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【随筆(Essay)】

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自作の随筆(Essay)を、過去に書いたものから綴って参ります。
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記事一覧

僕の文化祭

僕の文化祭

 この夏休みの間、娘は足重に学校へと通っていた。そう夏休み明けに文化祭があるので、その準備をするためだ。どうやら娘のクラスではクラスで撮影を行い、その撮影を編集して映像として公開するとのことだ。しかしコロナ禍と言うこのご時世で、保護者の参加は両親のどちらか一名のみとされたのである。

 学生にとっての大イベントのひとつが、新型コロナの影響により縮小されることは、親としてもとても残念であり、学生時代

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鍋を家族で囲んで

鍋を家族で囲んで

 冬が近づき、寒さが厳しくなってくると食べたくなるのが鍋料理である。我が家も先日、この冬最初の鍋料理を食べたのだが、何鍋にするか迷うのであった。シンプルに水炊きにするか、オーソドックスの鳥だしか、はたまた豪華にすき焼きにするか。ご当地鍋もあるのだから、種類のバリエーションも多い。
 普段から献立を考えるのが大変だと言う嫁は、この日もこんな事をもらす。
「アナタ達、何鍋が食べたいの?」
 すると子供

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社会人の通信簿

 今年もまた、年に一度の頼りが僕の元に届いた。新型コロナの影響から、今年は何時もより遅くにその案内が届いたのだ。しかし僕はかなり油断していた。それは新型コロナの影響で、今年の〝健康診断〟の通知が僕のところに、何時もより遅くに届いたからである。

 毎年、僕の住む市区町村では〝健康診断〟を受けるよう、健康センターから〝健康診断〟の案内が僕の元に五月頃に届く。しかしコロナ禍と言う事もあり、健康センター

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父の日ライブハウス

父の日ライブハウス

 昨日、知り合いの女性シンガーソングライターの活動4周年記念と言う事で、都内にある〝ライブハウス〟へと足を運んだ。こう言うと、おそらく多くの方たちはこう思うだろう。

「〝ライブハウス〟って、本当に大丈夫なの・・・?」

 実際、僕自身もこの事を家族に伝え〝ライブハウス〟に行く事に対し、家族から良い返事を最初は貰えなかった。しかもこの日が〝父の日〟だったので、僕は家族の身の安全を選択するか、新型コ

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こころの断捨離

こころの断捨離

 日頃、僕は生活にムラのある日常を送っている。その大きな理由のひとつとして、双極性障害と言う病を患っているからだ。そして現在も月に一度、心療内科に通院しながら、処方された薬を朝、夕、寝る前に服用している。

 たぶん外見だけで、僕の事を精神疾患の抱えた精神障害者であると判断するのは無理だろうと僕は思っている。また僕自身も、この双極性障害と言う病に今まで向き合って来たのだが、ある日突然、僕の中にある

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母の日を迎え

母の日を迎え

 両親と同居している僕の家族は〝母の日〟を迎え、毎年恒例となっている事がある。そのひとつが、僕の母親に渡している“お気持ち”と言う名のこころばかりの感謝のお札である。

 このご時世、ものは十分満たされており、使い勝手の一番良いものと言えばアレだ。そうゲンキンなもので、プレゼントとしては一番無難であり、野暮な選択なのかも知れない。母親がそのお金をどう使おうと僕に責任がある訳ではないし、スマートで尚

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ひとつ上の兄貴

ひとつ上の兄貴

 我が家は年に一度、正月に両親と三人兄弟の家族一家で集まる。ちょうど正月を前にして、ひとつ上の兄貴から僕のスマホに着信が届いた。僕はてっきり、「来年の新年会の打ち合わせの連絡だろう・・・」。そう思ってスマホを確認した。

 すると見事に予想は外れてしまった。兄貴からの連絡をよく観ると、「明日から札幌に出張する。小学生時代の集合写真を送ってくれ!」と、一方的な内容が書かれてあった。

 幼い頃、我が

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