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津原泰水「綺譚集」

初めて読んだ津原泰水の作品は「五色の舟」(『11eleven』所収)であり、これは漫画(近藤ようこ作画、第18回文化庁メディア芸術祭・マンガ部門大賞)にもなっており、それも読んでいます。

「五色の舟」を知ったのは、「件」(くだん、人の顔をした牛、予言をする)について調べていた時だと思います(「五色の舟」は見せ物小屋のフリークスたちが件を探すストーリーです)。

読後、その作風に圧倒され、他の作品も読みたくなっていました。
最近、思い出したのでこの初期の短編集を読んでみました。

15作が収められていますが、バリエーションの広さと深さにまたしても圧倒されてしまいました。

作者は幻想小説、ファンタジー、SF、ミステリーと幅広く活躍しています。
そして、その作風の幻想っぷりは相当なもので、しかもどれもこれも文芸性の高い内容、文章も秀逸です。
幻想小説を読んだことのない人には恰好の手引きになるかもしれません(刺激が強すぎるかも……)。

収録作品のうち、「サイレン」「脛骨」「聖戦の記録」「黄昏抜歯」「アルバトロス」が特に面白かったです。
その詳細はあえて書かないでおきます(上手く書けなかったら、人格を誤解されそうなので😆)。

20231228

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