津原泰水

〈ポンチ絵〉と「プロのデッサン画」のごとき格差
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〈ポンチ絵〉と「プロのデッサン画」のごとき格差

書評:浮世博史『もう一つ上の日本史 『日本国紀』読書ノート: 近代~現代篇』『同 古代~近世篇』(幻戯書房) たいへんなベストセラーとなった、百田尚樹の『日本国紀』(幻冬舎)。しかしまた、「日本通史」を名乗るわりには、その内容があまりにも恣意的であり事実誤認の多いこと、さらには無断転用(コピペなど)の多いことまでもが問題となった「話題の書」だったが、本書は、その『日本国紀』を、学術研究の成果に照らして検証し、その誤りを懇切丁寧に正した、上下巻合わせて900ページに及ぶ、大部

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尾崎翠 原案、津原泰水 著『瑠璃玉の耳輪』

尾崎翠 原案、津原泰水 著『瑠璃玉の耳輪』

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津原泰水 たまさか人形堂物語
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津原泰水 たまさか人形堂物語

私の好きな小説家さん、津原泰水さんの作品で、『たまさか人形堂ものがたり』というものがある。 これは人形屋さんが舞台の小説で、玉阪人形堂を引き継ぐことになった元会社勤めの澪と、年下イケメンの人形職人冨永、訳あり寡黙な優しい老職人師村の3人が主人公の、連作ものの小説である。 既刊は2冊あって、『たまさか人形堂それから』という作品が続編に該当する。 人形職人の話ではあるが、主人公の澪さんはその手の話に関しては読者同様の素人のため、読み手の視線と同化する。 セルロイドの人形やテデ

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TSUHARA crybaby
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TSUHARA crybaby

書評:津原泰水『ヒッキーヒッキーシェイク』(ハヤカワ文庫) Amazonレビューをざっと眺めて、いささか苛ついた。 読みもしないで酷い点をつけるというのは、ネトウヨたちがパヨク認定した著者の本に対して、いつもやっていることだし見慣れてもいるが、それに対抗する方も、まともな作品評価を置去りにして、「傑作」の連呼だの「文庫版を読め」のといった「政治運動」をやっている姿には、うんざりするだけでは済まない、大衆的な度し難さを感じさせられたからである。 (※  幻冬舎文庫版『ヒッキ

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津原泰水「飼育とその技能」第6回 京都会館(6)

津原泰水「飼育とその技能」第6回 京都会館(6)

祖母や母からサンカ(広島を中心に分布していた無国籍人)の「ジリョウジ」の血を受け継ぐ大学生、界暈(さかい・かさ)は、ある事件をきっかけに「ジリョウジの力」に目覚めていた。やがてその力が、かつて広島であった恐ろしい出来事に自らを引き寄せてしまうとも知らずに。 Kirie:Shinobu Ohash 前の話へ / 連載TOPへ / 次の話へ 「三千万と聞えたが、三千円の聞き違いかの」  と慎重を期して問えば、どうして伝わったのだろうとでも問いたげな、空惚(そらとぼ)けた顔付き

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津原泰水「飼育とその技能」第5回 とうかさん(5)

津原泰水「飼育とその技能」第5回 とうかさん(5)

祖母や母からサンカ(広島を中心に分布していた無国籍人)の「ジリョウジ」の血を受け継ぐ大学生、界暈(さかい・かさ)は、ある事件をきっかけに「ジリョウジの力」に目覚めていた。やがてその力が、かつて広島であった恐ろしい出来事に自らを引き寄せてしまうとも知らずに。 Kirie:Shinobu Ohash 前の話へ / 連載TOPへ / 次の話へ 「その怪我は?」  と、おふくろは目敏く、おれの小指をくるんだセロテープに言及してきた。隠そうとしても見付かるに決まっているから、お

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津原泰水「飼育とその技能」第4回 とうかさん(4)

津原泰水「飼育とその技能」第4回 とうかさん(4)

祖母や母からサンカ(広島を中心に分布していた無国籍人)の「ジリョウジ」の血を受け継ぐ大学生、界暈(さかい・かさ)は、ある事件をきっかけに「ジリョウジの力」に目覚めていた。やがてその力が、かつて広島であった恐ろしい出来事に自らを引き寄せてしまうとも知らずに。 Kirie:Shinobu Ohash 前の話へ / 連載TOPへ / 次の話へ  リオン二階のテーブル席に身を収めたほかの二組の客は、おれの風体にぎょっとなって顔を寄せ合い、奥の香西(かさい)は「了(りょう)くん!

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日記 2021年5月 僕たちが生きる「デタラメ人間の万国ビックリショー」の世界。

日記 2021年5月 僕たちが生きる「デタラメ人間の万国ビックリショー」の世界。

5月某日 「斜線堂有紀のオールナイト読書日記」なる連載が始まっていた。  紹介文の中に「1日1冊、3年で1,000冊の本を読み、月産25万字を執筆し続ける小説家・斜線堂有紀。」とあって、読んでる量が多い=偉いみたいな感じの語り方をされていて、少し複雑な気持ちになる。  そういえば、斜線堂有紀って幾つだっけ? と改めて調べてみると、1993年4月1日とあって年下かぁ。  読書って量じゃないよね、とか本を出版したことがない僕が言っても負け惜しみにもなっていない。  と思いつ

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津原泰水「飼育とその技能」第3回 とうかさん(3)

津原泰水「飼育とその技能」第3回 とうかさん(3)

祖母や母からサンカ(広島を中心に分布していた無国籍人)の「ジリョウジ」の血を受け継ぐ大学生、界暈(さかい・かさ)は、ある事件をきっかけに「ジリョウジの力」に目覚めていた。やがてその力が、かつて広島であった恐ろしい出来事に自らを引き寄せてしまうとも知らずに。 Kirie:Shinobu Ohash 前の話へ / 連載TOPへ / 次の話へ  幼児のとき一度だけ、生身のサンカを見た。連鎖する諸々の記憶——あどけない思考の残滓(ざんし)——から類推して、おれは四、五歳。その女

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私の好きな作家① 津原泰水

私の好きな作家① 津原泰水

私の好きな作家さんの一人、津原泰水さんの作品を紹介いたします。 津原泰水さんの作品で好きな作品は ①『バレエ・メカニック』 ②『ペニス』 ③『赤い竪琴』 の3作品です。 ①のバレエ・メカニックはSF作品で、主人公の木根原は造形作家でして、彼の事故で眠ったままの娘である理沙の夢が東京を侵食していく、というお話です。 四谷シモンさんの人形が、理沙を彷彿とさせるようです。 この映画が元ネタ的なことを、解説で柳下毅一郎氏が語っていました。 シュルレアリスムをSF小説で行った形で

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