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【書評リレーマラソン⑤】『解剖から理解する頚椎診療』―臨床経験と解剖に基づいた自身の考えで頚椎臨床に真摯に立ち向かう姿勢に共感
本書を読んで頚椎分野では,わが国(特に整形外科)は神経症候学の面で非常に優れた業績と歴史を持ち世界をリードしてきた。手術手技的にも,神経根症に関してはわが国独自の発想に基づく手技はあまりないが,脊髄症に関しては特に長大なOPLLに対する前方除圧固定(浮上術を含む)の開発・実績に代表されるように,他国の追随を許さないほどの高レベルの手技も実践されてきた。 一方,頚椎変形に関する知識と治療技術は,わが国の臨床レベルは決して高いとは言えない。この分野での低迷ぶりには常々危機感を