきり泣いた私は「向日葵のようだね」と言われるくらい、明るく笑えるようになった。 今年も梅雨が明けたら夏が来る。あの人に、暑中お見舞いの葉書を出そう。私は元気です、と。

          小説「春枕」エピローグ

          一年がめぐり、ふたたび春がやってきた。 今年もまた、桜の季節だ。 わたし春花は、いつもそうしているように桜の木の机を撫でた。 この木を机に仕立て上げてくれた宮大工さんは、言った。 「この桜が生きるように、自分なりに真剣に向き合います」と。 宮大工さんに新しい命を吹き込まれた桜は、確かにここで、わたしとともに生きている。 春がやってきても、もう二度と、この木は花を咲かせることはない。 しかし、春枕を訪れたお客さまの心の中に、永遠に散ることのない花を咲かせる。 臆病さに

          小説「春枕」エピローグ

          小説「春枕」第七章〜冬ながら空より花の散りくるは(2)〜

          (つづき) 「そう言ってもらえると有り難いよ。  詠み手である清原深養父はきっと、もしもこの真っ白な雪が花であったなら…この雪ぐれの空のかなたが春であったなら…と想像すると、雪は美しく、息を吐く寒さも愛おしく思えてきたのだと思うよ。  かならず冬は終わって、春がやって来るんだ。そう、希望の春がね」 「ふふふ。さすが小説家の卵さんですね。とても詩的です。  翔真さんに美しい春がやって来ますように願いを込めて、沈丁花のお茶をお出ししますね。  わたしとこの桜の木は、心

          小説「春枕」第七章〜冬ながら空より花の散りくるは(2)〜

          小説「春枕」第七章〜冬ながら空より花の散りくるは(1)〜

          冬。 じっと耐えて、春を待つ季節。 今年も冬将軍がやって来た。まるで心まで凍ってしまうかのような辛く厳しい寒さの中、行く場所もなく、僕•水原翔真は東京の街を彷徨っていた。 金が底をつき、もう何日も食事をとっていない。彼女に捨てられ、居候していた家を追い出された。僕にはもう、何にも残っていなかった。 あまりの空腹に耐えきれず、その場にしゃがみ込んでしまった僕を怪訝な目で一瞥して、人は通り過ぎてゆく。 そんな中、一人の女性が歩いてきた。凛としていて、とても美しい人だ。まる

          小説「春枕」第七章〜冬ながら空より花の散りくるは(1)〜

          小説「春枕」第六章〜心あてに折らばや折らん(2)〜

          (つづき) 「前略 横田春花さま  先日は、お手紙いただきありがとうございました。  春花さんの『心あてに折らばや折らん初霜の』の歌の解釈、興味深く拝読しました。  辛く厳しいこの世界に生きていながら、美しいものや善なるものを見つめようとする、心の清らかさ。その純粋さ、芯の強さは何ものにもかえがたいものですね。とても春花さんらしい解釈だなと感じましたよ。  春花さんが真っ白な世界を見るのだとしたら、わたしは真っ赤な世界を見ます。  『我が宿にもみつ蝦手(かえるて)

          小説「春枕」第六章〜心あてに折らばや折らん(2)〜

          小説「春枕」第六章〜心あてに折らばや折らん(1)〜

          晩秋。 秋も終わりに近づき、冬が近づく頃。 今朝起きて襖を開けて外に出ると、吐く息が白いことに気が付いた。いよいよこれから本格的に寒くなっていくのだ。 春枕にいらっしゃるお客さまには、熱いお茶を用意して差し上げよう。そんなことを思いながら外に出て足元を見ると、霜が下りていた。 ついに、わたしが一番好きな和歌の季節がやってきたのだ。この気持ちを誰かと分かち合いたい。 はやる気持ちでわたしは便箋を手に取り、湧き出た思いを言葉にする。 「前略 緑川若菜さま  今朝方、目

          小説「春枕」第六章〜心あてに折らばや折らん(1)〜