本山派修験寺院竜蔵院の系譜の検討ー大宮寺衍純の日記からの考察ー
はじめに地域の修験寺院の調査は、フィールドワークこそが根本だと筆者は思う。墓石、聞き取りなどで文書だけは追えない情報、新発見の史料が多いからだ。修験寺院は、自治体史で充実している場合、別途編纂などで基本情報を揃えて紹介することもある。
筆者は本山派先達修験寺院笹井観音堂の寺院運営・霞支配を研究しているが、近年は配下寺院の方から主従関係の浸透、霞支配の実態に迫っている。具体的には所沢市糀谷の竜蔵院・狭山市下奥富の東林寺・日高市高萩の高萩院である。
竜蔵院は、『所沢市史社寺』で文