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五色の舟 漫画:近藤ようこ 原作:津原泰水 

昨日はなぜか そうだ京都に行こう となって 
元田中のカレー didiさんを目指した
私はdidiさんでなんかしら読みながら お酒とカレーをいただく

didiさんでカレーを

昨日は ”五色の舟”というコミックを読んで過ごした
あらすじは 戦争中 先の見えない日々を
自らの異形であることを見せ物として
糊口をしのぐ血のつながらない家族となった彼らが、
未来を忖度なく言い当てるという怪物「くだん」を
一座に加えようと旅に出るお話なのだが・・・。
津原泰水の傑作幻想短編を、近藤ようこが漫画化している。

didiさんと五色の舟

初めて読んだ。
いつもここでは奇妙なコミックを手にする。
読後 なんだか 不思議な気分なのだけれど
この感覚は あの映画 ”君たちはどう生きるか” を見た後に
少し似てるかもしれない

didiさんのサモサ

ただただ 私は 世の中って こう出来てるんだろうな
としか あの映画を見た時 思えなかった
日常の自分の思いとは裏腹に
ただただ そういう時空を 自らが選択し 生きているというか

イーマの映画館

家に戻って 原作者である津原泰水さんや 五色の舟について
調べていたら この話は どうやらコロナの時期に描かれたものらしく
全文が無料公開されていた。
https://web.kawade.co.jp/bunko/3479/
津原さんは亡くなられているが、全文公開の記事にはこう描かれていた。

<出版社 河出書房新社のオウンドメディア web河出>より引用
”誰しもがSARS-CoV-2なき世界に暮らしていた頃、僕はひとつの小説を書きました。その頃から見ても遥かに昔の出来事を、空想して描いた作品です。あるべきだった世界の姿と実際に訪れた世界の姿が、凄まじい速度で乖離していく今、僕はその空想を、改めてたくさんの方に読んでいただきたくなりました。自分の希望というよりも、果たさねばならない義理を思い出したような感覚でした。矢も楯もたまらずその日のうちに出版権を委ねている河出書房新社に相談を持ちかけましたところ、幸いにして無償公開へのご快諾を賜ることが出来ました。
 残酷で退屈な「こちら側」でのご退屈しのぎが、いまそこに居られるはずだった「むこう側」のあなた、そしてその思い描くところの凛々しい「こちら側」のあなたへと、輝かしい反射を重ねてくれますならば、かつての僕はこの小説をものした甲斐がありました。 2020年4月28日 津原泰水” とあった。

津原さんは広島のご出身で被曝二世であるとのことであった。
1964年9月4日生まれ、2022年10月2日に58歳で逝去されている。

あちら側とこちら側 
お盆に このような読み物を手にする機会を得て
私もひととき あちら側と こちら側を 彷徨う自分の存在を
上から覗いたような 気分だった






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