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四月は僕たちの——

4月1日の朝は雨。戻ってきた町には雪がなくて、そろそろ春か、なんて気持ちになりかけていたところ、寝て起きるとそんな幻を塗り替えるようにうっすらと雪の積もった朝に迎えられました。それとも、もう雪がないなんて思った僕の方が幻だったかのように。

というわけで、無事大町に戻ってくることができました。仕事も再び始まりますが、今は束の間の小休止。さて、帰ってきてまずやることといえば、

そう。これですよね。

これ以外ないです。

………プチプチ…………じゅわ〜……(← 一句できた音)

コーヒーや部屋に染み入るサイレンス

……

…誰の句だっけな。


芭蕉「」


できました。

ひさかたの 光のどけき 春の愚者
静心なく 卓の散るらむ

Long time to see
you, shining April
why do we feel so noisy table, fool?

久しぶりに帰ってきた部屋に春ののどかな日が差しているよ。
ところで、なんでこんな散らかってるわけ?


紀友則「」


拝啓四月一日
窓を開けると
卓の上は吹きこぼれるように、
春の風に乗ってやってきた
桜の花びらでいっぱいです。


今日は、
そんな嘘も悪くない。


「いや片付けろよ…コーヒー淹れてる場合か」

ひとりごちた。

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