医学書

知らないことは訳せない

知らないことは訳せない

 医学翻訳に関していうと、知らない内容は訳せない。疾患についてであろうが治療についてであろうが、そこで語られている内容がわかっていなけば、単語や構文からなんとか誤魔化して訳してしまおうとしても、それは読んだ人にすぐわかってしまう(と思う)。  池上彰さんは『相手に「伝わる」話し方』の中で、ニュースを読むアナウンサーについて、 自分が理解できない原稿を読んでも、聞いている人がわかるわけがないのです。 と書いている。  古賀史健さんは 文章を書くときには「すべてバレる」

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「超音波の基礎と装置」新装版 全国書店で販売中です

「超音波の基礎と装置」新装版 全国書店で販売中です

ベクトル・コア社から発行されていた「コンパクト超音波αシリーズ 超音波の基礎と装置【四訂版】」の新装版,「コンパクト超音波neo 超音波の基礎と装置【新装版】」が,全国の医書取り扱い書店,Amazonなどネット書店で販売中です. 超音波検査の基本の学びに,秋の超音波検査士認定試験に向けた基礎領域対策に,どうぞご活用ください. 発行:メディフレックス ISBN:978-4-907909-14-7 本体価格:税込み5,280円(税別4,800円)

変わった病名

変わった病名

 "PBC"は”primary biliary cirrhosis”だと長年思っていたら、気付いたら”primary biliary cholangitis”に名前が変わっていた。知識はアップデートしないとドンドン時代遅れになってしまう。「病初期には肝硬変(cirrhosis)はない」とのことで、患者団体の要求によって変わったらしい。このあたりの詳しい事情はよく知らないので、情報をご存知の方はご一報を。略語は変わらず”PBC”のまま。  同じく名前が変わっても略語が変わらな

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初めての翻訳

初めての翻訳

 歳とってやっちゃいけないことは「説教」と「昔話」と「自慢話」らしいが、今回は初めて翻訳した本についての昔話。  初めて翻訳に参加したのは『WM臨床研修サバイバルガイド 外来診療』だった。”WM”とは”Washington Manual”のことで、あの有名なワシントンマニュアルシリーズの1冊である。原著タイトルは”The Washington Manual Outpatient Medicine Survival Guide”。  監訳の野口善令先生からお誘いをいただき、

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"upright"は上が正しい?

"upright"は上が正しい?

 “upright”という英単語がある。意味は「上が正しい」とか「右上」ではなくて、「まっすぐ上向きになっていること」である。 飛行機のアナウンスで、「座席の背もたれを元の位置に戻して下さい」などと言うときに Please return your seat to the upright position. というのが決まり文句になっている。 とわけで、厳密に垂直ではないか、座位とか立位とかで上向きに立ち上がっているポジションを指す。  この”upright”だが、医療の

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"or"についてもう一つ

"or"についてもう一つ

“and”と”or”について2回続けて書いてところで、”or”について簡単にもう一つ。 “A or B”は「AまたはB」といように、どちらかを指すのに使われるが、それだけではなく、言い換えるときにも使う。 granulomatosis with polyangiitis , or Wegener granulomatosis という例では、「granulomatosis with polyangiitis、またはWegener granulomatosis」と並列してい

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『てんかんの薬物療法改訂版ー効果的な治療薬選択のためにー』刊行に寄せて

『てんかんの薬物療法改訂版ー効果的な治療薬選択のためにー』刊行に寄せて

新薬ラコサミド、ペランパネルに加え、 既存の抗てんかん薬に関するこの10年の知見を加筆した 10年ぶり、待望の改訂版。 新しい抗てんかん薬を適切に使用すれば70%の患者で発作が抑制されると報告されています。エキスパートの抗てんかん薬の特質、副作用、適切な使い方の理解を深め,治療効果が高まる1冊です。 本書のご編集をいただきました、てんかん診療のレジェンド、兼子直先生の序文をご紹介いたします! 改訂の序  早いもので,本書の初版が出版されてからはや10年になる。本邦にはこ

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「や」とか「と」とか「か」とか

「や」とか「と」とか「か」とか

前回に引き続き、"and"とか"or"のお話。  Symptoms include fever and night sweat. なんて文章があれば、「症状には発熱や寝汗がある」と訳せばよい。発熱や寝汗以外の症状もあるだろうから、ここは「や」と言うのが適切に見える。  しかし、 mechanisms of hemorrhagic and ischemic stroke とか、 Charcot’s triad of fever, right upper quadra

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andとかorとか

andとかorとか

 英語で書かれた文章では、ものごとを並列に並べる表現として、 ”A, B, C, and D” とか、 “A, B, C, or D” と言う表現が頻繁に出てくる。  例えば、『フレームワークで考える内科診断』には Symptoms of nephrotic syndrome may include peripheral edema (often anasarca), fatigue, dyspnea, and foamy urine. A predominance o

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最新刊  『膨大な医学論文から最適な情報に最短でたどり着くテクニック』 著者特別レクチャー

最新刊 『膨大な医学論文から最適な情報に最短でたどり着くテクニック』 著者特別レクチャー

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